2020-08-27

生物学的元素転換を認めない近代物理学(1)

「物理世界と生命世界は地続きである」と述べたが、物理世界をモノとして分析する近代科学は、物質を元素に分解し、さらに元素を構成する原子は不動のものとして扱う。そして原子が分裂したり融合したりすることは膨大な核反応エネルギーを伴うものだとして、元素転換は常温では起こり得ないものとしている。しかし実は生物の中では恒常的に起こっている。にもかかわらず、これを証明したケルヴランはニセ科学扱いである。

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写真は http://www.cgegg.co.jp/blog/%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%94%E3%81%AE%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E7%A7%91%E5%AD%A6/3213/ から引用させていただきました。こちらのブログも是非お読み下さい。

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<元素革命~近代化学の誕生>

時は17世紀、ヨーロッパでは蒸気機関などの発明によって、仕事を機械にやらせようという動きがさかんになりました。そして、生活の中心が、人力や自然の力(=生命の力)から機械の力へと移行しはじめると共に、世界を構成する根本要素=『元素』の考え方も、それまでの「生命が何でできているのか?」という観念的な4化元素(森羅万象は土、水、火、風の4元素から成り、それらは互いに移り変わる)よりも、「物質が何でできているのか?」という、物としての実用性のある元素の解明が求められるようになりました。

ロバート・ボイルは、元素の考え方を「誰がやっても常に同じ結果が得られ、誰にでも確かめることのできる実験的な事実を基にした正確なもの」に改めるべきであると主張し、自身の実験によって明らかにした気体の圧力と体積の関係(ボイルの法則)が原子論によってうまく説明できる事を示しました。そしてこの頃「正確な実験によって実証された事実のみを尊重する」という近代的な科学の方法論が確立されます

18世紀終わりには、その近代的な方法論によって蓄積された様々な発見を、統一した理論にまとめる必要に迫られていました。そこに登場したのがフランスの科学者、アントワーヌ・ラヴォアジェでした。それまでの百年近く、科学者の間で「燃える」という現象は、物に含まれる「火の元素=燃える素(フロギストン)」が放出されることであると考えられていたのですが、ラヴォアジェはそれを物質が別の気体と結びつく現象であること証明し、「空気(風)」が別々の2つの気体から成ることを発表します。やがてラヴォアジェはさまざまな実験を通じて、いかなる化学変化でもその前後で質量が変化しない、という「質量保存の法則」を確信します。そして1789年、世界を構成するそれ以上分割不可能な根本要素として33の「元素」を挙げ、物質の命名法に基づいた化学理論を体系的にまとめ上げた『化学原論』を出版し、近代化学知識の統一を実現しました。

さらに、その後の科学者たちの発見(「定数比例の法則」「倍数比例の法則」など)によって、正しい元素とは、それ以上分割できない粒子「原子」のことである、という近代的な意味の「元素=原子論」の基礎が築かれ、人類の自然界への理解と接し方に革命を起こします。

<世界は元素で出来ている>

酪農の肥料も飼料も、人間の栄養学も医学も、様々な“近代的なもの”はこの新しい「元素」の考え方を基にして成り立っています。つまり、物質の集まりである人間や作物を分析してみたところ、構成する物質が何%づつであることがわかったから、その物質を与えてやれば生命は保てる、という算段です。

「この筆法でゆくと、鶏はすなわち鶏体ないしは卵と同じ養分のものを摂取しさえすれば、それで鶏体の維持も卵の生産もとどこおりなく行われるということになる。そうだとすれば、鶏は「鶏と卵を食う」のがいちばん自分自身に合った食事ということになりはしないか。牛は牛を食い、豚は豚を食うのが「完全食」ということではないのか。」中島正著『自然卵養鶏法(農文協)』p.89より

かくして『元素』は、生命を構成する”流転的、神秘的、創造的”な存在から、物質を構成する”固定的、機械的、被創造的”なものへと移り変わってゆきました。それは同時に、人々の自然界を見る目も、同じように移り変わっていったことを意味します。そして21世紀の現在においても、その機械的で無機質な自然観は、人々の心をとらえ続けているのです。なぜなら、実際それは何世紀もの間、同じ結論を証明しつづけてきたのです。実験室の試験管の中では。

<自然界で実際に起きていること>

『放射性元素を除けば、原子核レベルの反応(元素の転換)は、常温常圧(地球自然環境)下では起こりえない』試験管の内側では揺るぎなかったこれらの法則も、自然界においては必ずしもそのとおりでないという報告は、ラヴォアジェの同時代から度々観測されてきていたのでした。以下はその観測例のうちの一部です。(ルイ・ケルヴラン著『生物学的元素転換(朔明社)』より引用。

1822年、L・ヴォークランが穀物だけを食べていた鶏が、摂取した穀物に含まれている量を超えるカルシウムを排泄していることを明らかにした
・1822年、ウィリアム・プラウトが、生まれたばかりのヒヨコに、卵の4倍の石灰分(カルシウム化合物)が含まれていること、またその時、殻の石灰分の量には変化が無かったことを報告した。
(*卵に含まれるカルシウムの量ではヒヨコの骨格等を形成する分には満たない。現在それは殻からの移動という根拠のない説明がなされている。)
・1849年、フォーゲルがあらかじめ予防策を講じておいたにも関わらず、クレソンの新芽に種子よりも多くの硫黄分が検出された。
・1856年~1873年にかけて、J・B・ローズとJ・H・ギルバートが土壌の含有量を上回るマグネシウムを植物が抽出していることを示すいくつかの実験を行った
・1875年~1881年にかけて、フォン・ヘルツィーレは、発芽時にある元素が増加し、別の元素が減少していることを示す組織的な試験分析を行った。
・1935年、E・プァイファーが、著作「大地の生産性」において、芝生の成長によってカルシウムが消耗される時期に生えてくるデイジーが、存在するはずの無い量のカルシウムに富んでいることを分析した。
・1925年、P・フロンドラーが、藻類によって海水中のヨウ素は固定されているわけではなく、藻類自体がヨウ素を造り出していることを立証した。これに加えて、フランスの地質学者のA・ド・カイユーが、先カンブリア時代の岩石にヨウ素の存在した痕跡が見いだせないことへの疑問を投げかけている。
・ミミズが土壌のカルシウムを増やす ことはウォルニー(1890)、プー(1941)、ルントとヤコブセン(1944)、ホップとクレイター(1948)によって確認されている。
・1990年、V・I・ヴィソツキー、A・A・コルニロバを中心とするキエフの研究グループによって、ある種のバクテリアが、人体に対する致死量の何千倍もの放射能に耐えることができ、また放射性元素を安定元素へと転換させることが確認された

(同書p.70)

このような科学の定説から見て「異常」とされる様々な現象に、「異常」な仮説を立て、見事に説明してみせたのがフランスの科学者、ルイ・ケルヴランです。

List    投稿者 tutinori-g | 2020-08-27 | Posted in G.市場に絡めとられる環境問題No Comments » 

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