2013-01-07

【時代認識】5 ~共同体の母胎は女性が生み出す充足空間

年末年始特別企画~人々の意識潮流の変化など、最新の“時代認識”を追求するシリーズ第5弾です。前回の【時代認識】4では、新社会への胎動がはじまる中、「自分たちの生きる場を自分たちの手で築いてゆきたい」と志のもとに生まれた共同体企業「類グループ」の事例紹介と、集団統合における「事実の共認」、認識力の重要性について、みてきました。
これを受けて、今回の【時代認識】5では、「認識力」と並んで、今後の社会や集団の維持運営で重要な要素となってくる「充足力」を取り上げます。
◆◆◆充足力こそが、全ての活力の源泉である
まずはるいネット「学生に与う5 共同体の母胎は女性が生み出す充足空間」(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=270326)から抜粋引用してみます。
共同体の推進力になっているのは認識力だけではない。その認識力を生み出す母胎となる充足空間と、それを形成する充足力こそ、全ての活力の源泉である。そしてこの充足空間あるいは充足力の中身は、共認充足である。現代では、共認充足こそが最大の活力源となっている。
この共認充足は、深い安心感や一体感や喜びから生じるが、その充足は、その土壌となるお互いの肯定視や感謝の想いが深いほど大きくなる。従って、類グループでは、さらに充足度を上げるために女性社員が中心となって、毎週『感謝のトレーニング(略して感トレ)』を行っており、その充足度の高さは、他社や応募学生からもうらやましがられるほどである。

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この「認識力」のベースに「充足力」ありという認識は、これからの社会、組織運営を考える上で、とても重要な認識です。

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例えば、最近開催された3社合同『会社を盛り上げるための本気女子会』の感想http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=268383の中でも語られていますが、
「まずは充足☆」を心がけることで、物事がうまく行き、
逆に「こうあるべき」という規範意識だけでは、成るものも成らない

という実感は、今多くの人たちが日常的に感じている感覚ではないでしょうか。
そして、この充足力の重要性は、小さなチームや集団のみならず、社会統合においても言えることです。社会問題に関心のある人たちは危機を声高に叫ぶ傾向がありますが、それだけでは大衆は動かないという現実をもっと直視する必要があります。勿論、だからといって環境フェスティバルのようにお祭り騒ぎにすればよいというものでもありません。社会変革における充足志向と危機志向の関係を考えてみましょう。
充足発の安定志向 危機感発の安定志向
 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=218502 より
>豊かさが実現され、生存圧力が弛緩すると、闘争の実現可能性よりも充足の実現可能性の方が大きいので、人々がそちらに向う結果、闘争よりも充足の方が価値が高くなる。つまり、闘争よりも充足の方が、挑戦よりも安定の方が大切になる。従って、闘争(仕事)志向や挑戦(創造)志向よりも、充足志向や安定志向の方が強くなる。
>他方、バブル崩壊に伴う経済危機は、人々の間に危機感発の安定欠乏を生起させ、目先の安定志向を強めさせる(注:この危機発の安定志向は、’70年以来の充足発の安定志向とは別物である)
’70豊かさの実現→充足可能性が高まる⇒充足志向⇒安定志向
’90経済危機→危機感発の安定欠乏⇒目先の安定志向
充足発の安定志向は、相手との共認や、人々との規範などの共認によって実現するので、共認収束の潮流を形成する。つまり充足発の安定志向が生み出す流れは、より対象が広がっていく過程であり、周囲の人間との関係の中で安定を実現していく。
危機感発の安定志向は、常に(将来の)不安を先取りし、その不安を排除することで、安定を達成しようとする。この場合、不安を排除しようとする意識が排他性を生起させるため、周囲との共認が成立する可能性が小さくなり、周囲の人間との関係は安定さが揺らいでいく。つまり、不安発の安定志向は、(構造的に)安定を実現することができない。
これは、現在の安定を実現している基盤に眼を向けることなしには、より大きい安定を実現することはできないことを示している。安定を実現するためには、不安を先取りして排除するのではなく、(小さくても)現実の安定基盤に目を向け、その可能性を少しずつでも広げていくこと

