気候変動は急激だから大問題となる
kumakeiさん、shimasanさんの記事をうけて、私も科学者たちが気候変動に対してどうアプローチしてきたのか調べてみました。上の図は、10万年オーダーまで過去にさかのぼったグラフです。借用元は、kumakeiさんと同じです。
巷では、かつてない温暖化と騒がれていますが、現在(グラフの左端)、
どこが温暖化?
(近藤さんのHPよりお借りしました。http://env01.cool.ne.jp/ss02/ss024/kondoh.htm
と疑ってしまうあなたの感覚は正常です。実は科学者たちも、温暖化を問題にしているというより、このグラフから読み取れるように気候がいとも簡単に急激に変動することを問題視しているようです。しかし、いまだにその答えが見つかっていません。
まずはいろんな色のグラフがありますが、この概要をまず押えていきましょう。
その前に、応援よろしくお願いします
■色別グラフの調査場所と調査方法
ダークブルー:北西アフリカ沖の大西洋の深海から堆積物コアを解析したもの
ブルー:南極中央部のヴォストーク基地から氷柱コアを酸素同位体比等を用いて解析したもの
ライトブルー:グリーンランド サミット地域からの氷柱コアを酸素同位体比等を用いて解析したもの(その筋では有名なGISP2プロジェクト)
グリーン:中央アフリカ東部キリマンジャロδ180からの氷柱コアを酸素同位体比等を用いて解析したもの
イエロー:北大西洋の深海から堆積物コアをMg/Ca比を用いて解析したもの
オレンジ:ヨーロッパの花粉分布を解析したもの
レッド:中央アフリカEPICA氷柱コアを重水素の同位体比を用いて解析したもの
ダークレッド:熱帯西部太平洋の深海から堆積物コアを酸素同位体比を用いて解析したもの
ブラックはこれらの平均値。
■海洋堆積物や氷柱は太古の気候の忠実なデータファイル
こうしてみると、陸海、緯度の分布とも分散していて、地球規模の分布となっています。これらは、標本となる堆積物や、氷柱などが太古の気候の歴史を忠実に記録したものであり、その記録を分析できる技術が考案されてようやくわかってきたことです。
分析方法は、るいネットで土屋さんが投稿されているので参照してください。http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=179020
近藤さんのHPより画像をお借りしました。http://env01.cool.ne.jp/ss02/ss024/kondoh.htm
ここに至る契機となったのは、あの大陸移動説で名をはせたヴェーゲナーです。かれが1930年にグリーンランドで氷床を掘削・爆破による地震探査をし、その氷床が実は3000m級もあることを突き止めたことから始まりました。当時は気候とは太古から一定で安定していると思われていたようです。それに異を唱えもっとダイナミックな変動があったはずだとヴェーゲナーならではの着眼点だったようです。しかし、志半ばにして遭難してしまいました。そこから、まだ100年もたっていません。ようやくその解析の出発点に立ったというのが実態ではないでしょうか。
そういう科学者の視点でみると、温度が変動したから、様々な指標値(ここでは酸素同位体比など)が変動するという論理になります。決して、その指標となる酸素同位体が変動したから温度が変動するということにはなりません。これは、現在のCO2温暖化説が科学ではなく宗教に近いものであることを物語っています。
■わかっていないということがわかってきた
気象学を超えて、あらゆる分野の研究者が参画して、ようやく太古の気候状況がわかってきましたが、より大きな課題にぶち当たってしまいます。これらの急激な気候変動の原因(気候システム)は何なのかということです。あるいは、気候システム自体が変化しているのではないかということです。IPCCでは地球シュミレーターを基にしたシュミレーションを行っているようですが、理論家は気候モデルの欠点を指摘し、気候モデル設計者は理論の欠点を指摘することとなっているのが現状です。
■問題は気候変化があまりにも急激におこるということ
