2012-08-31

【電磁波は地震を引き起こすのか?】地磁気の不思議【最新版】

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 熱移送説を検証するため地中における電磁波について追求中ですが、前回「地磁気脈動」を取り上げたように、地中と電磁波というテーマを追求する上で、「地磁気」の存在は欠かすことができません。

そこで今回は「地磁気」について分かっている最新の知見を、京都大学地磁気世界資料センターの資料などからご紹介します。



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☆☆☆地磁気とは

 方位磁石が必ず北を指すのは、地球自身が大きな磁石になっているからです。磁石の周りに砂鉄を撒くと磁力線の様子を見ることができますが、同様に地球の周囲にも磁力線が通っています。方位磁石のNが北を指すことから分かるように、北極にはS極が、南極にはN極があり、磁力線は南極から北極の向きに走っています。

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☆☆☆地磁気は他の天体にも存在する

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 磁気を帯びているのは地球だけではありません。太陽をはじめ、すべての太陽系惑星が磁気を持っています。それぞれ赤道上で磁気強度を測ると、太陽や木星が地球の10倍、土星や天王星、海王星が地球と同じくらいで、金星、月、火星などは微弱なようです。また、太陽は11年周期で極性が逆転することが分かっています。


☆☆☆地磁気はダイナモ作用によって発生している(らしい)

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 地磁気はどのようにして発生しているのでしょうか?

現在有力とされている説は「地球ダイナモ説」です。地球の深部、外核に存在する液体の鉄やニッケルでできた層の対流によって外核がダイナモ(発電機)となり、さらにその電流により、外核そのものが電磁石となっている、という説ですね。かつては永久磁石になっているという説もありました。しかし、一般的に金属は高温になると磁性を失う(鉄で770℃、ニッケルで360℃)ことと、外核は数千度もの高温になっていると予想されることから、この考え方は否定されています。


☆☆☆地磁気は数百年あまり、減少を続けている

 地磁気は、ここ数百年あまり減少を続けていることが分かっています。そのままでペースで減少を続けるとあと1000年足らずで消失するとか。ただし、本当に消えてしまうのか、それとも一時的な現象なのかについては不明です。

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☆☆☆地磁気と太陽活動

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 地磁気は太陽風や太陽磁場の影響を受け、さらに太陽風は太陽の黒点やフレアといった太陽活動によって大きく変動します。例えば、太陽の自転周期である27日や太陽の磁極が反転する11年という周期が、地磁気に影響していることが分かっています。



☆☆☆地磁気は太陽風から生物を守っている

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 地球の周りには「大気圏(地上80~120km)」がありますが、その外側は真空ではなく、太陽から超音速(300~1000km/s)で放出されたプラズマ(電荷を帯びた電子やイオン)の流れ「太陽風」が吹きつける世界です。しかし、地磁気があるために、地球に直接侵入することなく、脇へ追いやってくれています。その結果、「磁気圏(高度約60000km~)」が作られる他、近傍のプラズマが地磁気の変化によって極地へ降り注ぐことでオーロラが発生します。もし地磁気が存在せず、高温高速の「太陽風」が直接降り注ぐことになれば、生物は生存できないでしょう。


☆☆☆地磁気は変化し続けている

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 「方位磁石は北を指す」というのは、永遠の事実ではありません。地磁気は変化し続けています。10万年から100万年というたいへん長い期間にはN極とS極が反転するということも起きました。また、10年から1000年という期間には、磁場の強さと向きが変わる「永年変化」という現象も起きます。さらに、数日程度の期間では地磁気が大きく減少する「磁気嵐」や、極地上空を流れる強い電流によって地磁気が変化する「サブストーム」という現象も知られています。サブストームが起きる時は明るいオーロラが激しく変化します。


☆☆☆地磁気と電離層

 極地の地磁気が変化するサブストームが起きる際は、電離層圏内に複雑な電流の流れが発生します。その電流が電離層内でダイナモとして作用し、磁力線を作ることも分かってきました。(下図は左が地球を取り巻く電流の流れ、右が電離層ダイナモの概念図)

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☆☆☆地磁気が社会に与える影響

 地磁気が大きく変化する磁気嵐や、極地の地磁気が変化するサブストームの時は、上空に流れる電流の急激な変化によって石油パイプラインや高電圧送電線に誘導電流が流れ、施設機能の劣化や停止を招く場合があります。1989年、カナダのケベック州では磁気嵐によって送電線に大きな誘導電流が流れ、広域停電が発生しました。

【参考・出典】

List    投稿者 sztk | 2012-08-31 | Posted in D04.電磁波No Comments » 

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