2011-09-23

【電磁波】プロローグ・・・電磁波が引き起こす物体との相互作用から、その本質を探る


電磁波はスコットランドのジェームズ・クラーク・マクスウェルによって、1865年、「電磁場の力学的理論」として発表されました。そして、その中の電磁方程式の帰結として電磁波の存在を予言し、電磁波と光の速度は等しいことを証明して、光は電磁波であることを明らかにしました。これ以来、その存在に注目が集まるようになりました。

彼の電磁波に関する理論は、当時分かっている現象をほぼ完璧に数式で表していたので、それ以上の追求は必要ないという高い評価を得ていました。そのため、このマクスウェルの方程式により、古典電磁気学理論はいったん区切りをつけ、時代は電磁気の応用、実用化の時代へと移行しました。

ジェームズ・クラーク・マクスウェル



その技術開発は主に通信に用いられましたが、最近では電子レンジやHAARPなどのように、直接物質に影響を与える機器の利用や、携帯電話の人体への影響など、通信分野主体の時代には問題にならなかった、対象との相互作用の解明という新しい課題が登場したのです。

このような背景から、今回シリーズでは、

『電磁波が引き起こす物体との相互作用から、その本質を探る』

という視点で、電磁波の影響を探って行きたいと思います。今回は問題意識の概要と今後の追求のための『解明したいテーマ』を小テーマごとに設定しました。ここから、どんな追求の方向性を考えているのかを読み取っていただければ幸いです。

それでは、物質と電磁波の関係を見ていきましょう

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☆☆☆高周波数域は粒子性、低周波数域は波動性という電磁波の特性


光もTV電波も、光速で進む電界と磁界が相互に現れる波という特性から、電磁波という一つのカテゴリーでまとめられています。しかし、光は光子で構成されているという側面からはその粒子性がクローズアップされます。これらの事実から、電磁波は、暗黙の内に、波動性と粒子性の2つの性格がほぼ等しく存在しているように思われています。

しかし、電磁波の対象への影響を見てみると、周波数の大きさによって大きく異なることが分かります。まず、低周波数域の電波と呼ばれるものは、機械的に作られる交流磁界などから発生させることができます。その影響は、波としての性格が主で、共振する周波数で対象に選択的に反応します。また、共振しない領域ではほとんど影響を与えません。

電磁波の種類

他方、高周波数域のガンマ線やX線は、原子レベルから発せられる電磁波です。そして、その保有エネルギーは高く、粒子的な性状が支配的です。これらは、原子などの対象を部分的に破壊し、電離させることが主な反応になります。また、可視光線はこの中間に存在します。

このように、電磁波の対象への影響の中身を見ていくと、低周波数領域と高周波数領域とは、かなり異なる原理で構成されていると考えたほうが実態に近いと思います。これを一つのカテゴリーにまとめてしまうことが、その実態把握を困難にさせている可能性が高いのではないでしょうか?

解明したいテーマ

波動と共振の基本原理の理解
  《波長の整数倍しか合成できないという離散性を持つ、これが素粒子的現象の原因?》
高低周波数区分別の特性と原理の明確化
  《粒子的現象と波動的現象の調査》

☆☆☆低周波数域の電磁波は、対象に選択的に反応する

携帯電話や電子レンジの人体への影響が危惧されています。これらが発する電磁波は低周波数領域に属します。そして、低周波数領域では、共振による反応が主になります。そのため、電磁波の影響を考える際には、対象物質の共振しやすい固有周波数(振動数)が問題になります。

そして、対象物質はそれぞれ共振しやすい固有の振動数をもつので、この特性から電磁波は選択的に対象に影響を与えることが出きるのです。これを利用した技術はたくさんありますが、その利便性(=市場価値)だけがクローズアップされて、問題点は置き去りにされるという近代科学の根本問題がここにも現れています。

解明したいテーマ

高周波の電磁波を発生させる実用例の調査
  《X線、レーザー、蛍光灯 ・・・人工的に原子核から電磁波を出す仕組み》
低周波の電磁波を発生させる実用例の調査
  《TV受送信、ピックアップ ・・・電気信号を電磁波に変換、放出、再受信する仕組み》
  《TV送信⇒光電効果の信号を電気信号、ピックアップ⇒金属弦の振動を電気信号》

自然界に存在する電磁波の調査
  《宇宙、地球内部、生物・・・》
地球上の電磁波の影響関係のまとめ
  

☆☆☆電磁波の水分子への影響を解明することで、人体への影響も予測できる


電磁波の人体への影響を考えるとき、人体のどの物質の固有振動数に焦点を当てればよいのでしょうか?それは、体内の70%前後を占める『水分子』だと思います。

そして、電磁波の水分子への影響が解明できれば、人間にとってもっとも重要な機能である、脳への影響も解ってくるのではないか?と予測できます。

水からの伝言』著者・江本勝

というのは、脳神経細胞の電気信号伝達には、水に溶けたカリウムやナトリウムなどのイオンを利用しているからです。そこでは、神経細胞の中に、これらのイオンを取り込んだり放出したりすることによって電気を伝えています。

その際に、従来の化学の常識内で、水分子への影響を探ってもなにも出てこないと思います。というのは、水の不思議な生態はまだまだ解っていないことの方が多く、化学的な分子構造以外にも、クラスターや水の記憶など、その反応を左右するメカニズムはたくさんあることが分かってきたからです。