1992年、グリーンランドで欧米の力を結集したプロジェクト(GPIPおよびGISP2)において得られた結果は、科学者の世界観をかえてしまいました。わずか20年ほどの間に、氷期から温暖な気候へまたは逆のことが何の前触れもなく起こったのです。ということは、現在、マスコミが騒いでいるCO2を削減しようがしまいが、気候変動は起こるべくして起こるということを示唆しています。20年スパンで襲ってくる、人類存亡の危機をどう切り抜けるのかを考えざるを得ないということです。それは、このブログで展開している水、食糧、エネルギーの確保の問題にとどまらず、それをめぐる紛争などの社会問題を突き抜けて、人が生きる意味を問われる問題にぶつからざるを得ないと思います。
■市場原理にまかせていては抜本的な思考、実現方針には向かわない
だからこそ、金儲け以外何も考えなくなる、あるいはごまかし続ける市場原理では突破できません。
一直線に答えを出さなければならない次元にたどり着いたことは間違いありません。
ひとつのグラフから話が膨らんできましたが、科学者たちの英知とそこに至った努力を惜しみつつ、IPCCやマスコミを手先とした金融資本勢力の捏造には正面から立ち向かうことが不可欠だと思う今日この頃です。みなさんは、どう思われますでしょうか?
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2008/06/336.html/trackback
コメント7件
ホイホイ | 2008.10.30 21:38
研究者や研究機関も、市場原理を土台に研究しているから、本当の人々の期待がつかめない。
何を研究したらいいのか分からない。
でも、自分達の身分を維持する為には、研究に対して出資してくれる、スポンサーをつける必要がある。
スポンサーが付くと、スポンサーのご機嫌取りをしないといけない。
マスコミと同じ構造ですね。
さんぽ☆ | 2008.10.31 18:51
>changさん
コメントありがとうございます☆
国から出される研究費の半分近くが東大にいくということを聞いたことがあります。
つまり企業からの研究費の補助がないと研究ってなかなか成り立たないみたいです。
CO2地球温暖化犯人説に代表されるように、食品問題だけでなく環境問題等、市場原理にのるとよく全てが歪んできますね。
さんぽ☆ | 2008.10.31 18:58
>ホイホイさん
コメントありがとうございます☆
確かに!マスコミと同じ構造ですね!!
市場原理を土台にしてしまう背景に
「何を研究したらいいの分らない・・・・。」
という問題は、大きく横たわっていそうですね!
花筏 | 2008.11.06 13:24
子どもの頃は、甘い物は贅沢品で、飴玉ひとつがとても貴重で、駄菓子やさんの甘いお菓子が欲しくて欲しくて、その頃の甘味料は砂糖は高価なので、サッカリンで代用していました。
今、いくらでも甘いお菓子が手に入るようになりましたが、今度はカロリーが心配で、人口甘味料で我慢しています。
その甘味料を手にとって見ると、アミノ酸から生まれたアスパルテームとなっています。
アミノ酸から生まれた・・なんか良いように思ってしまいます。
ぽにゃ | 2008.11.06 13:40
副作用、こわ~~っ!!
そもそもなんでそこまでして甘いものを摂取しなきゃいけないんだろう?
料理にもお菓子にも、砂糖や人口甘味料なんて使ってなくてもおいしいものはたっくさんあるのに。
「甘いもの=おいしいもの」っていう思い込みに雁字搦めにされてるだけな気がしてきました。。。
せきや | 2008.11.13 19:41
生産者も消費者も、結局自分の事しか考えていないっていう気がします。生産者がちゃんと利益を出せる値段で、安全なものを作れるように生産者・消費者が手を取り合っていかないといけないと思います。
chang | 2008.10.30 19:31
研究者や研究機関も市場原理の中では、みんなにとって必要な(有用な)研究って、なかなか出来ないのでしょうね。
市場拡大するのに都合の良い研究には、金が出るという構造になってて、CO2地球温暖化犯人説なんかは、その典型では無いでしょうか。