2022-07-03
木のゆらぎが人間のゆらぎと共振共鳴して快感覚を刺激している!?
これまで、人類史に遡った木との関係や、木自体の構造に着目し、“木は人にやさしい”“木ってなんか良い”。木と人との親和性の根源を探ってきました。
前回、木細胞の中にも螺旋構造がみられることについて言及しました。あらゆる自然現象、生命原理を貫く
”螺旋構造”その構造をもつ”電磁波・波動”が生命を統合しているリンク
という視点から、木と人。ひいては生命との親和性の根源を探ってみたいと思います。
すべての生物は生体リズムを刻む時計を体内にもっていて、生命を維持しています。そのリズムは何を根拠につくられているかというと、サーカディアン・リズムです。日本語では概日リズムと言われています。これは太陽の動きを基準としたものです。
そして、人を含むすべての生物の体内リズムは、太陽からの電磁波・波動を受信しながら”1/f特性でゆらいでいる”。
そもそも、1/fゆらぎとは何か?
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「ゆらぎ理論」というのは、宇宙全体の中にあ る無限種類(10の80乗個といわれている)の基 本粒子の集合離散からなる、目に見えないミク ロの世界を私たちの感覚で“変化するもの”と してとらえていこうというものです。
玉川大学の佐治晴夫教授は「“ゆらぎ”の考え 方の基本は、変動する物理現象の中に見られる 変動そのものを追いかけるのではない。」
“1/fゆらぎ”とは何かですが、f とはフリクエンシー(frequency=周波数、振 動数)の頭文字のfです。
物理学では周波数や脳波に限らず、音、色、光 などの変化をすべて波形のグラフに描くことが でき、これを※「フーリエ変換」した値を両対 数グラフ(関数グラフの一種)に図示し、その 分布を見ることで変化を読むことができます。
このグラフでパワーレベル(P)を縦軸に、周 波数(F)を横軸に比例関数的にとり、測定した 値を点で表示して“ゆらぎ”を見ます。
“1/fゆらぎ”を図示すると、周波数が低い 部分のパワーレベルが高く、高い周波数部分 (右寄り)ではパワーレベルが低いという逆比 例(反比例)が観測されています。
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木と”ゆらぎ”の関係はどうでしょうか?
◎木材は“ゆらぎ”に満ちた最高の素材
本誌では、これまでにも木材は年輪とその木 目が“1/fゆらぎ”になっていることを書い てきましたが、もう少し掘り下げてみてみます。
まず木材を輪切りにすると年輪を見ることが できます。
この年輪は50年~100年生の人工林 材を見るとどれも同じように見えますが、地域 と立地条件、太陽の光や風、温度など自然界の あらゆる現象に左右されて育っており、一本と して同じ材はありません。
これが200年~500年と樹齢を重ねていけば、 ますます一本ずつの違いが明瞭になってきます。
人間でもこの世に似た顔の人は3人居ると言いま すがそんな人に会った人はごくまれなはずです。
しかし、木も人間も姿や形が全然違うというの ではなく、一定の基準値とか平均値があり、そ れを挟んで個々の変化があるのです。
このズレ も“ゆらぎ”であり、個々の存在を価値づけて いるのです。
この一本一本が違うというところにこそ生きて いるものの進化の秘密があるのです。
全てが、 もしくは多くが同じであるならば個の成長の必 然性は生れてこないからです。
そしてこの一本 として同じもののない木を成長させているもの こそが“ゆらぎ”なのです。
樹は、根から水を、葉から炭酸ガスと太陽の光 を得ながら、空(天)と地から無限のエネルギー をもらって成長しています。
それが大自然(宇 宙)のエネルギーで、その姿が“ゆらぎ”だと 言えるようです。
人間や動物が生きている証しとして、また大自 然から得ているエネルギーの“ゆらぎ”を生体 リズムの中に見ることができますが、樹の“ゆ らぎ”が集中的に表されているのは年輪です。
(中略)
年輪を見れば全ての部分が “ゆらぎ”、そして支え合って一本の木を形作 っていることがわかります。
木を縦に切ると、そこには年輪を主役にした 木目が見えます。
さらにそれを製材にして柱や 板や造作材などが作られますが、板状にすると その年輪の味わいが材面に表れてきます。
柾目取りと板目取りが代表的な姿ですが、柾 目の場合、主に縦に並んだ年輪の間隔の幅のズ レと一つの間隔の中でのズレ、一本の木目の太 さの微妙なズレと直線でない変化があります。
これがすべて“ゆらぎ”になっています。
この それぞれのズレが大きすぎれば、そこには柾目 としての美しさが失われ、グレードが低いと言 う評価を受けることになります。
逆に定規で測 ったか、機械やコンピューターで狂いなくを引 いたような絹糸模様と言われる姿に近づけば近 づくほど、一見きれいに見えながら、味気無さ が感じられます。
それは完全に近いほど“ゆら ぎ”が失われるからです。
板目の場合は、木目が流れていますし、間隔が 柾目以上に揃っていませんので、一見“ゆらぎ” が少ないように思われがちですが、むしろきれ いに揃っていないことで、全面にわたって“ゆ らぎ”が見られると測定されています。
(中略)
自然の造形、自然のエネルギーというのは人 知をはるかに超えていることのひとつの証しと も言え、木材を本物の存在を知ることができる のです。
このように木材は、自然が産み、人間に恵みを もたらしてくれる最良の素材で、宇宙のエネル ギーを結集した“ゆらぎ”に満ちた素晴らしい 素材なのです。
それは本質的に木材は、規格工業品や石油、 鉱物資源を原料とした資材と対比したり、価格 競争するような次元のものとは違う材料だと言 えることを示しています。
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自然界には“ゆらぎ”が満ちており、人間の生体リズムもゆらいでいて、 それがともに“1/fゆらぎ”になっている⇒その”ゆらぎ”が共振共鳴して心地良さを生むということ。
そして、木材も年輪、木目が1/fにゆらいでいる⇒人間の快感覚を刺激し、ゆら ぎの面からも木材が健康を育てる素材だということ。
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