バイオテンプレート技術が語る~自然(万物)への注視こそが新しい技術・発想を生み出す
螺旋を追求するなかで、バイオテンプレート技術という新技術を発見しましたが…螺旋以外にはどのような領域で活用されつつある技術なのか、そもそもバイオテンプレート技術とはどのようなものなのかを追求してみたいと思います。
■自然界の3次元ナノ・マイクロ構造をそのまま鋳型として活用
これまで注目されてきたバイオミメティクス技術のような模倣ではなく、自然界の構造そのものを鋳型として用いることで、自然界のもつ精密な配置。配列を実現することで、単なる成分や構造の足し合わせ以上の性質を創出する。それがバイオテンプレート技術。
その生まれは、自然界の徹底的な観察・注視。
通常の材料科学の研究とは、ある機能の発現を目的として、最適な組織化構造を設計するというものだが…バイオテンプレート技術では、ひたすら自然界のナノマイクロ構造を中止。その中で、普段思い浮かばないような様々な使い道が見えてきて、その発想と自然界の構造をもって技術を生み出していくのだそう。
そもそもバイオテンプレートの研究の始まりも、学生がキャンパスの生垣の葉っぱを裂いて、SME観察したことがきっかけという。
人の頭では思いもつかないような技術・発想の根源は「自然界への徹底的注視」というのは、我々が日々生活・追求するうえでも重要な認識ではないだろうか。
■通信、光源、撥水性と多方面で技術開発が進むバイオテンプレート技術
前回記事でも紹介したスピルリナの螺旋構造を鋳型としたコイルによる超高周波の電波吸収。加えて、生体内の鉄イオンの貯蔵・制御を担っている球殻状たんぱく質フェリチンを用いることで、円偏発光性を持つ新たな機能性光ナノ材料の創出(これまでにない鮮やかな3D画面の光源になる)。
同様のフェリチンをもちいて、超微細過去ナノ構造による撥水性制御も開発。模倣(バイオミメティクス技術等)により開発してきたコーティング膜に比べて恒久的な撥水性が実現されるとのこと。
もちろん、ゴール(目的・実現イメージ)から遡るようにして追求するということも大事ですが…
我々の追求の原動力となるのは「万物への注視」。注視あってこそ、これまでにない・自らでは思いもつかない発想・切り口が見えてくるといえるでしょう。
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