2009-10-23

民主党の温暖化政策~日本は先導役にも環境貢献もできない~

im20090907AS3S0700L0709200913.jpg
画像はNIKKEI NETからお借りしました。
民主党の温暖化政策ってどんなもの(1)~(3)で、政策の中身を切開しようとしてきましたが、そもそも民主党のCO2削減25%(90年比)はそもそも実現できる数字なのだろうか?また25%を実現したとして、それは本当に地球環境のためになるのだろうか?国際的な日本の評価に繋がっていくものなのだろうか?
今回はこれらを考えるうえで有効な記事を紹介したいと思います。

 にほんブログ村 環境ブログへ


『温暖化防止で世界のリーダーシップはとれない』 アラスカ大学国際北極圏研究センター 赤祖父俊一氏から引用。

民主党は、前首相の15%は「恥ずかしい目標であった」とし、炭酸ガス(CO2)の中期(2020年)目標として1990 年比25%削減を国際公約する方針を掲げ、日本が重大な国際的問題のイニシアティブを取るとしている。残念ながらこれが国際政策としても学問的にもほとんど無意味の公約であることを述べるのが、本稿の目的である。
まず、国際政策についてであるが、鳩山首相は日本のリーダーシップで米国や中国が同調することを「前提」として期待しているようであるが、これは不可能であろう。米国では連邦議会の下院がワックスマン・マーキー法案を通したからといって、条約を批准する上院が簡単にこの法案を通過させるとは考えられない(上院は京都議定書をdead on arrival [審議不要]とした)。米国では極めて穏健な政治評論家であるジョージ・ウィルが最近のニューズウィーク誌で、下院の法案は炭酸ガス放出を1910 年レベルに下げることと同等である、すなわち、市民の生活レベルを1910 年代に戻すことと指摘している。「石器」時代に戻ることである。一般市民が簡単に納得するはずがない。上院がその法案を否決、またはほとんど無意味なものにしても、大統領は何もできない。「残念でした」として話は終わりになる。
中国については、まず米国は中国が合意しなければと言っているが、米国も日本も中国を自国の工場にしてしまっている。したがって、中国に炭酸ガス削減を要求することは不可能である。しかも米国は中国に多額の「借金」がある。中国は米国より「金持ち」であるにもかかわらず、まず先進国が放出削減すべきと発言している。また中国での物品製造のために排出した炭酸ガスの分は、日米諸国が負うべきとも言っている。もっともである。
ロシアは放出を30%増加すると言っている。インドのパチャウリIPCC 議長は排出権取引き(キャップ・アンド・トレード)でキャップは受け付けられないとしながら、鳩山首相のイニシアティブを口先だけで誉めている。

世界のCO2排出のうち、大部分を占めているのは中国と米国で、その大国を動かす先導役に日本がなろうとしているようですが、中国、米国にCO2削減を期待するのは無理があるようです。何故か?。それは次の引用文でも少し述べられていますが、それはそうとして、じゃあもし日本だけでも頑張ったらどうなる?地球環境は改善する?

日本の炭酸ガス排出量は、世界の排出量の4%である(米国は30%、中国も約30%)。
たとえ鳩山首相が25%を削減目標としても4%のうちの25%は世界全体の1%にしかならない。したがって、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2100 年までの気温上昇予測の6℃が正しいとしても(後述するように正しくないが)、日本の2100 年までの上昇を下げることについての貢献は0.1℃以下である。こんな簡単なことを考慮せず、国を挙げて5、7、15、25%などと数字だけで議論をしたり、25%という数字を表明して世界の「良い子」であることを示したいとするのか、または、誰もついて来ないリーダーシップを取ろうとするのか、理解に苦しむ。
後述するように現在の温暖化は自然変動の可能性が高く、その場合は2100 年における上昇は0.5℃程度であり、したがって日本の貢献は0.005℃程度になり、無意味の可能性さえある。
炭酸ガス放出国を悪者にするなら、その親分である米国と中国(世界の放出量の60%以上)が、本気になって削減を主張するのであれば、各国同調の可能性があるが、子分(世界の放出量の4%)である日本が、親分を改心させることは不可能であろう。しかも米国と中国は現在世界経済の牽引車である。米国での太陽パネル、風力発電量は現在、全体の発電量の1~2%程度である。しかも、オバマ政権はGE に早急に電気自動車を作ることを奨励している(それは原油輸入とそれに伴う赤字を下げることには役立つ)が、その充電用の電力はどうするのか。石炭発電に代わる大電力は原子力発電しかないが、とても10 年間にできることではない。この大電力を太陽パネルや風力発電で補う予算もない。原子力発電所を数多く設立するまで、石炭発電、炭酸ガス放出を今後とも10 年以上続けなければならない。
しかし、これを批判されれば、オバマの地球温暖化に取り組むということが矛盾してくる。おそらく板挟みになった環境保護局(EPA)長官は、事もあろうに炭酸ガスを「汚染ガス」と認定し、炭酸ガスは健康に有害であるとした(実際は炭酸ガスは地球生命の恩人である)。
ところが、これについて日本のメディアは「ついに米国は地球温暖化問題に真剣に取り組むことになった」と鬼の首を取ったような報道ぶりであると聞く。もし米国と中国が合意しなかったなら、鳩山首相は振り上げた「ナタ」をどうするのか。彼らが合意しなかったからと言って下げることはできないであろう。EU は巧妙に立ち回り、何もしなくともよいようにするであろう。彼らはもともとできないのである。では、日本はどうするのか。結局、排出権取引きで支出しなければならないのは日本だけであろう。今からこの「ナタ」の後始末を慎重に考慮する必要がある。

