2008-02-05

二酸化炭素貯留テクノロジーって大丈夫なの?

火力発電所や鉄工所などでは大量の二酸化炭素が排出されています。
これらの施設から大量に排出される二酸化炭素を長期間大気中から隔離し、海洋や地中に埋めてしまおうと言うのが「二酸化炭素回収・貯留技術(CCS)」です。
そして、これは二酸化炭素の増加を抑制する技術(方法)として注目が集まっているようですが、リスクはないのでしょうか?

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二酸化炭素貯留(CCS)の仕組み




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CCSのシステム構成例
CO2地中貯留プロジェクトより

【二酸化炭素の回収】
特殊な科学物質を使うと、排煙から二酸化炭素を取り出すことができます。
現在、実際に使われている代表的な回収方法に「化学吸収法」というものがあります。
これはアミノ基(参考)と呼ばれる構造を持った化学物質(アミン化合物)を含んだ液体に、排煙を通すことにで、二酸化炭素とアミン化合物と結合させます。その後、温度を上げると二酸化炭素が分離し効率よく回収することが可能となります。

【二酸化炭素の貯留】
上記によって取り出された二酸化炭素はパイプラインを通って、二酸化炭素貯留用井戸へと向かいます。そこで、地下の貯留層という砂岩などの粒が粗く、すき間の多い地層へと注入され貯留されるという仕組みになっています。
そして、貯留の方法は大きく分けて「地中貯留」「海洋隔離」の2つあります。



二酸化炭素貯留(CCS)の現状
現在、CCS技術は、海外ではノルウェー、カナダ、アルジェリアなどで地中貯留プロジェクトが実施されています。(参考;海外での動向
日本では、新潟県長岡市岩野原でCO2の帯水層貯留の実証試験がRITEによって行われており、この実証試験では、2003年7月からの18カ月間で合計約1万tのCO2が、地下約1100m の帯水層に貯留され、貯留後のモニタリングが継続的に行われています。(参考;岩野原実証試験・モニタリング)また、北海道夕張市では、夕張炭田における炭層貯留の研究開発が2002年度から関西電力系の(株)テクノスによって実施されており、CO2の挙動その他安全性等を観測中となっています。

二酸化炭素貯留(CCS)のリスク
では、二酸化炭素を隔離するということについてはCCS技術は有効なように思えますが、なぜ普及が進まないのでしょうか?
一般的に言われているのは、大きく「経済性(コスト)」と「二酸化炭素の漏れの可能性」の2点があるようです。
【経済性(コスト)の問題】

地下貯蔵する為には、分離した二酸化炭素を加圧して、地下まで送らなければなりません。この為にはさらに莫大なエネルギーを要します。この二酸化炭素分離装置は、火力発電所など二酸化炭素の大規模排出源1つ1つに設置し、そこから海底までパイプラインを作り、さらに海上施設から海底に二酸化炭素貯蔵場を確保するという、一大コンビナートのような巨大な施設を建設しなければなりません。その為に使うエネルギーは途方もなく、資源も膨大に浪費致します。
このプロジェクトによって更なる膨大な二酸化炭素を出すという結果をもたらします。大変馬鹿げたお話です。これは、二酸化炭素削減という本来の目的に逆行するものです。

【貯留された二酸化炭素の漏れの可能性】

炭素の漏れについては、地中貯留の場合、100年又は1000年後でもほとんど危険性はないと評価されています。しかし、海洋貯留の場合、場所や深さによって異なりますが、100年後で65~100%維持可能、500年後には30~85%の維持可能にとどまります。

しかし、もし二酸化炭素が漏れてしまうと、地中の微生物や大洋の酸化、海洋生態系への影響などの自然界に対する影響などはまだ解明されていないのが現状です。

その他のリスクはないでしょうか?
『新潟県中越地震は地中へのCO2注入が引き起こした人災か!?』で衝撃的ことが述べられています。

著者の山本寛氏は、ヤマハ発動機㈱でモーターサイクルの開発や品質管理を務めた元エンジニアで、エンジンの燃焼に関する論文や燃料電池に関する解説記事を発表する一方で、「常温核融合」に興味を持って情報収集を行ない、【地震は、地殻に含まれる「水」が周りの金属と反応して発生する「原子状水素ガス」が核融合して起こる爆発である】との仮説に辿り着いた。

この仮説を用いれば、地下への水およびCO2の注入が地震を引き起こす危険性が高いことを説明できるだけでなく、未だに実用化の目途が立たない地震予知技術の確立や、将来的には地震の規模を小さく押さえられる可能性もある。

