2012-05-12

【地球のしくみ】5.地球内部で発生した電磁波が、マントルを透過し、地殻で反射するのは、なぜか?

これまでのシリーズでは、
地球内部で発生した電磁波が、マントルを透過し、地殻下部の“蛸壺構造”の部分で反射を繰り返し、マグマ化する。それが地盤の硬軟の違いによって火山噴火もしくは地震を引き起こす、という説を提示しました。
そして、電磁波を透過するマントルの主要材が「カンラン岩」で、電磁波を反射させる地殻の主要材が「玄武岩・花崗岩」です。
つまり、上記の説は「カンラン岩は長波長の電磁波を透過」し、「玄武岩・花崗岩は長波長の電磁波を反射する」という仮説に基づいたものです。
そうだとしたら、何故このような違いが生じるのでしょうか?
仮説ですが、おそらくは結晶構造の違いが関係していると考えられます。
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◆◆◆珪酸塩鉱物(=マントル・地殻の主成分)の基本構造
◆珪酸塩鉱物とは何か?
マントルや地殻を構成する岩石・マグマは、ほとんど珪酸塩鉱物という鉱物からできています。
珪酸塩鉱物は、SiO2、もしくはSiO4四面体と金属で構成されています。SiO4四面体の隙間にプラスの電気を帯びた金属イオンが規則正しく配置されることでSiO4連結構造同士が結び付けています。
例えば、石英や長石、カンラン石などがあります。そして、マントルのカンラン岩の主要成分がカンラン石、地殻の玄武岩・花崗岩の主要成分が長石です。
※岩石の鉱物構成比率
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◆カンラン石と、石英、長石との違い
※石英~カンラン石の分子式と結晶構造
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表を見ると、石英や長石に比べて、カンラン石の方が密度が大きい。これは、SiO4四面体に結合する金属がFeやMgといった比較的重金属であり、金属比重が高いことを示しています。
また、珪酸塩の連結の仕方にも注目です。石英や長石が網状なのに対して、カンラン石は独立型です。
網状とは、網の糸または繊維のように脈や繊維が交差した構造。
独立型では、SiO4四面体同士が連結しておらず、バラバラに独立している構造のことを言います。
これらの性質が、電磁波の透過度と、どのように関係しているのでしょうか?

◆◆◆【仮説】珪酸塩鉱物の分子間の隙間の大きさによって、電磁波の透過率が決まる
珪酸塩鉱物の特徴のひとつは、珪酸塩が様々な種類の金属イオンと結びついている点です。また、カンラン石は石英や長石に比べて、金属比率が高い鉱物です。
金属は、長波長の電磁波を反射する性質を持っています。しかし、カンラン石は金属が多いのに電磁波を透過しやすいのです。一体、どういうことなのでしょうか?矛盾しているのでは?(疑問①)
今のところ、金属が多く含まれていることと、電磁波を透過しやすいことに、因果関係を見出すのは難しそうです。
一方、連結方式の違いに注目してみます。カンラン石は「独立型」、石英や長石は「網状」でした。
独立型のカンラン石の場合、SiO4四面体同士が連結しておらず、バラバラに独立しています。ゆえに、分子間の距離が大きくなり、その分隙間が大きくなるため、電磁波を透過しやすくなるのではないでしょうか?
だとすると、反対に、網状の石英や長石は、しっかりと連結しているため、分子間の隙間が小さく、電磁波が透過しにくいことになります。
この「隙間の大きさ」こそ、電磁波を透過するかどうかを決める要素ではないでしょうか?
これ以外の要素は、今の所思いつきません。
ところが、表のカンラン石の結晶構造では、SiO4四面体同士は独立しているものの、その間に金属が詰まっていて、隙間が空いていないようにも見えます。カンラン石の結晶は隙間が大きくない?(疑問②)
これらの疑問に対して、マントルにおける鉱物のでき方の詳細を追うことが解決の糸口になると思います。
◆◆◆カンラン石が電磁波を透過するのは、非結晶の固体(アモルファス)だから
ということで、先ほどの仮説を、地球内部でのマグマ→鉱物の生成過程を遡ることで、検証してみます。
珪酸塩鉱物は、マグマの温度低下に伴って晶出(結晶化)します。最も高温・高圧下で、一番最初に晶出するのがカンラン石です。
カンラン石の後は、マグマの温度低下に伴って、輝石→角閃石→黒雲母→長石→石英の順に晶出します。注目すべきは、それに伴い、配列の秩序化が進んでいくことです。
つまり、石英や長石に比べて、カンラン石は高温下で出来るがゆえに、構造が不安定なのです。
数千度もの高温下ゆえに、分子の動きの激しさや構造の不安定さは、地上の比にならないでしょう。おそらく、この高温下では、地上のようには結晶化していない(非結晶の状態)のではないでしょうか?それが、高圧下ゆえにかろうじて固体化しているのだと思われます。
これは、いわゆるアモルファス(非晶質)の状態です。
アモルファスとは、急冷などによって規則的な原子配列が取れずに、非結晶のまま固体化した状態のことです。
同じ材料でも、結晶状態とアモルファス状態では、光透過率などの性質が大幅に変わることがあります。
例えば、ガラスは、液体状態がそのまま固まってできるアモルファス状態(不安定な状態)で、光の透過性が高くなっています。
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マントルのカンラン石は、ガラスと同じアモルファス状態である。構造が不安定かつ分子間の隙間が大きい状態で固体化しているので、光の透過率が高い。これが、マントルのカンラン石が電磁波を透過する理由ではないでしょうか。
このように捉えれば、先述した疑問①(カンラン石の金属比率が高いのに透過率が高い)とも疑問②(カンラン石が結晶状態では隙間が大きくない)とも、つじつまが合います。

【まとめ】
・鉱物の電磁波の透過率は、分子間の隙間の大きさによる。
・マントルでは、カンラン石は高温高圧下ゆえにアモルファス(非晶質)状態になっており、反射率の高い金属が多いにも関わらず、隙間が大きく電磁波を透過しやすい。
・一方、地殻の玄武岩や花崗岩の主成分である長石は(石英も)、網状でしっかりした結晶状態になっており、隙間が小さく、電磁波を反射しやすい。

ということで、今回は、電磁波によるマグマ化説をもう一段深く突っ込んでいきました。
次回は、地震や火山の原因となる電磁波が、地球内部のどこで発生しているのか?に迫ります!!お楽しみに!!

List    投稿者 staff | 2012-05-12 | Posted in D.地球のメカニズム, D01.地球史No Comments » 

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