東北地方太平洋沖地震は何故おきたか?解明できない地震
最近また地震に関する話題が増えてきています。何故地震は起きるのか?
まずは、2011年3月11日に多くの命を奪った東北地方太平洋沖地震について調べてみました。
この地域は、世界最高クラスの国の観測網がありましたが、巨大地震が起きてしまった。もう10年たちますが未だに原因は解明できない。何故か?地震理論の基本的な部分が間違っているのか?
現在の教科書では、地震発生はプレートテクトニクス論で語られています。その理論ではこの地震をどのように分析しているのか?
■プレート同士の接着が地震発生を引き起こす?
地震は、地球の表面を覆うプレート(全部で十数枚。厚さ数十~百数十キロメートルの岩盤)が動き、日本周辺でせめぎ合っています。日本周辺では、東側から太平洋プレートが、年間約8cmのペースで動いており、日本の北半分をのせている陸側のプレートの下へと沈みこんでいます。
太平洋プレートが沈みこむにつれ、陸側のプレートも引張りこまれるようにして変形していきます。変形が進めば進むほど、陸側のプレートが元の形に戻ろうとする力は強くなっていきます。そしてプレートどうしの接着が耐えきれなくなったとき、陸側のプレートが一気にはね上がり、激しい揺れ=地震や津波が発生する(プレート境界地震の説明)。東北地方太平洋沖地震もプレート境界地震。
プレート境界では、接触面が強固にくっ付いているわけではないと考えられています。接着が強い領域は、アスペリティと呼ばれ、アスペリティの領域は、接着が限界をむかえて壊れた時に一気にずれ動く=地震源となります。アスペリティの面積が広いほど、発生する地震の規模は大きくなると考えられるのです。
プレートどうしの接着が弱い領域もあり、そこでは、普段からすべっているか、あるいは揺れを発生させないすべり(スロースリップ)がときおり発生していると想定しています。
このアスペリティ・モデルは、プレート境界の接着の様子を単純化したものですが、プレート境界地震が同じ場所でくり返し発生することや、連動して巨大地震となることをよく説明できるとされてきましたが、東北地方太平洋沖地震については、この単純なアスペリティ・モデルだけでは説明がつかないらしい。
■この地域での地震予測は?
東北沖では小さなアスペリティが点在していると考えられており、M9はおろかM8の地震さえめったにおこせないというイメージが、地震学者の間で広く受け入れられていた。
しかし、『日本三代実録』という歴史書に記述されている「貞観地震」(869年)の津波堆積物の到達範囲から、マグニチュードの値は少なくとも8以上と推定されていたらしい。
つまり、地震予知が、近代的な観測データは100年分しかないという情報不足の状況にもかかわらず、接着の弱いプレート境界では巨大な地震はおきないという思いこみで、史実が見えない状況となっていた。
■東北地方太平洋沖地震でおきたこと
震源域は、岩手県の沖合から茨城県の沖合までの南北約500km、東西約200kmの広範囲。これは、過去の地震よりかなり大きい。
プレートがずれ動いた量の最大値は、観測値から推定すると50mをこえているという衝撃的な値だった。また、ずれ動きの大きい場所が、太平洋プレートの沈み込み(日本海溝)近い場所という点も衝撃的だった(一般には、海溝に近い領域はプレート同士の接着が弱いと考えられていたから)。以上のように、東北地方太平洋沖地震は信じがたいほどの歪みが、常識破りの場所に蓄積されていたことによって引きおこされたと解釈されている。
■本震1か月前からの経緯
地震が発生した前に、その準備段階ともいえるような現象がいくつかおきていたことがわかっている。
まず、本震が発生する前の1か月の間に本震の震源の東側でスロースリップが発生していた(解放されたエネルギーはM7相当)。続いて3月9日(2日前)には、スロースリップが発生した領域の少し西側で、M7.3の地震が発生した。さらに、3月9日の地震後、余効すべり(スロースリップの一種)も発生している。そして3月11日の本震へ続く。
これは、本震のアスペリティの付近で、徐々にプレートの接着がはがれていったように解釈されている。数百年間以上にわたってがっちりと接着して地震エネルギーを蓄積し続けてきたアスペリティが、その内部や周辺の支えを失っていき、最後には耐えられなくなって一気にずれ動いた。ただし同じことが次の地震でも起きるかどうかは分からない。
■アスペリティモデルの修正?