例えば、遠赤外線で水分子が温められる場合は、《1THz程度》のサブミリ波といわれる電磁波と共振しているといわれています。これは、電子レンジのマイクロ波の振動数《1GHz程度》より、3桁程度高い電磁波です。ところが、水は電子レンジのマイクロ波とも共振して沸騰するといわれています。

そうすると、水分子は大きく異なる二つの振動数に共振することになります。これには2つの解釈が成り立ちます。一つ目は、固有振動数は物質につき何種類もあるという解釈。もう一つは、水分子は今化学で分かっている構造以外に、クラスターなどの付加的構造を持ち、それが水分子単体とは異なる別の固有振動数を創りだしているという解釈です。

それを解明するためにも、電磁波の影響を受ける対象としての『水』の記憶やクラスターなど生態を解明していく必要があります。その足がかりとして、化学的にはまったく差の無い『電磁波で沸騰させた水』と『普通の水』による発芽実験を企画しています。この違いがはっきりすれば、何か新しい構造が水にあると予測出来るからです。

解明したいテーマ

電子レンジで沸かした水での発芽実験
水分子が電磁波で共振する現象の発掘
熱とは何か?(熱と分子振動の関係の整理)
水の物性把握(なぜ何でも溶かすのか?固体のほうが軽いのか?)
水の記憶、水のクラスター、波動などの事例調査と概念化
生体内の水分子以外の共振しやすい物質の調査
体格別に感じる周波数が異なる、動物の感じ取る電磁波の調査
人間が感じとる電磁波の周波数帯域の調査
電磁波の人体への影響、人体が必要とする(利用している)電磁波の調査
  《例えば共認回路》
実は今でもよくわかっていない、電子レンジで物質が温まる理由と仮説提示

☆☆☆電磁波の固体物質への共振現象の解明は地震の基礎理論につながる


花崗岩などの岩石は崩壊時にある電磁波を出すことがわかってきました。これと関連した現象利用にクォーツ時計があります。

これは、水晶に交流電圧を加えると、その固有振動数で正確な振動をするという現象です。そして、花崗岩の中には石英という水晶とほぼ同じ結晶が含まれています。

水晶

これらの事実から考えられることは、何らかの外圧を結晶固体にかけると固有の振動数で発振をおこす現象があるということです。この発振が低周波数の電磁波を出したり、電磁波と共振して物質が振動し始めたりする原理がわかれば、地震時の電磁波発生説、HARRPによる人工地震説、熱移送説の電子レンジ効果などを、一つの原理で説明できるのではないかと考えています。

解明したいテーマ

水晶発振(クォーツ時計)の原理の解明
花崗岩が圧縮されたとき発する電磁波の調査
電磁波が物質と共振する事例、それを利用した産業機器の調査
結晶構造と固有振動数の関係の解明
物質ごとの固有振動数の調査と決定要因の解明

☆☆☆電磁波とはなにか?

電子すら発見できてない1865年の段階で、マックスウェルは電磁波の存在を数式から予言しました。そして、1888年ヘルツがその実在を確認しました。

電磁波理論の黎明期のこの頃、電磁波が真空中を伝わるという事実から、地球上の波は海や空気などの物質という媒体を介して伝達されていくのに、なぜ電磁波は何も無いとことでも伝わるのか?という疑問が出てきました。そして、当時の真空は(今でも素粒子物理学を知っている人以外は)物質が何も無い空間という認識でした。

その解決の為にマックスウェルは『場』という概念を創出し、この不思議な遠隔操作のような現象を論理化したのです。つまり、電気や磁気がその法則を発現できる空間を『電磁場』という実態のほとんど解らない『観念』を挿入することによって理解しようとしたのです。

このような論理構築は、今解っている事実を前提に、整合する論理を構築するという至極真っ当な思考法です。しかし、これから約150年間、電磁波に関する論理はほとんど変わっていません。ところが時代は変わり、現在では素粒子物理学の進展の結果、150年前に比べ真空という概念も大きく変貌を遂げようとしています。

そうすると、『電磁場』という観念も、より実態に近い観念に置き換えていくことで、電磁波の性格にもっと近づける可能性が出てきたのだと思います。つまり電磁波を、空間と切り離された単独の物理現象と見る現在の電磁気学の先に、空間と電磁気の相互作用としての電磁空間学とも呼べる領域が登場するのではないかと思っています。ここには当然、真空中の波動的な現象は何が引き起こすのかという問題も含まれています。

150年前から変わっていない電磁『場』という概念の組み換え
  《現在の素粒子論や宇宙論から真空という概念を見直し、電磁場概念を組み替える》
電磁波とは何か?電磁波以外に真空を伝播する波動はないのか?

以上のような、問題意識と課題設定で電磁波の本質を解き明かしていきたいと思います。

お楽しみに

 

List    投稿者 sinsin | 2011-09-23 | Posted in A.史的構造認識から紐解く環境, C03.電磁気力, D04.電磁波2 Comments » 

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コメント2件

 藤 治 | 2012.07.16 11:00

宇宙は、自転している?
宇宙は、自転していると思います。ダークフロー(暗黒流動)という事象が観測されていますのでチェック要だと思います。

 hihi | 2012.07.17 21:25

籐治さま
ご教授ありがとうございます。
調べてみます。

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