2009-02-14

地球環境の主役 植物の世界を理解する⑩ 生育圏を拡大するために果肉をつけた植物達

みなさん、こんにちは 😮 。
前回は、被子植物の「生殖過程の高度化」があって、初めて(種子や果実を食料とできる)地上性動物が成育圏を広げることができたことをご紹介しました。
 
今回は、その記事に頂いたコメントの中から
「被子植物は、どうしてわざわざ人間や動物に食べられるような果実 や種 を作るのでしょうか 。」というなんでについて考えてみました 🙄 。
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写真はここからお借りしました
http://www.koukakuen.com/archives/2005/10/index.html
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なぜ植物は「果実 」をつけるのでしょうか?。
果実は、誰のために存在するのでしょうか?。

 
 
サルや鳥、はたまた人間 のため?。
うーん、なにか違いますね(笑)。
そもそも自然界において植物が、サルや鳥のため、人間のために一方的に果実をつけてやらなければならない理由はないですよね。
植物 の気持ちになって考えてみると、彼らにとって一番大切なものは次世代をつくる種子であって、それを取巻く果肉ではありません。
では考えてみると、なぜ植物は果肉に多量のエネルギーを投資するようになった(進化した)のでしょうか?。
その答えとして、動けない植物にとって、果実とは鳥やサル達に種子を運んでもらうための報酬として進化させてきた道具なのではないでしょうか。
果実の進化の歴史スタートは、白亜紀まで遡ります。
発見された白亜紀の動物の糞化石より、被子植物は当初、現在のような硬い種皮を持たずに、薄い種皮のみをまとっていました。
そのため、種子は動物たちに餌として消化されてしまっていたのです。
 
そこで植物達は、今までは風 や水 の力を利用して、種子を遠くに運ぶ(生育圏の拡大)ために様々な形態を発達させてきた進化に加え、さらに逆転の発想を持って、動物の種子散布を実現するために硬い種皮で種子そのものを防御しながらも、動物が食べられるように果肉 をつけた果実を獲得するようになっていきました。
(植物は、動物を単なる捕食者ではなく、種子の散布者として、積極的に利用するようになったのですね!。)
その結果、被子植物と動物の共進化により被子植物の種は、爆発的に増加した のです。
(なんと20万種!。)

 
 
 
では、今度は具体的に植物と動物の進化について詳しく見ていきましょう。
 
①鳥による散布について
まず鳥は空を飛ぶことが出来ます。飛ぶためには体を軽く保つ必要があります。そのため鳥は基本的に栄養の濃厚な食物を必要とします。
そして、常に体を軽くしておく必要から、鳥はしょっちゅう糞をし、食べたものを体内に長くとどめておくことをしません。
つまり、しょっちゅう食べていなければならないのです。
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写真はここからお借りしました  
http://www.sio-site.or.jp/event/070515.html 
 
この点は、植物にとって二つの利点があるのです。
(1)体内にとどまる時間が短い⇒消化液で種子が侵される危険性が少ない。
(2)鳥との接触機会が増加する。
いいかえれば、体内にとどまる時間がそれほど長くないということは、極端な遠距離散布は期待できないけれども、植物にとって鳥は優秀な(手ごろな)散布者なのです。

  
②霊長類による散布について
①の鳥散布では、種子を大きくする、数を増やすには限界がありました。
鳥は果実をそのまま飲み込むため、種の重量はそのまま、空を飛ぶ鳥にとって負担にしかならないからです。
しかし哺乳類の場合は、種子の重量は鳥の場合に比べ、自身の体重に比べその比率は小さいため、大きな種子、たくさんの種子を飲み込んでくれる利点があります。
基本的に、種子は大型の方が発芽 の確立・成長のスピードが高くなるため、種を残すチャンスがぐっと上がる のです。
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写真はここからお借りしました   
http://jp.mongabay.com/travel/files/p7082p.html 
 
霊長類は、糞による散布のほかに、もう一つ重要な散布形式を持っています。
頬袋に様々な果実をためて(沢山の果実を食べる)、歩きながら果肉だけを食べた後、残った種子をプッと吐き出す習性があります。これが、頬袋散布なのです。
前者は親木からの散布距離は遠いけれども、散布場所数は少なく複数種の種子が混在するのに対し、後者は親木からの散布距離はそれほど長くはないが、散布場所も多く、種子は単独で地面に落とされ発芽できる利点があるのです。
 