今回の巨大なアスペリティがあったということだけでは、M9となった理由を説明しきれない。ずれ動き(プレート境界の接着面の破壊)が、なぜこれほど広範囲に及んだのか?アスペリティ・モデルでは、アスペリティの領域(接着が強い領域)は、ずれ動きがはじまると摩擦力が低下する特徴をもっていると言われている。普段はしっかりと接着していて、いったん接着がはがれてすべりはじめると一気にずれ動く。一方、アスペリティではない領域は、すべりはじめると摩擦力が上昇する特徴をもっていると考えられている。少しすべると摩擦が上昇してすべりが遅くなり、また少しすべってはすべりが遅くなるということをくり返すため、結果的に急激なずれ動きが発生しにくい。
しかし、東北地方太平洋沖地震の震源域の広がりを見ると、アスペリティではない領域も地震の発生源になった可能性が高いという。これはいったいどういうことか?
アスペリディモデルをどう修正するのか?
今考えられているのは、従来考えられていたような「すべりはじめると摩擦力が上昇する領域」なのではなく,「すべりはじめると摩擦力が低下するが、摩擦力の低下が十分ではないために、普段は地震が発生するまでには至 っていない領域」なのかもしれない。そして隣接するアスペリティが非常に大きくすべった場合には、それに引きずられるようにしてすべりが大きくなり、ついには摩擦力が十分に 低下して急激にずれ動くというわけだ。東北沖のプレート境界には実はこのような領域が広がっており、数百年に一度、 蓄積したエネルギーを解放している可能性があるらしい。
■ 他の要因は考えられないのか?摩擦熱による水の膨張が原因?
今のモデルで解明できないとして、他にないのか?
例えば、プレートが大きくずれ動いたため、その摩擦熱によってプレート境界が加熱され、そこに含まれる水が膨張することによって、 摩擦力が急激に低下したという説もあるそうです。摩擦力が低下することでプレート境界がすべりやすくなり、蓄積していたエネルギーのほとんどを解放することが可能になるのだという。蓄積していたエネルギーの一部ではなく、ほとんどすべてを解放するということは、当然,地震の規模も大きくなるわけです。
また、電離層と地震との関係を追求したいる研究者もいる。
【大気層「中間圏」がかつてない奇妙な状態になっていることがNASAの衛星データにより判明。そこは「電離層の電子を刺激する場所」であることから個人的に思うことは】
>電離層の電子と「大地震」が関係しているという事実が明らかになっている今、電離層の電子を刺激する「中間圏の異変」というのは、なかなか刺激的な事実なのかもしれないと思ったのでした。
もはや、今の時代は、「空で起きることは空だけの問題ではなく」
「地上で起きることは地上だけの問題ではない」
話も有り、地震と電磁波との関係も考えられる。
(参考資料;NEWTON 想定外のM9なぜ起きた?)
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JA7TDO | 2021.12.04 12:41
311の巨大地震は非常にまれなことが2つ重なったのが原因だと推測しています。まず、きわめて大量の電荷が地殻と海水に溜まった。そして最高エネルギー宇宙線がたまった電荷を放電させるトリガーになった。震源が複数あるのは、宇宙線により発生した高エネルギーニュートリノが広範囲にばらまかれたからです。地殻内部の岩石が圧電効果で変形しましたが、海水中でも放電が起きて、津波になりました。
もし、最高エネルギー宇宙線が飛び込まなかったら、通常の宇宙線によるトリガーでM7程度の地震で収まった可能性があります。津波も起きなかったでしょう。