現在は、重力宇宙論から電気的宇宙論への転換期
従来の、重力を統合力とした宇宙論では、宇宙は真空で電気的にも中性であることを前提としている。もし、電磁気力があれば、重力より大きいその力により、重力宇宙論は破綻するからだ。その理論がつくられた時代は、宇宙の観測技術も未熟で、かつ、地球大気というバリアー越しにしか観測できなかったという実態がある。
その時代でも、重力論の矛盾点を解消するため、1950年に電気的宇宙論の走りである『衝突する宇宙』が発表された。これは、世界各国の神話に共通する天変地異は、当時の人々がみた、宇宙に広がる巨大なプラズマ放電であるとし、論理が構成されている。
ここでの主題は、現在の宇宙論が描く機械のように精密な星々の運行は太古から続くものではなく、7000年前くらいには、その運航が大きく乱れ、惑星間に放電があった時期もあるというものだ。これらは当時、余りにも唐突すぎて批判の対象になっていたが、そこからインスピレーションを得て、電気的宇宙論を紡ぎあげた科学者も多数存在する。この一見突飛な論理も、彼らからは『細かな所での間違いは多々あるが、幹部分での誤りは発見できていない』と評価されている。
次に、この理論が注目されるようになった転機は、地球大気というバリアーを超えた宇宙空間から観測できるハッブル宇宙望遠鏡が、1990年に打ち上げられたことにある。それに加え、可視光線だけではなく、様々な波長の電磁波で、その実態がつかめるようになったこともあり、宇宙のフィラメント状のプラズマも含めて、電気を通す宇宙という新しい姿を明らかにした。
これにより、真空管の中の電子が移動しやすい(=電流が真空中を流れる)という地球上での事実と、真空の宇宙空間は電気を通しやすいという観測結果が繋がり、地球上の実験から宇宙を洞察する有効な方法が発見できたのである。
この結果、重力宇宙論の前提の、宇宙は電気的中性であるという内容は根拠を失い、重力よりはるかに大きい電磁気力が宇宙を統合しているのではないか?という可能性が大きく開けたのである。それに加えて、重力も電磁力の一部という可能性すら出てきたのである。
しかし、現在はこのような事実が発見されたにもかかわらず、宇宙の電気的状態がほとんど分かっていない時代に作られた重力宇宙論が学会の主流を占め、新しい理論の創造を妨げている。
それらを、例えば彗星の観測について比較してみると、
☆重力宇宙論(従来型)
彗星は太陽系形成時の塵や氷の残骸から出来ている。
その前提に、回転するガスと塵の雲から重力により太陽系の惑星が形成されたという理論があるが、そのような希薄な物質の重力が遠心力に勝って集合することの明確な説明はない。それゆえ、ブラックマターやダークエネルギーという未発見の物質やエネルギーを措定しないかぎり、この理論は破綻する。
加えて、氷が彗星の中にあるという仮定もどうなのか?真空の宇宙空間の中では、水分は素早く気化するが、これが天文学的時間のあいだ、保持されていると考えるほうが不自然。
☆電気的宇宙論(新理論)
宇宙はプラズマで充満されている状態が前提となる。
彗星は、惑星からプラズマ放電ではぎとられた岩石。
まず、彗星は太陽から離れたり、太陽に向かったりと細長い軌道を描いている。また、太陽風により作られた電荷は太陽からの距離に応じて変化するので、彗星の軌道中に電圧も変化する。そうすると、彗星は、ほとんどの時間を太陽系外で過ごしているため、その電圧は太陽系外の電圧を反映したものになる。
しかし、太陽に向かって加速し地球周回軌道に入ると、太陽系の電圧が急激に変化しているので彗星はそれに対応して放電を始める。その放電が、コマ(ラテン語の髪)や尾である。
それが観測されたのは、2005年には探査機ディープ・インパクトの探査対象となり、意図的に衝突体を衝突させて彗星の衝突の映像が撮影されたテンペル第1彗星。
目的は重力宇宙論からの予測である、物質が氷なのか、塵なのか、岩なのかを判断すること。方法は、金属塊(銅)をぶつけ、クレーターができ、それを通過した探査機が撮影することで、衝突クレーターの大きさから彗星の組成を判断するというもの。
そこで起きたことは、
①重力宇宙論の予想に反して、最初に閃光、続いてメインの衝突があり、そのエネルギーが強すぎていくつかのセンサーがほとんど無力にされ、通過した探査機はクレーターの写真を撮るという本来の目的を達成できなかった。
②非常に細かく分割された物質、ほこりのような物質が放出された。これは、天体望遠鏡の鏡などに金属をスパッタリングする際に使われる技術で、放電技術が使われているものと同じ現象。
これらの現象は、電気宇宙論の科学者の予測通りだった。金属塊は、衝突前に放電現象により膨大なエネルギーを放出し、それにより、スパッタリングのように岩石を埃のレベルまで粉々にした。つまり彗星のコマも放電現象と考えるほうが自然なのだ。
次に、神話に戻る。
『衝突する宇宙』では、金星(地球の太陽側にある惑星)から地球への放電現象による天変地異の恐怖が、世界の神話の原型にあるという論理だ。この神話と絵柄についてはかなりの調査がすすみ、納得できる論理まで行き着いている。そこで宇宙空間に出現するプラズマが、雷電や二匹の互いに巻き付いた蛇のように見え、蛇を退治する剣が雷電であるという概要だ。
実際、実験室のプラズマ放電では、このような『神話上の絵柄と極めて近い形が形成される』。先の彗星の話に戻ると、神話の原型では金星も彗星と書かれているが、当時は彗星と惑星は同じものとして表現されていた。
これらを、重量宇宙論から見ると、なんと唐突な話だ、ということになるが、
現在の観測で、それほど大きくないにしても『彗星のような尾を引く金星の電離層』が、太陽風に沿って形成されていることが観測されている。これは、プラズマシースと呼ばれる、太陽と反対がわに、太陽風中の電荷が尾を引くように集まる、地球でもみられる現象に似ている。
また、地球と金星の距離は非常に大きいが、地球の外側の惑星間の距離に比べればはるかに小さい。また、太陽活動も一定ではなく、今よりはるかに活発に活動する時代があったとすれば、金星の尾も長くなる。また、惑星軌道自身も変化した可能性もある。
ここで、太陽と金星と地球が直線状に並ぶ時期があれば、金星の帯電した尾は地球に放電現象を起こした可能性は否定できない。現に、金星にも地球にも放電現象で出来たとしか思えない、削られた山脈は数多く存在する。
これは、電気宇宙論の一部だが、重力宇宙論に比べ整合性がたかく、また、古来の神話や、なぜ、点の集まりでしかない星空の中に、普通では繋がらない姿の星座を見出したのか、という現代人からすると理解しがたい意識も説明がつく。さらに追求していきたい。
参考
☆ものセラ|神々のサンダーボルト
☆電気的宇宙論 ウオレス・ソーンヒル、デヴィット・タルボット著
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2021/12/5684.html/trackback