更には、この「原子状水素」による核融合(原子力発電はウランの「核分裂」を利用している)を実用化できれば、石油や原子力に代わるエネルギー源になり得る可能性を示しているので非常に興味深い。

さて、CO2注入と地震発生との関連についてだが、元来、地震発生の頻度が少ないアメリカ大陸の内陸部でも、近年「群発地震」が起きるようになり、その原因が、天然ガスや石油の生産量上昇を目的とした、ガス田や油田への頻繁な水の注入であり、「地球温暖化対策」としてCO2を地中に注入することも地震発生を誘発する危険性が高いそうだ。

アメリカでは研究機関による、地下への水およびCO2の注入による地震への影響調査が行なわれ、その結果を受けて、地下への水およびCO2の注入に際して事業者が遵守すべき法令を定めている―。

つまり、二酸化炭素の注入によって、注入層にあった地下水が押し込まれ、結果的に水が注入されたことを同じ原理となります。そして、この水が地震を誘発したということです。
(※このことは『【仮説】巨大地震は水素核融合で起きる!』(2007年 工学社)に詳しく記載されています。)

「クリーン開発メカニズム(CDM)制度」は、新たな市場の創出策に過ぎないでは以下のように述べられています。

CO2の地中貯留については、地殻変動で地表に漏れ出す可能性や、地中の微生物の生態系に影響を及ぼす懸念がある。しかし、それ以上に問題なのは、化石燃料の大量消費社会を容認することになりかねないとことである。

そして加えて、CO2地中貯留は地震を誘発する可能性があるということです。

最後までお付き合いありがとうございます。m(_ _)m

by 村田頼哉

List    投稿者 yoriya | 2008-02-05 | Posted in G01.二酸化炭素による温暖化って本当?4 Comments » 

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コメント4件

 yutakarlson | 2008.07.14 16:25

■ここしばらく続いた環境問題に関する話題への締めくくり-EU没落は必定か?
こんにちは。私は地球温暖化co2説は、完全に間違いだと思います。最近「地球温暖化詐欺」という動画がYouTube掲載されています。私は、この動画を見る前から、この説にはかなり懐疑的でしたが、その動画をみていくつかの研究論文など読んでみて、懐疑的どころか、地球温暖化co2説は完全に間近いであり、最早科学ではなく、宗教における教義に近いもの、もしくは政治的プロパガンダであると確信するにいたりました。
さらに、この地球温暖化co2説を信奉し、無駄な努力を続けるEUはいずれ過去の神聖ローマ帝国のように没落し、消え去るのではないかと思います。ここには、あまり長く書けませんので、詳細は私のブログを是非ご覧になってください。

 mame | 2008.07.14 20:38

「与えられた情報をそのまま鵜呑みにしてはいけない。」という視点から考えて、大変有意義なブログです。興味深く記事を拝見させていただきました。また来ます。

 yoriya | 2008.07.15 21:06

yutakarlsonさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
>地球温暖化co2説は完全に間近いであり、最早科学ではなく、宗教における教義に近いもの、もしくは政治的プロパガンダであると確信するにいたりました。<
この辺りは、当ブログでも共通の認識になりつつまります。
まだまだ、追求段階で認識不足のところもあると思いますが、そういったところには、どしどしご指摘お願いします。
yutakarlsonさんのブログ、かなり読み応えがありますね。
今から、ゆっくりと読ませて頂きますね。
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mameさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
>「与えられた情報をそのまま鵜呑みにしてはいけない。」という視点から考えて、大変有意義なブログです。興味深く記事を拝見させていただきました。また来ます。<
マスコミにはない視点、報道では隠されている事実を追求していきたいと思います。
期待されればそれに応えるべく活力が上がります。
その為にも、また来て、コメントを残してくださいね。

 pi- | 2008.07.24 11:57

黒点が他よりも温度が低いということは学校で習った知識のなかで知っていたけれど、まさか黒点という名前なのに周りよりも明るいという事実は初めて知りました☆
太陽って、イメージでは固形のような気がするけど、気体が縮もうとしたり膨らもうとしたりで大きさを保っているのってなんだか不思議です。いつも近くで私達を照らしてくれている太陽が、実はとてつもなく大きなパワーを持っていると考えると、何だか少し怖いです(>黒点が他よりも温度が低いということは学校で習った知識のなかで知っていたけれど、まさか黒点という名前なのに周りよりも明るいという事実は初めて知りました☆
太陽って、イメージでは固形のような気がするけど、気体が縮もうとしたり膨らもうとしたりで大きさを保っているのってなんだか不思議です。いつも近くで私達を照らしてくれている太陽が、実はとてつもなく大きなパワーを持っていると考えると、何だか少し怖いです(><:)

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