2020-08-20

なぜ子どもたちの骨折が急激に増えているのか

「もともと子どもたちの健康は阻害されていた」ということにふれたいと思います。

それを思ったのは、ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏の子どもの健康についてのウェブサイトに「病気の子どもが多すぎる」というページがあり、そこには以下のようにありました。アメリカの例ですが、主要国はすべて同じような状態ともいえます。

病気の子どもが多すぎる

アメリカの子どもたちの 54%以上が 1つまたは複数の慢性疾患に苦しんでいる。1980年代後半から 1990年代初頭がこれらが始まった時期とされている。

自閉症、ADHD、喘息、アレルギーの子どもたちの数は、その時期から現在までに倍増しており、自閉症はアメリカの一部の地域では今は 34人に 1人の割合だ。子どもの自己免疫疾患も増加しており、特殊教育サービスを利用している公立学校の子供たちの割合は、学校人口の 13%から 25%と推定されている。

このような子どもたちの状態が増加している背景には、重金属、殺虫剤、除草剤などの環境毒素が主な要素としてあるとも言われる。 childrenshealthdefense.org

アメリカでは、約半数の子どもたちが何らかの慢性疾患を持っている。

もう少し具体的に書きますと、以下のようになっています。

アメリカの子どもたちを悩ませている慢性的な苦痛のリストには、生まれついてのものも含めて、神経発達障害、自己免疫疾患、アトピー性障害、メンタルヘルスの問題などが含まれる。

多くの場合、複数の状態が重なるか、1つの状態がその後の疾患のリスクを高めることになる。慢性疾患状態の子どもたちは現在、小児集中治療病院入院の 70%以上を占めている。

2011年の調査では、アメリカの子どもの 5分の2( 43%)が 20の慢性的な健康状態の少なくとも 1つを抱えており、これに、肥満と発達の問題および行動リスクを含めると、この割合は半分(54%)を超えた。ここには、学習障害から糖尿病、うつ病まで含まれる。childrenshealthdefense.org

もともとすでに、心身の健康に問題が生じる子どもたちが増え続けている中で、今のような信じられないような「過剰な殺菌による不健康な生活」を子どもに強いている。

それが問題なのだと思います。

『なぜ子どもたちの骨折が急激に増えているのかを調べてわかった「マスク、太陽光不足、過剰な消毒がすべて骨の脆弱化と関係している」』より引用します。

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かなりまずい状況がすでに始まっている

今日、産経新聞の以下の報道を読みました。

鬼ごっこで骨折も…コロナ休校、増える子供のけが

新型コロナウイルスの感染拡大による学校の臨時休校以降、子供の体力低下が目立っている。学校では転んだりして骨折する子供が相次ぎ、各地の整形外科医院には、足首や股関節を痛めた子供たちの来院が増えた。

専門医は、体力が低下した子供たちが準備不足で激しい運動をすることも危険だと指摘、「安全を第一に考えてほしい」と警鐘を鳴らしている。 (産経新聞 2020/08/19)

それで、この報道の中に以下のようなくだりがあるのです。

「6月の休校明けに子供のけがが増えた」と打ち明けるのは、同府内の小学校教諭だ。教諭の勤務する学校では全校児童約350人のうち3、4人が、学校再開後1カ月の間に鬼ごっこ中に転ぶなどして骨折した。 産経新聞 2020/08/19)

この、

> 全校児童約350人のうち3、4人が、鬼ごっこ中に転ぶなどして骨折した。

を読んで、

「いくら運動不足でも、普通それはないって」

と呟かざるを得ない部分がありました。

私などは、小学校低学年くらいまで小児喘息などがあり、とても体が弱くて、月の半分くらい寝たきりのこともありましたけれど、かなり長期間まったく体を動かしていなくとも「転んだだけで骨折するなんてことはない」と思わざるを得ません。

私も骨折したことはありますけれど、1度は中学生の時に車にはねられた時、もう1度は、二十代の時に舞台で鉄パイプで殴られてですが、骨は強いもので、普通なら自動車や鉄パイプなどで強打しない限り折れるものでもなく、まして若い人たちの骨が「転んだだけで折れる」ような骨粗鬆症みたいな状態になっているのは、上の記事にありますような「体力の低下」だけでは、説明できないと思うのです。