例えば、原発問題、震災問題でも、「東電が悪い」「今の食品は不安だ」だけでは大衆はついてきません。「では自分たちで電力会社をつくることはできないのか?」「では自分たちで検査するネットワークはつくれないのか?」そのような(ささやかであっても)実現に向けた可能性探索こそが充足可能性となって、社会は変わっていくのではないでしょうか?
◆◆◆共同体の母胎は女性が生み出す充足空間
そのような「充足発の安定志向」は女性の得意分野です。ではなぜ充足性・肯定性が、女の得意分野なのでしょうか?女性の充足力はは雌雄役割分化という生物史の摂理に立脚するものなのです。
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雌雄分化の歴史図解→姉妹ブログ「生物史から自然の摂理を読み解く」より
是非、こちらの記事もお読み下さい。http://www.seibutsushi.net/blog/2011/04/001110.html
充足性・肯定性が、女の得意分野なのはなぜか?(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=262196)より
男と比較して考えたときに、女の特性はどの辺りにあるのだろうか?このような問いに対してよく出てくるのは、「子どもを産む」「気配りが上手」「おしゃべり」くらいだろう。しかし、女とは、本当にその程度の存在なのだろうか。歴史を遡って考えてみたい。
男と女の出発点となるオスメスの起源は、約12億年前にまで遡る。
(実現論1_2_02) 進化の源泉はDNAの多様性にある。つまり、同一の自己を複製するのではなく、出来る限り多様な同類他者(非自己)を作り出すことこそ、全ての進化の源泉であり、それこそが適応の基幹戦略である。しかし、同類他者=変異体を作り出すのは極めて危険な営みでもある(∵殆どの変異体は不適応態である)。従って生物は、一方では安定性を保持しつつ、他方では変異を作り出すという極めて困難な課題に直面する。その突破口を開いたのが組み換え系や修復系の酵素(蛋白質)群であり、それを基礎としてより大掛かりな突破口を開いたのが、雌雄分化である。つまり、雌雄分化とは、原理的にはより安定度の高い性(雌)と、より変異度の高い性(雄)への分化(=差異の促進)に他ならない。従って、雌雄に分化した系統の生物は、適応可能性に導かれて進化すればするほど、安定と変異という軸上での性の差別化をより推進してゆくことになる。
(実現論1_2_03) 事実、この系統の生物は雌雄の差別化をより推進してゆく方向で進化してきた。それは、雌雄が同じ役割のままでいるよりも、安定性の求められる生殖過程はメス、危険性の高い闘争過程はオスという風に役割分担を進めた方が、より種としての環境適応が高くなるからである。例えば脊椎動物の系統では、魚のメスは卵を産み落とすだけで子育てなどしないが、爬虫類になると卵を温めて孵化させる種が現れ、更に哺乳類になると胎内保育をし、その上かなり長期間子育てに携わる様になる。つまり、進化するにつれてメスの生殖負担がどんどん大きくなってゆき、そのぶん闘争負担は小さくなってゆく。他方のオスは、それにつれて生殖負担が小さくなり、そのぶん闘争負担が大きくなってゆく。
さらに、共認機能を最大の武器とするサル・人類は、子育てにおいて、子どもの食欲等の本能を充たすだけでなく、共認機能を発達させる必要がある。そして、子どもの共認機能を発達させるためには、母親は子どもに共認充足を与え続ける必要がある。
だから女(母親)は、言葉を話せない子どもの期待を感じ取って応合することで充足を与える役割を担い続けてきた。
そのような役割を担い続けてきた女は、そうであるが故に充足性・肯定性に優れている。なぜなら、相手に充足を与えるためには、まず相手を肯定視する必要があるし、さらに、自分が充足して初めて、相手に充足を与えることが出来るからだ。
このような女の特性役割が明確に認識できれば、女への期待もより深いものへと深化していく。
例えば、「女は子どもを産むだけでなく、育てる役割を担ってきた」と分かれば、女の方が育て上手となる場面の方が実は多いことが分かる。だから、企業における人材育成課題も、女の役割として期待した方が上手く行く。
「気配りが上手」という現象も、歴史的な塗り重ねから見れば、女は微妙な変化を察知することに長けており、また、その変化から感じ取った期待に応合し、充足していることが分かる。
さらに、女は大抵「おしゃべりが好き」であるが、決して自分の話を聞いて欲しいのではなく、みんなと話を共有して充足したいと考えている。だから、おしゃべりそのものを否定するのではなく、おしゃべりの中身を変えていく期待を掛ける、例えば、企業の成果や人材評価を皆に発信する役割を期待すれば、その分だけ企業組織は活性化していく。
このような女の充足性・肯定性という特性を明確に認識し、その特性を生かしていけば、その分だけ充足の空間が広がり、みんなの活力が上昇していくことになる。過渡期であるこの10~20年は、活力を生み出した所が勝ちであり、企業において充足空間→活力を生み出すかどうかがカギを握る。
だから、男も女も、このような歴史的な事実認識を学び共認することで、企業の組織活力を無限に生み出し、この大転換の時代を乗り越える基盤を作ることができるのだ。

そして、今、社会問題についても普通の家庭の主婦たちの「もっと安全な食を手にするには?」「もっと子供たちが将来を生き抜く力を手にするには?」というニーズにこたえたものだけが生き残っていくという段階を迎えているように思います。そしてそれに答える企業やNPOも充足存在である女性社員や女性会員を羅針盤にして企画や新事業を考えていくことが重要に成ってきています。
社会問題を考える時、危機にばかり目がいきがちですが、現代は充足こそが自分を変え、まわりを変え、社会を変える原動力であるという時代認識を一人でも多くの方と共有できれば、社会はもっと早く変わっていくものと考えます。
明後日はシリーズ最終回「この行き詰った社会をどう再生するか」をお届けします。

List    投稿者 staff | 2013-01-07 | Posted in A.史的構造認識から紐解く環境, A05.時代認識No Comments » 

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