 
あらためて、森 ・植物 の進化は、動物の進化とともにあり、植物にとって、鳥以上に霊長類の出現とは、非常に役立つ種の出現だったのではないでしょうか。
その結果が、今の僕達につながっているとおもうと、地球・植物・動物、生命の進化はまさに一体で考えていかなければなりませんね。 😮

List    投稿者 egisi | 2009-02-14 | Posted in D.地球のメカニズム6 Comments » 

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コメント6件

 伊右衛門 | 2009.10.19 22:44

日本人にとって牛の乳を飲む文化というのは、比較的新しいんですね。それも、急速に進んだのはアメリカによる洗脳・・・・やられました。
振り返ると、小学校に入るまでは牛乳は特に好きではありませんでしたが、給食で毎日飲むようになり中学生くらいになると給食以外でも好んで飲むようになっていました。牛乳神話もありますが、学校給食で毎日強制的に飲み続けた事も大きいと思います。学校教育で刷り込まれたことはたくさんありますが、牛乳もその一つなのだな~と思いました。
それにしても、厚生省・文部省のこの態度はヒドイですね。
>「成長するに従い、アレルギー反応が低下し、中学生位で解消するから問題ではない」というのが、厚生省・文部省の見解
やはり日本人の体質と食生活を考えると、学校給食こそ食育の場。これからは和食・自然食100%にすべきなのではないでしょうか?

 リンゴヨーグルト | 2009.10.20 5:50

子供の頃から、牛乳愛飲家としては、んーと唸ってしまう衝撃の内容ですね。(以前から色々なところで騒がれていたので、耳には入っていましたが(笑)。)
そもそも日本人が動物の乳を飲むようになったかの史実は、初めてよまさせてもらいました。
んー、世間一般で言われている、牛乳神話のウラにはマスコミ・市場の影のにおいがします。。。
次回も期待しています!。

 fwz2 | 2009.10.20 16:35

>それは、アメリカ人が消費する食品群の第2位を占めるといわれる巨大な牛乳・乳製品業界が、財力にものを言わせて政治的圧力や宣伝攻勢を仕かけてきたからです。上下両院議員の7人に1人がこの業界を支持基盤にしていると言われ、「ミルクロビー」が存在しているのです。<
学校給食で、おかずと味が合わずすごい違和感を感じ続けていましたが、やはり、アメリカや市場の都合で「体に非常にいい」ということになっていたんですね。食品に関する「ウソ」は色々読みましたが、これは相当な驚きです。

 leonrosa | 2009.10.20 19:05

伊右衛門さん、コメントありがとう!
団塊の世代、農村育ちなので「学校給食」とは無縁でした。だから、牛乳を飲んだのは大学進学で都会に出てきから。
学校給食が有ったなら、きっと牛乳大好き人間になっていたでしょう。(何故なら、結構ハイカラ・舶来志向が強かったので。)
今回、一番びっくりしたのは、「学校給食法」で、わざわざ、ミルク・牛乳を必須としていることですね。

 leonrosa | 2009.10.20 19:16

リンゴヨーグルトさん、コメントありがとう!
戦前は、ヤギの乳も牛乳も「病人食」だったのです。
体質的に合わなければ、即、中止なのでしょうね。
ところが、戦後の米国占領下で、GHQ指令・中央官庁・米国のものなら何でも礼賛するマスコミによって、あっという間に洗脳され、牛乳神話が作られたのです。
ヨーグルトも大好きですか?発酵させると、乳糖が分解されて、牛乳の悪さの一部が取り除かれますね。(乳糖の話は、後編で扱います。)

 leonrosa | 2009.10.22 12:26

fwz2さん、コメントありがとう!
和風のおかずに牛乳。やはり違和感があるでしょう。
給食調理室で、栄養士や調理師が、「今日のおかずと牛乳は合わないよねぇ」「でも、牛乳は、毎食出すことを前提に、冷蔵庫にひかえているし、余らす訳にもいかないし」と会話していた可能性が大ですね。
皆さん、後編もアップしましたので、読んでくださいね!

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