2022-06-04

生命のエネルギー:ATP合成(電気合成もあった)~電気をつくり食べる微生物

画像は、こちらからお借りしました。

日本は、エネルギー資源のほとんどを輸入に頼り、石油や天然ガス、石炭等の輸入資源の動きに常に左右されます。この間、脱炭素の世界的な圧力の中、地熱発電の他、様々な再生可能エネルギーの研究・開発が急ピッチで進んでいます。脱炭素の圧力に「技術力で立ち向かう日本」。エネルギーの自立が期待されます。

その中でも特に面白いのが微生物発電。それにつながる「微生物と電気との研究」。この研究を通じて、生命誕生の初期から、生命のエネルギーをつくっているATP合成に「電気合成」もあることが分かってきました。

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このブログでも紹介せれている「深海熱水噴出孔」。ここから生命は、誕生した。と言われています。この深海熱水噴出孔に「電気をつくり電気を食べる微生物」が存在。光合成、化学合成だけでなく、「電気合成」もATPのもととなるエネルギー源だった。

前回このブログで紹介されている「不食の人」ATP合成 も、進化過程でつながっているかも知れません。

まず今回は、微生物と電気との「長いつきあい」を紹介し、微生物を利用した発電の追求へと進んで行きたいと思います。

以下、ガリレオXより。

●発電機能を持った微生物「発電菌」

酸素がなくても鉄イオンや電極などに電子を渡してエネルギーを獲得することができる微生物のことである。そのメカニズムとして近年、電子を外に出す特徴的な構造があることが解かってきたが詳しい仕組みは謎だった。そこでプロトンと呼ばれる水素イオンに注目して調べてみると、今まで発電菌ではされていないと考えられていた発酵が起きていることが解った。

 

●電気を利用して有機物をつくる微生物

2015年、大きな衝撃を与える研究成果が発表された。

なんと、電気エネルギーを利用して有機物をつくる微生物の存在が世界で初めて明らかにされたのだ。電気を食べて、二酸化炭素からアミノ酸と糖を作って成長や増殖ができるという。この研究で使われた微生物は鉱山などにいることでよく知られている「鉄酸化菌」だった。そんな、身近な微生物がとんでもない能力を秘めていたのだ。この発見が意味することとは?

 

●熱水噴出孔と電気合成微生物

海底には熱水噴出孔とよばれる地下から熱水が噴出している場所がある。

驚くことに、そこから採取した鉱物が電気をよく通すことが解った。そして最近の調査で、熱水噴出孔は天然の燃料電池のようなもので常に電気が流れていることが明らかになった。だとすれば、そこには電気を利用する微生物がいてもおかしくない。今、熱水噴出孔の鉱物から電気を食べて増殖する微生物を探す取り組みが進められている。

画像は、こちらからお借りしました。
深海熱水噴出孔周辺では、おそらく化学合成と電気合成を合わせた生態系が作られているだろう

●海底下の電気合成微生物を利用する試み

海底下から採取してきたコア試料から電気微生物を取り出して利用する研究が進められている。

この微生物は電気エネルギーを使って二酸化炭素を固定しメタンを作ることができるという。電気は保存することができないので、余剰の電気からこの微生物の力でメタンガスを作り、貯めていこうという試みである。

発見されてまだ日の浅い、これらの電気微生物。その生存範囲は今、想像以上に広がっている。今後の研究でどんな世界が見えてくるのだろうか。

以下、高知コア研究所 大解明!=応用研究編= より。

〇電気を食べてメタンをつくる微生物を利用して、電気をメタンに変えて保存。

電気は保存できないため、電力会社が必要な分だけを発電しています。需給のバランスをとるのは大変です。しかし、この微生物を使って電気をメタンの形に変えてエネルギー貯蔵できれば、社会に役立ちます。

■まとめ

生命のエネルギーをつくるATP合成。今までの光合成や化学合成に加え、電気合成があることが新たに分かりました。また、微生物の中には、電気もつくり、電気を運ぶ微生物も存在します。この微生物の力を下水道のばっ気処理の電源に利用されたり、田んぼ発電の研究が進められています。次回は、微生物発電のしくみと追求へ進んで行きます。

List    投稿者 yooten | 2022-06-04 | Posted in G.市場に絡めとられる環境問題No Comments » 

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