2022-03-15

生物が、光エネルギーを受信し化学エネルギーに変える機能の進化

 

画像はこちらからお借りしました

『信じられないが、世界には「不食」で生きられる人がいる』のような不食の人の存在。『「近代栄養学に根拠なし!肉食推奨のプロパガンダに過ぎなかった』のような恣意的に作られた科学とは言えない栄養学。

これらから考えられることは、人間も含めて生物は、食べることだけでエネルギーを生み出しているわけではないということ。実際に、赤外線をエネルギーに変える細菌も存在するし、腸内細菌の働き(常温核融合・電磁エネルギーの受信)なども考えられる。

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そこで、今回は、電磁波エネルギーを受信し化学エネルギーに変える機能をもつ生物の歴史について概観してみる。その電磁波エネルギー受信パーツを、概ね古い順に並べると、

☆珪素化合物系

ソマチットなどの、水溶性珪素や珪素を含むリン酸鉱錯体を推定されている分子。

☆クロロフィル系

紅色細菌・紅色硫黄細菌に含まれる青緑色色素で、バクテリオクロロフィルと呼ばれている。マグネシウムを含むポルフィリンという鉱物錯体で、エネルギーを捕えて、光合成を行う。これらは、生命発生初期の海底にすむ細菌と思われる種に見られ、海底のさらに下のマグマの出す遠赤外線波長の電磁波の波長と、バクテリオクロロフィルの受信波長が一致する。

☆海生細菌

光でイオンを輸送する膜タンパク質の巧妙な仕組み

海洋細菌の細胞膜には、海水中の主なイオンである水素イオン(プロトン、H+)、ナトリウムイオン(Na+)、塩化物イオン(Cl-)の取り込みと排出を行う仕組みが備わっています。この機能を担うのは「光駆動型イオンポンプロドプシン」と呼ばれる膜タンパク質であり、光が当たるとイオンを細胞の内外に輸送する光駆動型のポンプとして働きます。

光駆動型イオンポンプロドプシンには上記3種類のイオンそれぞれに対応したタイプがありますが、輸送するイオン種にかかわらず、共通の構造をとっています。膜を貫通する7本のα-ヘリックス[7]で構成され、7番目のヘリックスに光を吸収する分子レチナールが共有結合しています。レチナールは光を受けると構造が変化して、タンパク質全体が構造変化を起こす引き金となり、この結果、膜を通過する経路が開かれてイオンが輸送されます。

これは、光を受信して細胞内の化学物質濃度の制御を行うイオンポンプタンパク質だが、その中心にあるのは、その後の『視細胞』にも使われるレチナールという物質。この物質を媒介に受信感度を上げて、目への進化がみられる。

☆動物の視細胞

『ホヤの光受容タンパク質から眼の進化を追う』

視覚機能を支えているのは、オプシンと呼ばれる光受容タンパク質である。眼の網膜に存在する視細胞に高密度で存在し、眼の中で最初に光を受けるという重要な役割を担っている。オプシンは、ビタミンAの誘導体であるレチナールを保持しており、レチナールはオプシン中の特定のリジン残基と共有結合(シッフ塩基結合)を形成している(図1)。レチナールは本来、私たちの眼には見えない紫外線しか吸収できないため、オプシンは単にレチナールを結合するだけでは可視光は吸収できない。しかし、分子進化の過程でオプシン中にカウンターイオン(対イオン)と呼ばれる特別なグルタミン酸残基を獲得し、それがレチナールと相互作用することで、可視光の吸収が可能となった。

無脊椎動物型オプシンでは、光を浴び続けると活性状態の一部が元の状態に戻ってしまうが、一方で、脊椎動物型オプシンではそのような反応は起こらないため、効率よく活性状態を形成できると考えられた。さらに、オプシンがGタンパク質を活性化する効率(活性化効率)は、脊椎動物型で無脊椎動物型の50倍ほど高いことも明らかとなった。

このように、海生細菌から無脊椎動物、そして脊椎動物へと、オプシンというタンパク質内と、その中にあるレチナールという物質という共通項を介して、光の受信感度を上げていることが解る。ここには鉱物錯体は使われていないようなので、光の受信には鉱物が必須ということではなさそうだ。

☆植物の葉緑素(クロロフィル)

光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ化学物質。4つのピロールが環を巻いた構造であるテトラピロールに、フィトール (phytol) と呼ばれる長鎖アルコールがエステル結合した基本構造をもつ。環構造や置換基が異なる数種類が知られ、ひとつの生物が複数種類をもつことも珍しくない。植物では葉緑体のチラコイドに多く存在する。これもマグネシウムを核とした鉱物錯体の形状を取る。

☆まとめ

このように、光(自然電磁波)の波動エネルギーを受信する機能は、活動エネルギーとして化学物質に貯蔵したり、視細胞のように、微細な変化を捉えたりなど、多様な進化を遂げている。

また、血球は(脊椎動物ではFeが核で赤色、無脊椎動物ではCuが核で緑色)エネルギーは貯蔵された化学物質を搬送する役割を持つ。これも、鉱物錯体の形状を取ることからすると、エネルギーを受信した後の化学物質の貯蔵が鉱物錯体の主な機能で、レチナールのような物質の方が電磁波受信の本体かもれない。

List    投稿者 sinsin | 2022-03-15 | Posted in G.市場に絡めとられる環境問題No Comments » 

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