【地震のメカニズム】地震は、マグマに溶存した熱解離ガスによる水素爆発②
【地震のメカニズム】地震は、マグマに溶存した熱解離ガスによる水素爆発
の続きです。前回は、海溝型地震のメカニズムについて読み解きました。
おさらいすると、
・海のプレートの中間部は、上部が固定され、下部が移動することで岩がゴロゴロ転がり「隙間」が出来る。
・その隙間にマグマと海水が入り込むことで、水素と酸素が溶存した岩より軽いマグマが生産される。
・軽いマグマが上の岩を突っつくことで、上部の岩が崩壊。崩壊した結果隙間が出来るため圧力が下がる。
・圧力が下がるとマグマに溶存していた水素と酸素が気体となり、水素ガスと酸素が結合して【水素爆発】を起こす。
・水素爆発は断熱膨張で爆発で膨張した空間が元に戻ろうとする【爆縮】が発生。この爆発、爆縮が【地震】
というのがメカニズムです。
今回は直下型地震、火山のメカニズムについても整理します。
直下型地震のメカニズム
直下型も海溝型地震と原理は同じで、溶存熱解離ガスを持ったマグマの爆発爆縮現象だ、というのが著者の説です。
・海溝型との違いは発生する場所で、直下型は陸のプレート内で発生。
・熱解離ガスが水素爆発するためには「減圧」される必要があるが、海溝型の岩盤崩落による減圧とは異なり、直下型はマグマの上昇による「自然の減圧」。軽いマグマはどんどん上昇していき、それに従って気圧は減少していく。
・地中にある液体マグマと岩のうち、固体の岩の方はマグマに比べて比重が大きく「隙間」がある。逆に液体のマグマは「隙間」が無い状態。
・マグマが深さ約10km(約6千気圧)まで上昇すると、周りの岩とマグマの比重がバランスし、岩の隙間にマグマが入り込む「マグマ溜まり」が形成される。
・マグマ溜まりにある熱解離ガスが何らかの刺激を受けると【水素爆発】が発生。これが直下型地震。直下型も海溝型地震と同じように分解、結合を繰り返す事で、水が無くなるまで、あるいはマグマの温度が下がるまで何度でも余震が繰り返される。
・活断層の厚さは数十メートルまでしかないので、活断層が切れて直下型地震が起こる、というのはありえない、
以上が、直下型地震のメカニズムになります。
火山噴火のメカニズム
続いて火山です。
火山噴火も地震と同じ化学現象ではないか。というのが著者の仮説です。
熱解離ガスを含んだマグマが生成されるところまでは同じで、そこから
・軽いマグマが熱解離ガスを含んだまま上昇。酸素ガスだけが抜けてしまったか、不足したときには地表面近くまで上昇したマグマが空気中の酸素と結合。これが火山爆発。
・火山爆発時には、岩に含まれている結晶水も熱解離を起こして酸素と水素に分子分解する。これが結合することでごく小さな爆発となり、岩の分子が分解。これがミクロンオーダーの火山灰。
という説を導いています。
以上、前回の海溝地震も含めてまとめると、
海溝型、直下型、火山もすべては【マグマがエネルギー源、水が地震発生原(水素ガス)】
地震は【地中での水素爆発】
火山は【地表面近くでの水素爆発】
という事になります。
地震の発生メカニズム「熱移送説」の地震予測精度は90%・・・角田氏の最新の研究より
をはじめ、マグマが地震の原因である、という事は当ブログでも取り上げて来ましたが、マグマのエネルギーを受けて地震発生のメカニズムとしては、より説得力があると思いますがいかがでしょうか。
次回は、著者が提唱する「伊豆緩衝帯プレート」について整理します。
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