2012-01-28

【自然災害の予知シリーズ】-11-地震発生前のマグマの熱移送による「地表温度の上昇」を観測するリモートセンシング

みなさん、こんにちは
当シリーズでも「VLF電波」「ULF電波」「ラドン濃度」など、日本においても可能性のありそうな地震予知の方法が見えてきました。今回も引き続き、可能性探索です!
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今回は、地震発生のメカニズムから、直接的な地震観測により地震予知する手法を探索します。
電磁波やラドンといった電気・化学的反応以外で、直接地震の前兆現象を押える方法を探っていきます。そのためにも、まずは、地震の起こるメカニズムから押えていきましょう。

地震といえば、プレートテクトニクス説が定説でしたが、地球の内部の様子が明らかになるにつれて、様々な矛盾(プレート説では説明がつかない事例etc)があることが、分かってきました。
では、実際に地球内部はどうなっているのでしょうか?
(※“プレートテクトニクス説のおかしさ”については、こちらをご覧下さい。)

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◆ ◆ ◆ マグマ熱と地震の関係

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>私たちは長い間、「地球は上から地殻マントル地核(外核と内核)に分けられ、マントルには対流がある」と教えられてきましたが、マントルはまるで「アリの巣」のように、熱い部分と冷たい部分とが入り組んでいます
つまり、マントル全体にわたるような対流は起きていないことがわかります。

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右の図は、「マントルトモグラフィ」と呼ばれる地球内部の温度を示した図です。各図の右上に地表からの深さが、赤→青の色の変化は、高温→低温を表しています。
地表に近づくにつれて、赤くなった熱い部分が横へ移り、もっとも地表に近い地下50kmでは、地震の多発地域である日本列島は真っ赤です。どうやら地殻の下が高温から中温であることが、地震が発生する必要条件になっているようです。
つまり、「地下の熱移送と地震の発生には関連がある」ということで、
「地下でマグマの高温化が発生」→「岩石が溶けて温度と液体圧とが上昇」→「体積膨張が発生」→「弾性変形・破壊」→「地震が発生」という一連のプロセスが想定できるのです。
                         るいネット『地震の発生メカニズム「熱移送説」の紹介(1)』より
                                     (画像引用元:角田史雄著「地震の癖」講談社新書)

であれば、地震が起こる前兆として、地下→地表の温度が上昇すると考えられます。

実際に、電気通信大学の早川氏から以下の報告がありました。

我々 NASDA グループ(Tronin を中心として)の多くの事例解析から,どうも地震前に将来の震央近くの断層において地表面温度が数度上昇することを確認している。近年米国 NASA グループも米国での地震に対して同様の事実を認めている。
(『地震に伴う電磁気現象のいろいろ』より)

上記のような地表温度は、どうやって測っているのでしょうか?

◆ ◆ ◆ リモートセンシングによる地表温度の観測

◆ リモートセンシングとは
リモートセンシング(遠隔感知)とは直接接触をせずに各種のセンサを用い、遠く離れた対象物の電磁波情報について収集・処理を行い、対象物又は自然現象を感知・探査する技術のことです。
下図はリモートセンシングによる情報取得の流れ図です。
rimosenn.JPG

◆ 地表面温度を観測する:熱赤外リモートセンシング
地表面からは、太陽光を反射しているだけでなく、太陽光を吸収して暖かくなった熱エネルギーと火山活動などによる熱が赤外線として放射しています。(下図参照)
nissha.JPG
人工衛星に、各波長帯における反射の強さや放射の強さをとらえる能力を持つセンサを搭載させておけば、その放射・反射の強さから、地表面の温度が推定できます。
しかしながら、赤外線は雲を透過しないため、雲がないときしか地表面を観測することができません

◆ リモートセンシングを使った地震の観測事例
これから紹介する2つの事例は、地震発生後にリモートセンシングの観測結果を検証し、地震と地表温度変化の関連性を見出したものです。
事例① ~インド・グジャラート地震(2001年1月26日) 

(前略)
これらの考えのうちの1つは、赤外線(IR)放射の異常を捜すことです。Friedemann Freund(サンノゼ州立大学物理学部助教授兼NASAエイムズ研究センターの科学者)は説明します。
「1980年代と90年代に、ロシアと中国の科学者は、アジアの地震に関連したいくつかの奇妙な熱の異常に注目しました–例えば万里の長城近くで発生した1998年Zhangbeiの地震です。この地震は周辺の地表面温度が-20℃のときに起りました。中国の文献によれば、地震の直前、熱センサは6から9度もの大きな温度変化を検出しました。」
宇宙からこれらのホットスポットを検出するために、赤外線カメラを搭載した衛星を利用することができました。実際、ゴダード宇宙飛行センター(GSFC)のFreundと同僚のDimitar Ouzounovが、NASAのTerra衛星によって取得された赤外線データを調べたところ、2001年1月26日のグジャラート地震の直前にインド西部の地表面温度の上昇を発見しました。「熱異常は+4℃ほどもあった」とFreundは言います。

図:2001年1月6日,21日,28日のインド・グジャラート周辺地域の赤外線画像。
クレジット:NASAのTerra衛星に搭載されたMODIS
※震源地は、白抜き○で表しています。
1月6日
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1月21日
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1月26日
地震発生!!  

