2008-12-31

地球環境の主役 植物の世界を理解する <番外編> ハテナ? ~共生による進化適応の世界~

今年もあとわずかです。来年も「自然の摂理から環境を考える」をどうぞよろしくお願いします :blush:
植物の世界はその進化史や生態とともに、調べれば調べるほどに知らない世界が広がっているのですが・・・その中でも特に気になる植物の共生世界を<番外編>としてお届けしたいと思います☆
%E3%83%8F%E3%83%86%E3%83%8A%E7%94%BB%E5%83%8F.jpgハテナ(Hatena arenicola 砂浜に住む謎の生物の意)
この生物は、比較的最近発見された謎の生物で、「ハテナ」と名付けられました(本当です)。
鞭毛を使って動き回る一方、細胞内に緑色の葉緑体=藻を持ち、光合成を行うという、ミドリムシみたいな半藻半獣の単細胞生物です。ただハテナは、分裂するときに葉緑体が片方にしか受け継がれません。驚くべきことに分裂したもう片方は透明なハテナとなり、なんと捕食器官が発生するのです!その後、葉緑体を持つなんらかの単細胞生命を取り込むと口は消滅し、光合成を行う緑色のハテナとなります植物進化上の重要な鍵を握る生物なんです。
なんともはや不思議な生き物ですね。

今の陸上の植物が元はみんな動物だった!なんて信じられます?
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これまでこのシリーズでは扱っていなかった視点なのですが、植物の進化過程では共生が大きなキーワードとして横たわっています。その中でも特に今回は、植物の細胞レベルでの共生世界にスポットを当ててご紹介します。

ハテナは2000年夏、和歌山市の砂浜で採集した藻類の中に偶然交じっていた。小判形の本体(長さ約0.03ミリ)の前にある鞭毛を尺取り虫のように動かして移動する奇妙な動き方だったため、興味を持って電子顕微鏡で見たところ、植物で光合成をする葉緑体があった。 この葉緑体は、ネフロセルミス(藻類の一種)を食べて取り込んだと判明。しかし、増殖のため2つに分裂するとき葉緑体を分割できず、片方にしか引き継げない。葉緑体がない方には、再び捕食装置が生じ、また藻類を食べて葉緑体を取り込むことが分かった。

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早い話が、動物になったり、植物になったりする単細胞生物なんです。
しかも、現在の陸上植物はこういった進化過程を経て今のような姿になったといわれているのです !
:o

それでは、その不思議を探ってみましょう♪
★一次共生と二次共生の世界
植物は、葉緑体により酸素発生型光合成を行う生物群で、陸上植物と多様な藻類のグループが含まれます。
実は、葉緑体は元々独立した生物でした。
 
そして、その起源は酸素発生型光合成をする唯一の原核生物(核を持たない生物)、シアノバクテリア(藍藻)に遡ります。
太古の地球で、無色の真核生物(核を持つ生物)がシアノバクテリアを取り込み、自らの葉緑体とすることで「一次植物」と呼ばれる最初の植物群が生まれました
 
この細胞共生を「一次共生」と呼びます。植物は細胞の核のDNA以外に、葉緑体にもDNA(取り込まれたシアノバクテリア由来)をもち、これが一次共生を裏付ける証拠と考えられています。 
そして、現生植物の葉緑体DNAを解析した結果、植物は共通の祖先を持つことがわかっています。
 しかしここで矛盾が生じるのですが、植物の核DNAを解析し系統分類すると、植物には様々な起源があることになってしまうのです。つまり葉緑体でみると単系統なのに、核でみると多系統!!になってしまうのです・・・・。
「なぜ???」
学者は頭を抱えました。
そして、この矛盾を解決したのが「二次共生」という考え方です。
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二次共生とは、一次共生によって誕生した一次植物を、さらに別の無色の真核生物が取り込むことを指します。
共生体となった一次植物の核は退化し、DNAは残すが核としての機能を失った「ヌクレオモルフ」と呼ばれる痕跡となり、やがて進化と共に消失していきます。クリプト植物(クリプト藻)のようにヌクレオモルフが残っている植物もあり、二次共生が起きた証拠となっています。
二次共生で誕生した「二次植物」の核は、宿主である無色の真核生物の核です。いろいろな生物が宿主となったため、現生植物の核には様々な系統がみられるということなのです。つまり現在の植物の多様性は、二重の共生体=二次共生によって生まれていたのです。
 
 
植物(プランクトン)→動物(プランクトン)→動物(プランクトン)→海中植物→陸上植物!
 
 
現在の陸上植物は、すべて二次共生から進化した生命体です。植物の生命進化の塗り重ねは、
共生から始まり、共生に共生を重ね動物状態と植物状態が入れ替わりながら進化してきたと言えるのです。
したがって、現在の陸上植物のご先祖様は動物だった時期があるというわけなんですね 。
驚きです!
植物に対する見方が変わってきちゃいます☆
次の<番外編>では、さらに驚きの植物と微生物の共生世界をご紹介します!お楽しみに♪

List    投稿者 kasahara | 2008-12-31 | Posted in D.地球のメカニズム5 Comments » 

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コメント5件

 おっぱい♪ | 2009.08.26 10:34

このシリーズ読むたびに、
ほんと、女の体って、生き物って、よくできてるなぁって思います♪
今回のおっぱいも然り。
このシリーズで語られていることは、あれこれ考えなくても、一本筋の通った「女みち」「出産→子育て論」。わかりやすくて、スッと納得できます☆

 トマトマ | 2009.08.26 18:19

>ほんと、女の体って、生き物って、よくできてるなぁって思います♪
ほんと、そうですよね~♪
ミルクだったら、
「人肌に温めて~。殺菌して~。」
など、とても大変!
女の人の身体は、身一つで、どこでも、子育てできる☆
すごい!!
また、記事アップ楽しみにしています♪

 ふぇりちゃん | 2009.08.28 15:55

この追求テーマの話を聞くたびに、「私は教育・職業柄これらのことを知っているだけで、未経験の人たちは知らないこともあるんだ~」と思うことがしばしばです。
知っていることを『当たり前』だと思わず、もっと掘り下げて追求すること、そして知っていることを他者に伝えて共有していくことって大切ですね☆

 匿名 | 2009.08.30 2:06

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 百舌 | 2009.08.30 18:18

>この追求テーマの話を聞くたびに、「私は教育・職業柄これらのことを知っているだけで、未経験の人たちは知らないこともあるんだ~」と思うことがしばしばです。
逆にいえば、現代の女達は、見た目、“女”であっても、昔の人のように、本当の意味で、女になれているわけではないんだなって思います。
ただ、こうやって、みんなで追求していけば、みんな、「(巷に溢れている情報より)こっちの方が可能性ありそう!!」って感じれるってことは、もともと持っている女の部分を、後から現代の観念で覆ってしまっているだけなんだなって可能性も感じています。
これからも、覆っている観念をみんなでとっぱらって、女磨きしていきましょう☆

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