2007-08-15

石油・天然ガスの『有機起源説か無機起源説か?』は、市場原理の問題か!?

こんにちは、asaokaです
石油が高騰していますが、石油の先物市場では、すでに1バレル=100ドルで取り引きされ、投機筋は近い将来に100ドル超まで上がると予測しています。
世界の経済情勢は、アメリカのサブプライム債券市場の下落に加え石油高騰もあってドル下落のベクトルが強くなりアメリカ発の世界金融危機が懸念されています。
石油は、投機など市場での取引を通じて各国の力関係に大きく影響しています。
特に日本は「円キャリー取引」の要因もあるので、このままでは多大な影響を受けるおそれがあります。
そして、最近、石油が急激に高騰しだしたのは、世界の主要な生産油田が枯渇化している現状やアメリカのイラン・イラク介入などの状況を重ねて、『石油がなくなる(石油ピーク論→石油枯渇説)』が大きく影響しているようです。
そんななかで、石油・天然ガスの『無機起源説』が可能性として一部で注目されています。
Isgitmhrさんが、石油の不思議 ~無機成因説からのアプローチ~で、石油の有機起源説に対する無機起源説について記事を書いていますので、私もそれについて考えてみます。
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『Analysis(アナリシス) 財団法人日本エネルギー経済研究所 総合戦略ユニット 主任研究員 中島 敬史』 より引用  

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有機起源説は、

地球の表層は厚さ5~8kmの海洋地殻と厚さ30~60kmの大陸地殻で覆われる。
大陸地殻の表面に生じた凹地には周囲から泥や砂が流入し、厚さ5~10kmの堆積盆地を形成する。
体積で比較すると、堆積盆地は大陸地殻の5%に過ぎないが、世界の油ガス田の大部分はこれら堆積盆地内で発見されている。
油ガスはこれらの比較的薄い堆積盆地の中で太古の動植物を源として発生した(有機成因説)と考えられていることから、地球上に存在する油ガスは極めて限られた量ということになる。

それに対し、無機起源説は、

一方、世界には、堆積盆地の土台である基盤岩中に油ガス田が形成されている例も多い。基盤岩は、マグマが地下深部で冷えて固まった深成岩を主体としており、炭化水素の生成には無関係と言ってよい。
従って、それら基盤岩中に胚胎する油ガスは、上位の地層あるいは下位の地球深部のいずれかから供給されたことになる。
すなわち、基盤岩の周囲や上位に分布する若い堆積層中で生成された油ガスが基盤岩中に滲み込んだ可能性と、地殻深部に伏在する油ガスが基盤岩中の断裂を通じて上昇移動した可能性の2つが考えられる

そして、

堆積盆地は、一般に大陸地殻に生じた割れ目や弱線部に沿って形成された凹地に、地表付近の堆積物が流入して形成されたものである。例えば大陸分裂の際に、マントルの上昇流によって大陸地殻が裂ける場所では、地殻が幅広く引き延ばされて薄くなり、その表面は凹地となって周囲から大量の堆積物が流れ込む。
実際、世界の大規模な油田の多くは、中生代以降の大陸分裂で分かれた各大陸の輪郭の屈曲点や縁辺部に位置することが多いが、もし上部マントルに大量の炭化水素が伏在するなら、大陸地殻が分裂した個所はそれら炭化水素が最も上昇移動しやすい部分となろう。
 また花崗岩などの深成岩には、主として垂直方向に卓越した割れ目が発達していることが知られており、これら割れ目が炭化水素を上昇移動させる通路として機能したとも考えられる。
大規模断裂を通じて地殻内部を上昇移動した炭化水素は、堆積盆地の下底に滲み出し高浸透性の地層や地層中の微細な割れ目を通じて上昇し、低浸透性の泥質層などにより炭化水素は一時的に上昇を妨げられ、次第に集積する。
こうした炭化水素の集積場を、我々は油田やガス田と呼んでいるのかも知れない。
 例えば東シベリアでは、有機物に乏しい先カンブリア系楯状地を構成する結晶質基盤岩の風化帯に複数の油田が発見されており、これらは無機起源の炭化水素が地殻下部に伏在する可能性を示唆しているのではないかと筆者は考えている。もしこうした仮説が正しいなら、人類はプレート境界やトランスフォーム断層など地殻深部にまで達する大規模断裂に沿った地域を探鉱することにより、地殻下部に眠る膨大な炭化水素の存在が確認できるかも知れない

有機起源説の根拠となる堆積盆地の油田は、太古の生物が堆積されて石油になったのではなく、堆積盆地は岩盤が薄いので深部のプレートの割れ目を通じて炭化水素が上昇しやすく、それが集積して油田になったと無機起源説で説明している。
上記紹介した、中島 敬史 氏のレポートには、他にも無機起源説の根拠がいろいろ提示され信憑性が高そうです。
Q.では、なぜ、無機起源説に基づいて油田採掘の可能性が進まないのか?
これには世界情勢の力学がいろいろ絡み合っていますが、
少なくとも、堆積盆地に染み出た石油は採取するのは容易ですが、地球深部に埋蔵されている石油は、採掘技術が難しくなり、油質も悪くなるので精製技術も難しくなり、相当のコストがかってきます
つまり、冒頭で紹介したように、石油が投機対象の商品として市場原理に則った現状では、“ペイしない→儲からない”というのが大きく影響しているのではないかと考えられます。
これは、次代のエネルギーとして期待されている深海底の天然ガス「メタンハイドレート」についても同じことがいえるでしょう。
その意味で、石油・天然ガスは、市場原理の枠の中で考える限り『枯渇』するであろうし、その枠を越えて社会インフラの共有資源だとすれば、人類の科学技術力をもってすれば、『無機起源説⇒(地球生命の)無限資源』の可能性もあるのではないかと思います。

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コメント4件

 さんぽ☆ | 2007.11.08 17:56

おにぎりって不思議ですよね!
同じごはんなのに、おにぎりにすると食べられちゃう!!
カイロの張り方にびっくりです!
背中に張ったりはしますが、わき腹に張るとは!
最近、風邪を引いている人が、多いのでオススメしてみます☆
いつも、「バランスを改善法」ありがとうございます☆

 shira | 2007.11.08 20:08

 さんぽ☆さん、コメントありがとうございます!
 カイロですが、私も風邪の引き始めなのか、ぞくぞくするときは以前から背中に貼っています~。
 だから、同時に3枚貼っていることもあるんですよ。
 まあ、風邪の時に体を温めるのはいいですよね。(^_^)

 みなみ | 2007.11.08 22:02

> 「バランスを改善」すると、自然治癒力 が働きやすくなります
>自分も地球も元気 にしていく必要があります
確かに~!
現代はミクロでもマクロでもどこをとっても、バランスが悪い。
人類、社会、地球・・
これらって、ぜ~んぶつながってるんですよね。
「バランス改善」、これからも、楽しみにしてます♪

 shi | 2007.11.11 7:14

 みなみさん!コメントありがとうございます。
 みなみさんのおっしゃるとおり、本当にみ~んなつながっていると思います!
 だから、世界中で起こることに無関心でいてはいけないな、と思いますねー。自分のこととして考えていきたいですよね。

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