これについては、以前も以下の記事において、「子どもの骨折が多すぎる」ことについて取り上げたことがあります。

病気の子どもが多すぎる。そしてさらに肺疾患が増え、アレルギーが増え、骨折する子どもたちが増えていくのを看過しろと?
投稿日:2020年7月7日

この記事では、「骨の生成を促進するものの要因のひとつが腸内細菌」だということを知り、最近の過剰な消毒と殺菌が関係しているのではないのかなというようなことを書いたのですが、しかし、冷静に考えると、

「過剰な消毒が関係するにしても、骨への影響が現れるのがこんなに急激なはずがない」

ことも記事を書いた後に思っていました。

つまり、

「他にも、急速に子どもたちの骨を衰えさせている条件が何かある」

のではないかと思うようになっていました。

そのように思っている中で、先ほどの産経新聞の記事を読みまして、さすがに、「何か良くないことが進行しているのでは」というように思い、少し過去の医学論文などを検索していましたら・・・。

なーんと。

全部当てはまる。

何が「全部当てはまる」かといいますと、緊急事態宣言の期間や現在の新型コロナウイルス下で推奨されてきたような生活スタイルが「全部、骨の脆さ」と繋がることを知ったのです。

それは主に、次の2点です。

・低酸素の状態は骨が破壊されやすくなる

・日光不足は骨を脆くする

そして、ここに、先ほどの記事で取り上げました

・過剰な消毒が骨を形成する腸内細菌環境を破壊する可能性

ということが加わり、つまり、「自粛と消毒とマスク環境下での生活は、すべてが骨の脆さにつながる」という可能性があることを知ったのです。

「腸内細菌環境と骨の形成」に関しては、先ほどリンクした記事をご参照いただければ幸いですが、以下の2つの論文をリンクしておきます。どちらも日本語の論文です。現在の医学では「骨の生成」は腸内細菌が担っていることがわかっているのです。

骨の生成と腸内細菌の関係を示した論文

腸内細菌叢に由来する酪酸が宿主の骨形成を促進する (武庫川女子大学薬学部生化学Ⅱ講座)

腸内環境改善により骨密度低下が抑制される可能性を閉経後骨粗鬆症モデル動物において示唆 (国際科学雑誌 Nutrients)

今回は、それに加えまして、

・低酸素は骨を破壊しやすくなる

・日光不足は骨を脆くする

ことについてご紹介したいと思います。

骨を破壊する低酸素と太陽光不足

長時間のマスク着用は、マスクの種類や気候条件にもよるでしょうけれど、基本的には、多少の低酸素状態をもたらします

これについては、以前、以下の記事で、特に「二酸化炭素の吸入量が多いと、脳が恐怖反応を起こす」ことについて取り上げたことがあります。

パニック障害の人はできるだけ「マスクを避けたほうが望ましい」医学的理由。そして私は、子どもや若者たちの胸腺が萎縮した病的な社会の出現を懸念している
投稿日:2020年8月4日

なお、この記事では、人間の免疫と関係する免疫細胞を産生(分化)する「胸腺」についてふれていますが、医学者の安保徹さんが、「胸腺以外からも免疫細胞が産生される」ことを発見していたことを教えていただき、後日、以下の記事を書かせていただいています。

人類存亡のときにこそ冷静に健康のことを考える : ストレスによる免疫細胞のバランスの崩壊を安保さんの論文で学び直した
投稿日:2020年8月10日

話を骨と低酸素のほうに戻しますと、海外の論文には、骨と低酸素について書かれた論文がかなりあります。論文を見ていますと、低酸素が骨の脆さと関係する要因は、大きく2つとなるようです。

・酸素は骨を含めた人間のすべての細胞の発現に不可欠である

・低酸素の状態は「破骨細胞」という骨を破壊する細胞の発現の因子となる

破骨細胞というのは、Wikipedia には以下のようにあります。

破骨細胞とは、骨の再構築過程において、骨を破壊(骨吸収)する役割を担っている細胞。

破骨細胞は骨基質を溶かして吸収する。

具体的には周りにコラゲナーゼや水素イオン、そのほかのサイトカインを放出し、コラーゲンの分解やカルシウム塩結晶の融解を引き起こす。破骨細胞

破壊するというより「骨の基本的な成分を溶かしてしまう」もののようです。

この破骨細胞が「低酸素状態により出現が刺激される」ようなのですね。以下は、 PubMed にあった論文のタイトルで、発表年は 2003年とありますので、かなり以前からわかっていたことのようです。

