そもそもエネルギー源とは何か?化石燃料とは?
私たちの暮らしを支えるエネルギー。その『エネルギーを創り出している資源、化石燃料はどのように生成されているのか』について今回は紹介します。
エネルギーの種類
まず、エネルギーには「一次エネルギー」と「二次エネルギー」の2つの種類があります。
「一次エネルギー」・・・なにも加工されていない、そのままのエネルギーのことを指します。石油や石炭、天然ガス、地熱、水力などをはじめ、太陽光や風力などの再生可能エネルギーや薪、石炭などを含みます。
※化石燃料は一次エネルギーに含まれます。
「二次エネルギー」・・・一次エネルギーを転換、または加工して作られるエネルギーのことを指します。電気やガソリン、ガスなど、家庭やオフィスで見られるエネルギーは二次エネルギーに振り分けられます。
化石燃料は状態変化によって様々な資源に分類される
化石燃料
├ 気体 → 天然ガス
├ 固体 → 石炭
└ 液体 → 石油
エネルギー資源の生成過程
【石油】
石油のなりたちについては、昔から様々な説が唱えられています。
これらの説は、「生物起源説(有機成因説)」と「非生物起源説(無機成因説)」の2つに大別されますが、今日では「生物起源説」が主流となっています。
生物起源説は、石油が大昔の海や湖に住んでいたプランクトンといった生物の死骸が土砂の重みや地球の熱によって、何億年もの長い時間をかけて変化してできたものと考えられています。
石油の中にはポルフィリン系化合物(ヘモグロビンやクロロフィルなどが持っている環状構造)のような生物由来と考えられる成分が含まれており、生物起源説を支持する有力な証拠とされています。
生物起源説の中でも、現在最も支持されているのは「ケロジェン根源説」です。「ケロジェン」とは、堆積岩中に存在する不溶性の(有機溶媒に溶けない)固体有機物のことを指し、生物の遺骸が海底や湖底に堆積した後、ケロジェンを経て石油になったというのがケロジェン根源説です。
一方、非生物起源説では、生物の遺骸ではなく地球内部に存在する物質に石油の起源を求めています。石油の起源物質は、地球創生時に、地球の材料となった小惑星から持ち込まれて地球深部に蓄えられており、今も地球深部で石油の生成が続いているとしています。
石油の特徴としては、
・液体なので運びやすい。
・燃もやすと、二酸化炭素や硫黄酸化物、窒素酸化物などを出す。
・採れる地域がかたよっている。
世界の石油蔵量の約半分は中東地域に集中しています。日本で採れる石油はごくわずかなため、ほぼ全量を輸入にたよっている状況。
【石炭】
石炭は大昔の植物が積もって地中にうまり、何億年もの長い時間に、土砂の重みや地球の熱によって、岩石のように変化したものと考えられています。
特徴としては、
・他の化石燃料に比べて、採れる年数が長い。
・存在している地域が広く、安定的な供給が望める。
・値段が安い。
・固体なので、移動させるのにコンベアなどの設備が必要。
・燃やすと、二酸化炭素や硫黄酸化物、窒素酸化物などを多く出す。
石炭は、世界各地で採れます。なかでも、アジア・オセアニア、ヨーロッパ・ユーラシアが多い地域となっています。
【天然ガス】
天然ガスは大昔の生物が変化して石油が出来る過程で一緒にできると考えられています。
特徴としては、
・-162℃まで冷やすと液体になり、気体の時に比べ体積も600分の1になるので運びやすい。
・色もにおいもなく、液体にするときに、硫黄分や不純物を取り除くことができる。
・燃やすと、二酸化炭素や窒素酸化物を出す。
・液体のまま保存するには、冷凍しておく設備や費用が必要になるため、長期間大量に保存するのが難しい。
天然ガスは、石油ほどではないものの、採れる地域にかたよりがあります。
主にはヨーロッパ・ユーラシアが多い地域となっています。
過去にも本ブログでの化石燃料にまつわる記事を以下にご紹介します。
・化石燃料について(http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2007/03/000108.html)
・化石エネルギーは人類にとって何だったのか?(http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2008/08/372.html)
・石油・天然ガスの『有機起源説か無機起源説か?』は、市場原理の問題か!?(http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2007/08/180.html)
・石油の不思議 ~無機成因説からのアプローチ~(http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2007/08/178.html)
============================================
考察
現在、「生物起源説」が主流となっている背景には、市場原理、政治的な内容も関係している可能性が高いです。
非生物起源説が証明されると今まで「石油が枯渇する」という理論に基づいて築かれた様々なエネルギー施策を根本的に見直す必要が出てくるからでしょう。
さらに、さまざまな「政治的な問題」が上がってくるからだと思います。
============================================
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2022/12/7247.html/trackback