プレートを動かす原動力は「冷却→収縮」ではないか?
角田先生の熱移送説を学ぶことでプレートテクトニクスへの疑念が強まっていますが、マスコミや教科書は非常に硬直的です。
他方、海外ではもっと柔軟に議論がなされているようです。
プレート・テクトニクス理論はプレートは堅固なものであるという前提に基づいていますが、最近の研究でその前提が覆る可能性が出てきました。この研究では、プレートは、これまで想定されえていた程、堅固なものではなく、地球の冷却化の進行に伴ってプレートに収縮が生じている、と考えます。
そうであれば、「プレートの移動」として観測されている現象とは、マントルの対流によるプレートの“移動”ではなく、熱収縮によるプレートの“変形”なのかも知れません。
以下、「太平洋プレートは冷えることで縮小している、ライス大」 http://science.newsln.jp/articles/2014082715060019.html より転載します。
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「Ring of Fire」と呼ばれている太平洋を支配しているテクトニクスプレートは、これまで多くの研究者が想定した程、堅固なものではないことがRice University と University of Nevadaの共同研究結果により明らかとなった。
RiceのRichard Gordonと彼の同僚らは、リソスフェア(地球の層のの最上部)で生じている冷却化の進行が太平洋プレートの一部に対して水平方向に高率で寄与し、これがプレートの変形を助長させていること発見した。
その上でGordonは今月号の「Geology」を通じて発表した論文の中でおおよそ200万年前に形成されたリソスフェアのもっと若い部分が太平洋プレートを構成していることを。また、この若いリソスフェアの収縮率は、2000~8000万年前に形成されたリソスフェアに対して10倍の速度で、また、1億6000万年前に形成された古いリソスフェアに対しては80倍の速度を持っているという新しい研究成果を示した。
「プレートテクトニクスは基本概念において、プレートは堅固なものであると前提に基づいている。しかし、私が過去数十年に渡って続けてきた研究成果は、プレートテクトニクスのこの基本前提は単なる想定に過ぎなかったことを示している。つまるところ、プレートは堅固なものではなかったのである」とGordon はまとめている。
==================================================以上転載
どうも地震を引き起こすプレートのひずみは、プレート同士が押し合うことで生まれているのではなく、プレート自身が冷えて縮小することでおきているのではないかという考え方の方が正しいのではないでしょうか。
以下の説はマントル対流を前提にしているが、地球が冷却化に向かったことで、ひずみがうまれたと考える点は同じだ。
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何が地球のプレートを動かす起動力となったのか?地球のプレートはなぜ動いているのだろうか?地球の表面はプレートで構成されており、このプレートは対流するマントルによって動いている。しかし、30億年前までは、地球の内部は十分に熱く、マントルが対流を起こすために必要となるマントル内の冷やされた部分が生じる余地が存在していなかったために、プレートが動くことはなかった。モデルを使った研究の結果から、30億年前の広がった大陸の存在が、その周囲のプレートにストレスを生じさせたことが判った。そして、横に広がった存在となった大陸は、その周囲に存在するプレートに対して歪を生じさせることでプレートを動かす機動力を生じさせたことが判明した。
==================================================以上転載
大きく考えると、地球=岩盤というものは、熱くてドロドロしたマグマの状態から、岩石化していくわけだが、冷却過程では自ずと収縮力が岩石内部では働き、ひび割れ、引き裂かれていく。
隙間ができるからこそ、プレートはズレ続けるのだろう。その場合、中央海嶺から遠いところほど変形が大きいということになりそうだ。
大西洋における大陸移動は、大西洋のマグマの力ではなく(実際、大西洋のマグマは太平洋に比べたらかなり小さい)、太平洋のマグマから遠いからこそ起こった現象なのではないか。
またかつて、シベリアには巨大なマグマの噴出し口があった。(シベリアトラップ)それ故に、インド大陸を移動させるだけの収縮運動が起こり、ヒマラヤを生み出したのではないだろうか
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