低酸素は破骨細胞形成と骨吸収の主要な刺激因子となる (PubMed 2003/07)
Hypoxia is a major stimulator of osteoclast formation and bone resorption

これはマウスによる実験で、大気レベルから酸素の状態を下げていくと、破骨細胞の形成が刺激され、骨が破壊されていくことが確認されたのだそうです。

もちろん、実験ですので、酸素の下げ方は 20%などかなり大きいのですが、しかし、7日間ほどで骨の破壊の進行が確認されたようですので、多少の低酸素状態でも、長期間続いた場合は、破骨細胞の生成の刺激と関係してくる可能性(骨が破壊されやすくなる可能性)があるのかもしれません。

比較的しっかりしたマスクを毎日長時間着用している場合など、期間が長くなった場合、骨が脆くなるという影響は否定できないようにも思います。すでに、マスク生活も数カ月に及んでいますし、着用状況(家でもずっとしているなど)によっては、骨に影響を受けているのかもしれません。

もうひとつは、「酸素そのものが、骨の形成に非常に重要」だという点です。

以下は、2010年5月の論文です。

低酸素、転写因子および骨の発達 (PMC 2010/05/02)
Hypoxia, HIFs and bone development

この論文はとても難しく、私に全体は理解できないですが、この概要の冒頭は以下のようなものです。

近年、酸素は明らかに重要な基質であるだけでなく、特定の遺伝子プログラムの発現を制御する調節シグナルでもあることがますます明らかになっている。

低酸素または酸素の利用の減少性は、虚血または腫瘍形成等の病理学的状態、そして身体の正常な発達の両方において重要な役割を有する転写応答を活性化する。

低酸素状態は、「いろいろな病気の発現と関係するシグナルを出す」ということのようで、その中に、「酸素と軟骨」ということについてふれられている部分があり、骨の外側というより、「酸素は軟骨や骨の内部の生成と強く関係する」ようなのですね。

いずれにしましても、

「低酸素状態は骨に良くない」

ということは断言していいと思います。

そして、次に、これも当然のような気がするのですが、

「太陽光不足は骨を脆くする」

ことが述べられている論文も多くあります。

これは、主に「ビタミンDと骨」の関係性のようですが、こちらの論文などによれば、サプリメントでは効果が低いようで、骨形成に関しては、太陽光への曝露により作られるビタミンDのほうがいいようです。

結局のところ、

・低酸素(長時間のマスク)

・日光の不足

・過剰な消毒による常在菌、特に腸内細菌環境の変化

は、どれも骨にとっては良くないことのようなのですね。

そして、当然ながら、「そのような期間が長引けば長引くほど、影響は強くなる」と思われます。

また、今回は冒頭に子どもの骨折について取り上げましたけれど、これはすべての世代で同じだとも思います。

特に、ただでさえ骨が脆くなりやすい高齢者の方々は、今後、骨の状態に関して、厳しい局面に至る方もいらっしゃらないとは言えない気もいたします。骨粗鬆症もかなり増加しそうです。

それにしても、上の3つを見て見ますと、結局「今の世界の生活」は、私たち人間が長い間、ごく普通としてきた、そして、それは人類という生物種に必要だった以下の3点が否定されている生活です。

現在否定されていること

・酸素の多いきれいな空気をたっぷりと吸う生活

・たくさんの太陽光を浴びて生きる生活

・体内の常在菌と共存して自然の中の生物種として生きること

これらを「半強制的につぶされている」わけですので、そりゃまあ、社会全体の健康状態が良くなるわけがないですよね。

メルマガに書いたことがありますが、今後さらに社会全体の健康状態は悪化していくと思います。

それは「病気の種類がわからない体調不良が増える」というようなことになっていくと思われますが、そして、そこに今回書きましたように、人々の骨が脆くなっていく問題まで加わってくる可能性が強く、この先、何ヶ月あるいは何年このような生活が続いていくのかはわからないですが、ものすごい社会になっていきそうです。

List    投稿者 asaoka-g | 2020-08-20 | Posted in 未分類 | No Comments » 

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