2020-04-14

コロナ後の地球~・汚染まみれの世界に戻って良いのか・~

コロナ騒動は一向に収束する先が見えない状況です。
日本政府は腹を括らないケチくさい政策ゆえに、今後も対応の遅れが一層進む可能性もあります。

しかし、本当の問題はコロナ終息後の世界です。経済活動はすぐに良くなる訳ではありません。終息後の世界、先が見えないから我々は不安感を高めているのです。
日本政府の本当の問題は我々に先を見せてない、政府自身が見ようとしていないことなんです。

逆に人類の過剰消費、過剰生産が無くなったおかげで環境問題が改善しています。
実は、このコロナの影響で大気汚染は格段に少なくなっているのです。

以前、このブログでも紹介した『チェルノブイリの原発事故が「動物の楽園」を生み出した?』『福島の今~人類は何も解明できていない~』でも述べたように、人類の手の届かない、人類活動の影響が及ばないところでは、自然は自己回復し健全な状態に整えてくれているのです。

現在、人類には「コロナ後の世界をどうしていくのか」という課題が突き付けられているのです。
『コロナ後の地球をまた大気汚染まみれに戻していいのか』より引用します。

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またこの空気を吸う気になれるのか(インドのニューデリー、2019年11月3日) Adnan Abidi-REUTERS

<新型コロナウイルスの感染拡大を止めるためのロックダウンで、思いがけず済んだ空気を取り戻した地球。これを機に、人類は汚染物質の排出を恒久的に削減し、地球温暖化を阻止すべきだという声が上がり始めた>

新型コロナウイルス対策としてのロックダウン(都市封鎖)や経済活動の縮小が、大気汚染の改善や二酸化炭素(CO2)排出量の減少といった環境へのプラス効果をもたらしている。これに合わせて科学者や環境保護活動家、宗教指導者などからは、「コロナ後」の工業生産や経済活動のあり方を恒久的に見直すべきだとの声が上がっている。

フランシスコ教皇は先ごろ、イギリスのカトリック系メディアに対し、今回のパンデミック(世界的大流行)は人類が地球を粗末に扱ったことに「自然が反応」した一例だと述べた。また教皇は「神は常に(人の過ちを)お許し下さるが、自然はけっして許さない」とも語った。これは気候変動を食い止めるために温室効果ガスや大気汚染物質の排出、そして化石燃料の使用を恒久的に削減すべきだと訴えている研究者や政治家たちが共通して抱いている思いだ。

新型コロナウイルスは世界で10万人を超える死者を出し、世界各地で医療崩壊を引き起こすとともに先進工業都市の多くを封鎖に追い込んだ。そのおかげで、インドでもアメリカ北東部でも澄んだ空が戻ってきた。インドからは30年ぶりにヒマラヤ山脈が見えたというニュースもあった。

「青く澄んだ空を見てきれいな空気を吸う喜びは、これまで人類がやってきたことと好対照だ」と、シャシ・タルル元国連事務次長は英ガーディアン紙に語っている。

 

大気中の窒素酸化物が30%も減少

NASAの人工衛星の測定データによれば、アメリカ北東部上空の大気に含まれる窒素酸化物は30%も減少した。化石燃料を燃やして走っていた多くの車が、道路から姿を消したためだ。インド北部の大気汚染の指標もここ数十年で最も改善されたという。ちなみに首都ニューデリーにおける自動車の登録台数は1100万台だが、インドでは現在、全土で外出禁止措置が取られていて外を走ることができない。

温暖化を回避するためには、こうした汚染物質の排出抑制や交通・運輸、工業生産活動の制限を、パンデミック収束後もずっと続ける必要がある、と専門家は主張する。

ネイチャー電子版で今月発表された、海洋生態系の再建に関する論文や気候変動に関する論文からは、地球温暖化を阻止しようとする研究者たちは、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制しようとする研究者たちと同じく、急激な悪化カーブを何とか平らにしようとして戦っていることがわかる。

「われわれの研究で明らかになったのは、今後10年間に温室効果ガスの排出削減に向けた迅速な行動を取れば、絶滅危惧種の増加を大きく減らせるということだ。COVID-19のパンデミック同様、リスク軽減に向けた早期の行動こそ大きな効果を上げうる」と、気候変動に関する論文の共著者であるケープタウン大学のクリストファー・トリソスはガーディアンに語っている。

地球温暖化について警鐘を鳴らしたドキュメンタリー映画『不都合な真実』で知られるアル・ゴア元米副大統領も10日、HBOの番組に出演し、コロナ問題と地球温暖化問題の間には明確な共通点があると述べた。どちらも、科学者の言葉に耳を貸さない政府トップに対する警告だというのだ。

映画監督のスパイク・リーは別のテレビ番組で、フランシスコ教皇と同様の考えを示すとともに、ロックダウンは「すべてを変えている」と述べた。

「理由は分かるはずだ。汚染された大気がとてもきれいになっているからだ。空は前より澄んでいて、動物たちも外に出てきている。つまり、地球はわれわれ人類に対し怒っていたということだ。私のことをいかれたやつだと思う人もいるかも知れないが、私は心底そう信じている。人類はやり過ぎた。そして地球から『それ以上動くな。このままじゃだめだ』と言われたわけだ。人類はこの星を殺しかけていたんだ」とリーは述べた。

インドのシンクタンク、科学環境センターの所長でニューデリーの自動車公害を批判してきたスニタ・ナラインは、運輸や交通のあり方を「恒久的に」変える必要があると言う。「『環境保護派はロックダウンを歓迎している』などとは言われたくない。それは事実でもない。ロックダウンが解決策とは思わない。だがコロナ後にも今と同じ新鮮な空気を吸えるようにしなければならないし、デリーの大気汚染対策として必要な努力について真剣に考えなければならない」とナラインは言う。

マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツは3月下旬のTEDトークで、世界の科学界や民間企業が力を合わせて気候変動の問題とコロナウイルス問題の両方を解決することへの期待を表明している。「技術革新と科学と世界が力を合わせることの意義は、これら2つの問題のどちらにも当てはまる。科学の側面とデータ共有という側面において、偉大なる協力が進んでいくさまをみんなが目の当たりにすることだろう」

(翻訳:村井裕美)

List    投稿者 asaoka-g | 2020-04-14 | Posted in G.市場に絡めとられる環境問題No Comments » 

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