木をはじめとした植物の二次細胞壁の分子構造と機能~ミクロの螺旋構造~

画像はコチラからお借りしました。
木と人。生命との親和性の根源を探る続編です。
前回は”螺旋構造”その構造をもつ”電磁波・波動”に着目し、木が持つ1/fゆらぎが共振共鳴して心地良さを生むこと。
木材も年輪、木目が1/fにゆらいでいる⇒人間の快感覚を刺激し、ゆら ぎの面からも木材が健康を育てる素材なのではないかというのが見えてきました。
より自然だからこそ、力の吸収・拡散において圧倒的な効率を生み出す螺旋でも追求されているように、螺旋構造が持つチカラも木が人にもたらす潜在的な影響に関係しているのではないか。ミクロの視点で木の構造を見てきたいと思います。
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植物細胞壁:細胞壁形成の設計図
転写制御機構
陸上植物の細胞壁は一次細胞壁と二次細胞壁に大きく二分される.すべての植物細胞がもつ一次細胞壁は,セルロース,キシログルカンなどのヘミセルロース,ペクチンの3つのグループからなる多糖類と構造タンパク質から構成され,植物細胞全般的にその形や生理学的機能を制御している.これに対して二次細胞壁は,セルロース,主にキシランなどのヘミセルロース,そしてリグニンを主要な構成成分とし,維管束組織や表皮組織などの一部の組織・細胞で特定の発生段階で形成される.
二次細胞壁は,細胞に機械的な強度や化学的・生化学的な抵抗性を付与することで,「植物体の物理的な支持」,維管束組織における「水の輸送」と表皮組織における「水分の損失防止」といった植物の陸上化・大型化に必要な機能を担っている.一次細胞壁成分の分子構造や機能については,本セミナーシリーズの第1回目で詳細に解説されているので,今回は主に,二次細胞壁の分子構造と機能,および細胞壁生合成の転写制御について解説する.
■二次細胞壁の分子構造と機能
二次細胞壁は主に,維管束組織や表皮組織などの機械的な強度が必要とされる組織の一部の細胞に発達する.樹木で木材を構成する維管束木部組織の道管や繊維細胞がその代表例であり,二次細胞壁は伸長・拡大成長が終わった細胞において一次細胞壁の内側に形成される.一般に二次細胞壁にはフェノール化合物であるリグニンが含まれており(木材の二次細胞壁では20~30%),セルロースやヘミセルロース同士を架橋することで二次細胞壁にさらなる物理的・化学的な強度を与えている.このように書くと,「二次細胞壁とはリグニンを含む特殊な細胞壁」との定義になりそうだが,ワタの胚珠の表皮細胞から分化する繊維細胞(いわゆる綿繊維)の二次細胞壁はリグニンを含有しないし,傷害やUV照射などのストレスによって一次細胞壁にリグニンが沈着することもあることから,必ずしも二次細胞壁=リグニンが成り立つわけでない.比較のために一次細胞壁の構造を見てみると,一次細胞壁ではセルロース微繊維が骨格となり,ヘミセルロース(主にキシログルカン)が複数のセルロース微繊維と水素結合で接着することでセルロース微繊維間を架橋している.さらに,セルロース微繊維とヘミセルロースの間隙をゲル状のペクチン分子が充填している(図1A).
(中略)
さらに,傾斜地に生育する樹木の幹や枝においては,特殊な二次細胞壁をもった「あて材」と呼ばれる特殊な材が分化する.針葉樹では傾斜の下側に,セルロース量が少なくリグニン量が多い二次細胞壁をもつ「圧縮あて材」が作られ,広葉樹では傾斜の上側に,セルロースを主成分としてリグニンをほとんど含まない「ゼラチン層(実際にはゼラチンを含むわけではない)」と呼ばれる細胞壁をもつ「引張あて材」が作られる.このような二次細胞壁の組成の違いがそれぞれの細胞の機能の違いを生んでいると思われるが,その実態はほとんどわかっていないのが現状である(1).
二次細胞壁の組成の違いに加えて,細胞の種類によって二次細胞壁の形態(パターン)も異なる.図2は木部繊維細胞,仮道管,道管の構造を示している.木部繊維細胞の形は両末端が先細り(テーパー状)の紡錘形になっていて,その全面に二次細胞壁が沈着している(図2A).木部繊維細胞も最終的に細胞死を起こし死細胞として植物体を支える役割を果たすが,仮道管と道管は,その分化の途中に,はっきりとしたプログラム細胞死によって死細胞となる点が大きく異なっている.仮道管の形は木部繊維細胞と同様に紡錘形で,隣接した仮道管の間に壁孔(へきこう)と呼ばれる二次細胞壁の沈着が起こらない部分が多数あり,これを通して隣の細胞へ水が運ばれる(図2B).一方で道管は紡錘形ではなく筒状の形をしていて,効率的な水の通導のために,上下の細胞のつなぎ目には穿孔(せんこう)と呼ばれる大きな孔が空いている(図2C).また,道管の側面の二次細胞壁のパターンは環状,らせん状,網目状,孔紋状など多様である(2).一般に,各植物器官の発生の初期には作られる原生木部の道管は,周りの組織の成長に伴って伸びることができるように環状やらせん状の二次細胞壁をもつ(図2D).一方で,発生後期に作られる後生木部の道管は二次細胞壁を網目状や孔紋状にすることで,より強固な構造をもつ(図2E).
図2■二次細胞壁をもつ細胞の模式図
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人類の祖先である大型類人猿から木との関係があるからこそ木と人は親和性がある!?でも木は簡単には折ることができないとしていましたが、その中身は木が持つ螺旋構造もひとつの要因であること。
自然の摂理に則った螺旋構造を木も持っていることにより、エネルギーを受信・発信し続けているのではないかということがわかってきました。
その螺旋構造によるエネルギーとゆらぎとの関係はあるのか?は今後追求していきたい内容です。
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