2019-03-22

人工物質による肉体破壊に、精子半減とともにメスの不妊化も判明

今から60年ほど前に、レイチェル・カーソンが「沈黙の春」の書籍で、人工物質による自然破壊そして肉体破壊に警鐘を鳴らし、社会に衝撃を与えた。

その後、様々な識者から、人工物質による「環境ホルモン」が、生殖・内分泌系異常、免疫系・神経系の障害、そして胎児への影響が報告され続けてきた。そして、1990年代には精子半減が報告され、社会に衝撃を与えたが、未だに解決の方向には全く進んでいない。

そして今回、プラスチック製品に含まれるフタル酸エステルが、「メスの妊娠率を著しく下げる」ことが判明したと報告された。

以下、In Deep「プラスチックが「100%の人々の体内に存在する」可能性が高い中、プラスチック製品に含まれるフタル酸エステルが「メスの妊娠率を著しく下げる」ことが判明。地球は全生物の不妊化へ?」より引用

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<前略>

すでに人々は 100%に近い割合で体内にプラスチックを取り込んでいる。

<中略>

プラスチック成分のうちの、

「ビスフェノール A は、オスの生殖機能を低下させる」

のに対して、やはりプラスチック製品使われる、

「フタル酸エステル類は、メスの妊娠機能を著しく低下させる」

のです。

<中略>

フタル酸エステルが、雌マウスの受精機能を低下させることが判明

多くのプラスチック類やパーソナルケア製品に含まれるフタル酸エステルは、メスのマウスの受胎機能を低下させる可能性がある、という新たな研究結果が明らかにされた。

米イリノイ大学の研究者たちは、メスのマウスに 10日間、フタル酸ジイソノニル(フタル酸のエステル化により製造される有機化合物)を経口投与し、経過を観察した。その結果、メスたちの生殖周期は乱れ、その後最大で 9ヶ月の間、妊娠する能力が低下したことを発見した。

科学誌「トクシコロジカル・サイエンセズ(Toxicological Sciences / 毒性学)」に最近報告されたこの調査結果は、可塑剤(かそざい / 材料に柔軟性を与えたり、加工しやすくするために添加する物質)と呼ばれるフタル酸エステル類と、げっ歯類の様々な生殖異常や、その他の健康問題とを結びつける多くの研究結果が加えられている。

フタル酸エステルは、プラスチックやビニールを柔らかく、そしてより丈夫にするために加えられる。食品や飲料の包装、ビニールフローリング、医療機器、そして化粧品を含む多くの種類の消費財に使われている。

今回の研究によると、研究中のマウスが消費したフタル酸エステル、フタル酸ジイソノニルおよび、フタル酸ビス(可塑剤)に関連するさまざまな健康上のリスクが報告された。

これらの研究には、フタル酸ビスがホルモンのシグナル伝達、ならびに卵巣の成長および機能を破壊することも発見されている。

今回の研究論文には、論文の主筆者であるジョディ・フローズ(Jodi Flaws)博士の 2015年の研究の内容も含まれる。

フローズ博士によれば、フタル酸エステルに関するこれまでの研究の多くは、女性の生殖への潜在的な影響を反映しないような、現実の世界での曝露レベルから考えると、非常に高い投与量を使用していたという。

そこで、フローズ博士たちの研究チームは、これらのフタル酸エステル類が、女性の生殖能力に及ぼす現実的な影響を調べるために、メスのマウスに、環境関連濃度のフタル酸ビスまたはフタル酸ジイソノニルを体重 1kgあたり 20マイクログラムから 200ミリグラムの範囲を含むコーン油溶液を与えた。

このような濃度は、私たちが日常生活や仕事などの間に暴露を経験するレベルだ。

10日間の投与期間が終了した後、フタル酸エステル類を与えられたメスのマウス、および、処方されていない対照群のメスのマウスたちを、繁殖のためにオスのパートナーと対にした。オスたちは、何の処方もされていない健康なオスたちだ。

研究者は以下のように述べる。

フタル酸エステル類の投与後 3ヶ月の間に、最低用量のフタル酸ビスとフタル酸ジイソノニルを処方されたメスの 3分の 1は交配後妊娠できませんでした。処方されていないメスは 95%が妊娠しました

イリノイ大学の比較生物科学教授でもあるフローズ博士は、次のように述べる。

「この研究の中で、本当に懸念されることは、メスたちの化学物質への曝露が停止されてから、ずっと後になってからも、なおメスの生殖能力が損なわれ続けていたことです」

今回の調査結果は、フタル酸エステル類が、ステロイドホルモンの産生とシグナル伝達に混乱を与えることを示唆している。フタル酸エステル類の投与後 3ヶ月と 9ヶ月の時点で、フタル酸ジイソノニルの投与を受けたメスの発情周期は、投与を受けていないメスたちとは異なっていた。

投与を受けたメスたちの卵巣の卵胞は急速に成長し、受胎能力が増加する発情前期は、より短くなった。しかしながら、周期の後半の段階である、卵巣がプロゲステロンおよび子宮内膜を形成する間の発情期および発情終期はより長かった。

10日間の投与期間の直後のマウスを調べることで、研究者たちはまた、投与されたメスの子宮の重量が、投与されていないメスたちのそれより有意に少ないことを発見した。

最低用量のフタル酸エステル類を投与されたメスでは、投与されていないメスと比較すると、妊娠して産まれた仔の数が有意に減少していた。

研究者たちは、マウスのステロイドホルモンの調節不全が、フタル酸エステル類を投与されたメスの子宮内膜の胚着床に対する受容性を低下させると仮定している。

研究によると、子宮内膜の内膜が着床を受容し、それが起こるためには女性の性ステロイドホルモンが十分に調節されている必要がある。

あるいは、フタル酸エステル類への曝露は、メスのマウスの生殖寿命の終わりを早め、妊娠する可能性を減らしていると研究者たちは述べる。

他の研究では、化粧品やパーソナルケア製品を介したヒトへのフタル酸エステル類への暴露がヒトの生殖老化を引き起こし、女性が数年早く閉経期に入ることが報告されている。

この米イリノイ大学の調査結果は、まだヒトで再現されていないが、フタル酸エステル類が、卵巣と性ステロイドホルモンの生産に影響を与えている可能性についてさらに調査する必要があるとし、フローズ博士は以下のように述べる。

「フタル酸エステル類の体内での半減期は比較的短いのです。それらは速く分解される傾向があり、その代謝産物は数日以内に尿中に排泄されます。しかし、今回のマウスの研究で見られたように、フタル酸エステル類の影響が数カ月後にまで続いていたということは懸念されるべきことだと感じます」

List    投稿者 asaoka-g | 2019-03-22 | Posted in G.市場に絡めとられる環境問題No Comments » 

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