つまり、日本だけ頑張っても焼け石に水ということ。米国も電力シフトを行うだけのインフラ基盤は整っておらず、本格的に整備を進めれば逆にCO2を排出することになり、実現可能性は薄い。結局日本の掲げる25%削減は、『先導役』という意味でも『環境貢献』という意味でも価値がないということだ。むしろ、税金の無駄使いそのもので、困難な後始末だけが残ってしまう。
しかし、このような検証は当然民主党だって考えているだろう。にもかかわらず、何故温暖化防止を訴えCO2削減をこんなに大々的に進めようとしているのか?(もしかして本当に考えていないのか?)

オバマが地球温暖化防止を唱える目的は米国民に原子力発電を承認させる(電気自動車を運転できる)か、地球温暖化の大災害を防ぐ(電気自動車を運転できない)かの選択を迫ることであろう。鳩山首相は馬鹿正直に世界の関心の的である環境破壊問題を背景にして、日本の環境立国を旗印にしたいようであるが、以上の理由で、米国、中国、インドは追従してくるとは思えない。EU や途上国は口先で鳩山イニシアティブを誉めるだけである。日本は京都議定書では完全にEU に「おだてられ」、そして「はめられた」ことにまだ気がついていないようである。途上国は排出権取引きの資金が目当てであり、しかも排出権取引きで世界の炭酸ガス放出量が大きく減少するわけではない。したがって、炭酸ガスの25%削減で世界をリードしようとする選択は、どの国もついてこないリーダーになる可能性がある。
これだけでも、なぜ日本が馬鹿真面目に国を挙げて地球温暖化と排出権取引きを議論していることがおかしいか、わかっていただけると思う。鳩山首相の旗印の誤りということになる。

つまり、温暖化防止⇒CO2削減の真の目的は原子力シフトの為の正当化論理ということになる。また他の側面では、排出権取引市場での日本の資金目当てという見方もできる。
そうすると、CO2温暖化は事実なのか?それとも嘘なのか?ということになる。日本ではマスコミ含めて温暖化防止一色だが、このあたりの事実は次回に預けたいとおもいます。

List    投稿者 nannoki | 2009-10-23 | Posted in G01.二酸化炭素による温暖化って本当?2 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2009/10/610.html/trackback


コメント2件

 hihi | 2010.07.24 21:06

ちょっと質問です。「相分離システム」について。
相分離とはリグニンを「相」としてまるまま分離するという意味ですね?
分離の説明図解が少し分かり難いのですが、リグニンが赤い点々で、黄色い点々が糖となっていますから、炭水化物(青字)のことですよね。
つまり、木粉をフェノール相で包んで分離槽に入れると、リグニンはリグフェノールとしてそのままに、炭水化物は外に溶け出すということを示しているんですよね?

 kz2022 | 2010.07.24 21:37

hihiさんコメントありがとうございます。
概ね仰るとおりで良いと思います。
 少し補足すると、教授によれば相分離システムとは、「リグノセルロース系複合体を形成している親水性炭水化物および疎水性リグニンに対し、それぞれ相互に混合しない機能環境媒体(リグニン:フェノール誘導体、炭水化物:酸水溶液)を設定し、常温常圧下細胞壁中において2相分離系を形成させ、界面での反応制御により異なる環境系で素材を個々に精密構造変換すること」だそうです。

Comment



Comment


*