2009-10-04

民主党の温暖化対策ってどんなもの?(1)

民主党政策集によれば

地球温暖化対策基本法を制定し、2020年までに1990年比25%、長期的には2050年までのできるだけ早い時期に60%超の温室効果ガス排出量削減を実現します。

自民党から民主党へと政権が移行し、民主党は温室効果ガスを1990年比25%(2005年比30%)削減と打出し、国連でも述べました。

この民主党の温暖化対策ってどのようなものなのでしょうか?
何度かに亘って扱っていきたいと思います。

まずは、その第一回目として、民主党以前、自民党(麻生政権)の時の温暖化対策はどのようなものであったのかを調べてみました。

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麻生政権時では、1990年比8%(2005年比15%)の温暖化ガスの削減を目指していました。
これは、今回の民主党の政策<1990年比25%(2005年比30%)>に比べると低水準であると思われます。どのように削減量が決まっていたのでしょうか?

まずは、麻生政権の時の温暖化対策を押さえなおしてみたいと思います。
~以下の図表は、麻生内閣総理大臣記者会見より「未来を救った世代になろう」から借用しました。~

整理のために、世界のCO2排出量と京都議定書における義務付け対象を以下に示します。
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2009年6月10日、自民党は日本の中期目標を発表し、「2020年までに温室効果ガスを2005年比15%削減」することを約束しましたが、それに先立ち、政府の中期目標検討委員会が半年以上にわたって、緩和のための政策措置や温室効果ガス削減のために生じる経済的負担を、経済モデルや環境シミュレーションモデルを使いながら、客観的に分析し、本年4月に6つの選択肢とその場合の負担額(下記の図表参照)を公表しています。
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~麻生内閣総理大臣記者会見より「未来を救った世代になろう」より~

私はあえて2005年比15%削減を目標とすることを決断しております。この目標は選択肢のうち2005年比、14%削減から太陽光発電などの大胆な上乗せなどによって、更に削減幅を大きくするものです。オイルショックのとき、エネルギー効率の改善、30%上回ります、33%の改善を目指す極めて野心的なものです。

逆にこれ以上削減目標を大きくしようとすると、例えば太陽光パネルの付いた家しか建ててはいけないとか、また、大量の補助金を出し続けるといった事態になりかねないと存じます。また、国民の負担も余りに重たいものになってしまうのではないでしょうか。私は責任ある立場として、このような選択肢を国民にお願いするわけにはいきません。

そして、この6つの選択肢から、パブリック・コメント時では、7割強が2005年比で4%削減を支持しています。これは主に経済界、労働界からの支持が多かったようです。
しかし、世論調査では、約45%もの国民が負担を承知の上で、2005年比14%削減を支持しています。

このパブリック・コメントと世論調査の結果の違いはどこからくるのでしょうか?

自民党が6つの選択肢を提示した時点で、自民党自身の支持基盤、主に産業界に対して配慮(と言うより癒着?)をしていることが分かります。
パブリック・コメントでは、産業界・日本経団連などはこの最も緩い目標(4%増)を支持していますが、世論調査の主体である国民は、すでにそのレベルでは到底満足できない状況にあり、経団連とは大きな断層を孕んでいることが分かります。

しかし、そもそも、世界規模での温暖化対策の共認が形成されているなかで、国民が最も緩い4%削減を選択することは考えづらく、金額の負担面から言っても14%削減になるのは当然の結果のように思われます。そのように考えると誘導された世論調査(実施する前から結果は分かっていた)可能性が高いと思われます。




今後、自民党と民主党の温暖化対策をみるうえで重要と思われるのは、図表中にある「真水」という表現です。
この真水と言うのは、国内削減分だけを示しており、国内の森林によるガス吸収分と海外での削減に協力して購入した排出枠などは加えていません。
自民党は真水をベースにしているのに対して、民主党は国内外の削減分を加えた値となっています。従って、この値の取り方・見方によって政策の方向性が明らかになってくるように思われます。

次回は、民主党の掲げる「温室効果ガスを1990年比25%(2005年比30%)削減の根拠を探っていきたいと思います。

List    投稿者 yoriya | 2009-10-04 | Posted in G01.二酸化炭素による温暖化って本当?1 Comment » 

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コメント1件

 ぴのこ | 2010.06.03 22:11

>「再処理、放射性廃棄物の技術確立と事業に国が最終責任」
この言葉、すごく違和感覚えますねーヽ(~へ~ )ノ 。
きっとみんなが求めているのは責任の所在とか、そういうことじゃないですよね。
・事実として、安全か?
・みんなにとって、ためになることか?
ここをすっきりさせないまま推し進めても、余計な税金(原子力施設の立地対策【1,708億円】)ばかりが増える一方ですね。
みんなで考える場、事実を追求する場が本当に必要ですね(*^^*)

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