【指紋で犯行時刻が解る】科学を身近に☆NewStream
刑事ドラマで指紋を採取する場面を多く見かけますが、このほど「誰の指紋か」だけでなく「何時つけられた指紋か」までを特定することができるとの記事がありました。
指紋とは、紋様の物理的形だけと思っていましたが、「指紋痕跡には、皮膚の脂肪分やタンパク質などが残っており、このタンパク質を構成するアミノ酸のひとつであるトリプトファンが、365nmの紫外線を当てると、青白く浮かび上がって見える。そして時間が経つと、徐々にトリプトファンが酸化を受け、別の波長の光を吸収して蛍光を発するようになる。」事により指紋により犯行時刻が推察できるとの事です。
蛍光を発する現象は放射性物質が有名ですが、どちらもエネルギー(電磁波)を放出して統合から分散へと向かう過程ですね。生物は無機物(水と二酸化炭素)+光で高分子の有機物を作り、生命活動の中止と同時に有機物を無機物と光に分解するように見えます。
ところでトリプトファンはセロトニンやメラトニンと言った物質の材料である。
又トリプトファンは吸収した紫外線によって、その構成元素の内殻の電子が原子外に弾き飛ばし、そのようにしてできた空の軌道に外側の殻から電子が遷移し、余分なエネルギーを蛍光として放出するのである。
アミノ酸一つとっても非常に興味深い物ですね。
http://blog.livedoor.jp/route408/
犯罪の捜査において、指紋は最も重要な証拠となりえます。指紋は一生にわたって変わりませんし、その紋様を詳しく分析すれば、ほぼ間違いなしに個人の特定が可能です。筆者など、小さい頃に利き手の人差し指をケガして変な指紋になっており、鑑定するまでもなく一発でバレてしまうので、悪いことはできそうにありません。
指紋が犯罪捜査に用いられるようになったのは、19世紀末ごろのことだそうです。ヘンリー・フォールズという人が、来日して大森貝塚の土器を調べていた際、数千年前の指紋が変わらずに残っていたことに感動し、研究を始めたのがきっかけといわれます。その他、指紋の犯罪捜査への応用には、いろいろな裏話があるようです(「指紋を発見した男―ヘンリー・フォールズと犯罪科学捜査の夜明け」コリン・ビーヴァン著)。(ところで、日本人は江戸時代から拇印を利用して個人の同一性確認を行なっていました)
このように、犯罪捜査に非常に役立つ指紋ですが、技術が登場、Angewandte Chemie誌に掲載されました。 指紋には、皮膚の脂肪分やタンパク質などが含まれています。このタンパク質を構成するアミノ酸のひとつであるトリプトファンは、特定の波長の紫外線を吸収し、蛍光を発する性質があります。このため、指紋に365nmの紫外線を当てると、青白く浮かび上がって見えます。
しかし指紋がつけられて時間が経つと、徐々にトリプトファンのインドール環が酸化を受け、別の波長の光を吸収して蛍光を発するようになります。これを測定すれば、酸化されたトリプトファンの量を割り出せます。これで指紋がつけられた時刻を割り出せそうですが、くっついたタンパク質の量にも左右されるため、今まであまりうまく行っていませんでした。 今回著者は、元のトリプトファンと、酸化生成物の「比率」を測定することを考えました。これなら、指紋としてくっついたタンパク質が多かろうと少なかろうと、ほぼ同様の数値が出るはずです。この発想は成功し、約1.9日の誤差で、指紋がつけられた日時を推定できたということです。ただし、3週間以上経過した指紋については正確な数値が出にくく、日時の推定は難しいとのことです。 この方法によれば、犯人がいつごろ指紋を残したのかわかりますし、多数ある指紋の中から犯行時刻ごろにつけられた指紋だけを絞り込むことも可能になりそうです。まだ改良の余地はありそうですが、いずれ研究が進めば犯罪捜査の現場で強力な手法となることでしょう。 推理小説などにも、いずれこうした手法が取り入れられるのかもしれません。指にあらかじめ還元剤を塗っておいて、犯行推定時刻をずらすことで捜査を撹乱する――などというトリックも考えられそうですが、どんなものでしょうか。
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