2008-06-21

水の特徴、物性を探る。その5 雨が降るのはなんで?(雲ができるのはなんで?)~水の凝縮(ぎょうしゅく)~

前回は、水の蒸発、液体から気体への変化を扱いました。 
 
では、逆に、気体から液体に変化するのは、なんと言うでしょう? 
 
ちょっと難しい漢字になりますが、凝縮(ぎょうしゅく)と言います。 
凝縮というと難しいですが、実は、空の上で水が凝縮しているのが、雲と雨です。 
 
ちょうど、梅雨の季節です。 
 
kaeru.jpg 
 
今回は、雨が降るのはなんで?(雲ができるのはなんで?)を扱ってみます。 
 
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雲は、空のどんなところに浮かんでいますか? 
 
手の届きそうな低いところですか?高いところですか?
やはり空の高いところに浮かんでいますね。 
 
この高いところというのがポイントです。 
 
水蒸気(気体の水)を含んだ空気の塊が、どんどん空の上の方に昇って行きます。 
 
 hsrika018001.gif 
(この絵は、 Hello School 中学理科(ハロ理科) からお借りしました。他にも動く絵があります。) 
 
水蒸気を含んだ空気の塊が、空を昇って行くと、温度がずんずん下がります。
空気の塊の温度が下がると、空気中に細かい水滴ができはじめます。水滴は、空気中の小さなほこりやちりを核として、できます。水滴は0.02mm~0.2mm程度で非常に小さく、空中に浮かんでいることができます。これが雲です。 
 
この雲の中で、水滴がもっと大きく成長すると、空気中に浮かんでいられなくなり、落下をはじめます。
これが、雨ですね。 
 
温度が下がると、なんで水滴ができるの?と思った人は、するどい 🙄  
 
温度が高いと、空気中の酸素分子、窒素分子、水分子(水蒸気)が、すごいスピードで飛び回っています。 
 
water07.jpg   
 
分子が沢山飛び回りますので、分子同士がぶつかります。
正面衝突! 斜め衝突! 追突! ニアミスも起こります。 
 
しかし、飛び回るスピードが速いので、衝突しても、分子同士がくっ付きません。くっ付いてしまわないので、気体のままです。 
 
温度が下がると、分子の飛び回るスピードが遅くなります。 
遅いスピードで、正面衝突、追突、ニアミスをした時、水分子と酸素分子・窒素分子に違いが出ます。 
 
水分子の間には、水素結合という強い力が働きます。 
 
遅いスピードで衝突すると、衝突の瞬間に水素結合の力で二つの水分子がくっ付きます。衝突の度にくっ付く水分子の数が増えていき、水滴ができあがります。 
 
water08.jpg 
 
これに対して、窒素分子や酸素分子では、水素結合のような強い力がありません。だから、遅いスピードで衝突しても、そのまま離れて行きます。気体のままです。 

【まとめ】 雲ができ、雨が降るのは、なんで? 
 
・水蒸気(水分子)を沢山含んだ空気が、高いところに昇って行き、温度が下がる。 
・温度が下がると、水分子(気体)の飛び回るスピードが遅くなる。 
・スピードが遅くなると、水分子が衝突する時、水素結合の力で、水分子がくっ付く。  
・水分子が沢山くっ付き水滴に生長すると、雲ができあがる。 
・もっと沢山くっ付くと水滴が大きくなり、雨になって降ってくる。

 
水は、地面や海面で、液体から蒸発して気体になります。(水の気化)
空の上では、逆に気体から液体に戻ります。(水の凝結) 
 
次回は、地球上の水の気化と凝結の繰り返し、水の循環を扱ってみます。 
 

List    投稿者 leonrosa | 2008-06-21 | Posted in D.地球のメカニズムNo Comments » 

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