1月28日
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この事例では、地震発生の5日前に震源地付近の地表温度が上昇。
そして、地震発生後は地表温度が低下し、熱が去っていくのがわかります。


事例② ~トルコ・イズミット地震(1999年8月17日) 

AVHRRやMODIS等の放射計を利用した試みでは、大地震前に震源近くの断層などに沿って温度異常や赤外線放射異常が検出されました。
図:1999年のトルコ・イズミット地震の例
※震源地を黒星★で表しています。
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こちらの事例では、地震発生4日前に地表温度が上昇し、2日前には沈静。
また当日に上昇し、その2日後も上昇したままになっています。

◆ ◆ ◆ リモートセンシングによる『地表温度測定』の地震予知の可能性

◆ 可能性
・地震発生前にマグマ熱が移送し、地表温度が上昇する。
・地震の短期予測(数日前)に有効。

→マグマの熱移送という直接地震に関わる現象から観測できるので、信憑性があります。
また、事例を見る限り、地震の数日前から地表温度に変化が見られることから数日前の短期予測に適しています。

◆ 今後の課題
・天候(雲)に影響される。
・場所の特定範囲が広域になる。
・事例は、熱移送がある大陸に限定されており、常にマグマの熱移送範囲にある日本で有効かは未定。

→技術的な面では、赤外線が雲を透過しないことがネックになっています。また、今の段階では震源の特定日本での事例が見当たらないことから、今後も事例収集が必要です。

◆ ◆ ◆ リモートセンシングによる『地表温度測定』以外の地震予知
地震予知にあらゆる方面から国をあげて力を注いでいる中国では、こんな事例がありました。
◆ 中国での実現事例

中国の研究者が、赤外線スキャナーを搭載した衛星からの画像を利用して地震の直前予知技術を発明し、「強地震短期予測衛星熱赤外線技術」という名称で日本の特許を取得しているというメールをいただきました。
衛星を利用した熱赤外線技術とは、日本の(!)「静止衛星ひまわり」などの熱赤外線画像を利用するものです。それによると、地震直前に地表温度の異常上昇が観測され、それに伴って、上空に奇妙な形の雲が発生しているということです。情報の一部を紹介します。
熱赤外線を応用し、地震を予測する時、地震の前に於いて温度上昇の異常現象がある外に、下記のような特殊な地震の前兆現象が発生する可能性がある。
1.地震を孕んでいる区域の雲の層の上方に温度低下リングの現象が発生する。該現象は区域性地震発生の前兆を示す。例えば、1998年1月10目、中国東部の張北一尚義でマグニチュード6・2の地震が発生した時、該区域の上空に明らかな温度低下リングの現象が発生している。
2.地震を孕んでいる区域の上空に、地震発生前に奇妙な形(怪状)の雲が発生する。
3.地震が内陸の高原区域で発生する時、地形の起伏が複雑であるために、地震の前兆の異常現象の観察、判断が困難である。この時、渓谷等の窪地に於いて温度上昇異常が出現する。これらの温度上昇区域を連結すれば、一定の応力熱線をはっきリと示すことができる。これらの応カ熱線の交差部位がすなわち将来の震源である。
以上が一部の抜粋です。(リンク

上記の事例では、地表温度だけでなく、雲の温度や形状の変化からも、地震を予知できる可能性があります。しかも、この方法では、雲で覆われて地表温度が観測できない場合や地形の起伏が複雑な場合にも有効です。また、震源地の特定においても、優れています。

これらを踏まえて考えてみると、
①晴天時は、地表温度を観測する
②曇天時は、雲の温度、形状を観測する

上記の方法で、地震予知できる可能性が十分あると考えられます。

しかしながら、日本でのリモートセンシングの地震予知に関わる事例報告は見られませんでした。(現状、災害においては、「予知」というよりも「災害時の状況把握」するための研究がされているようです。)
中国では地震の発震機構そのものは不明のままでも、地震時の不思議な現象を忠実に追求して、予知に結び付けようとしているのに対して、日本の地震学者はまず初めに、「プレートテクトニクス、弾性反発地震説」ありき、から出発しています。
学説に矛盾する現象は無視するという、反科学的態度を執っているように思えてなりません。
現象を見て、素直になんでだろう?と思い、探求するのが科学のあり方ではないでしょうか。
このあたりは、単に地震学者だけでなく、それを取り巻く政治的圧力にも理由がありそうですので、改めて投稿させていただきます。

List    投稿者 staff | 2012-01-28 | Posted in D.地球のメカニズム, D05.自然災害の予知No Comments » 

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