2011-12-21

恵みの雨も、土壌によっては仇となる

先日、東南アジアに行ってきました。その時の気付きをお伝えします。
行き先は、シンガポールとジャカルタでした。
クリックすると大きくなります。
日本から5時間の移動後に降り立ったのは、シンガポールのチャンギ空港。
11月末だというのに、気温は25~35℃で雨季。緑が生き生きしていました。
熱帯雨林気候というのは、こういう気候なのだ、と思いました。
◆熱帯雨林にも、マダラ模様に土気色が混じるのは、何で?
3日目には、ジャカルタに飛びました。昨日の景色と何か違う。
シンガポールより、赤茶けた土気色が目立つように感ずるのです。
帰国してググッてみると・・・、
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東南アジアの雨温図(気温と降水量のグラフ)」より
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   ▲熱帯雨林地気候(Af)     ▲熱帯モンスーン気候(Am)
熱帯雨林気候(Af)の世界的な分布」より
熱帯モンスーン気候(Am)の世界的な分布」より
中段のグラフは、おなじみの「雨温図」です。シンガポールとジャカルタは、平均気温を見るとほぼ同等です。しかし降水量のグラフを見ると、明らかな違いが見て取れます。シンガポールは、熱帯雨林気候(Af)のそれですが、ジャカルタのグラフは熱帯モンスーン気候(Am)の特徴を鮮明にしています。
下段の図版でも明らかなように、「熱帯雨林気候」の中に「「熱帯モンスーン気候」が割り込んで点在しているのが見て取れます。それは現実を見事に反映しているようです。(ケッペンの気候図は、メリハリのハッキリした気候特性を表現するのには向いているようです。)
現地で感じた違和感は、そこにあったようです。
通りすがりの『異邦人』にとっては、変化する一場面しか見れませんが、注意深く景色を読み解けば、潜在思念が発動するのかも知れません。

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◆Wikipediaによれば、
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《 熱帯モンスーン気候 》
【特徴】:赤道から北回帰線の間、モンスーンの影響を受ける海岸部に分布。雨季の雨量は熱帯雨林気候と変わらないが、モンスーンの影響による乾季があり多少乾燥する。植生はおもに落葉広葉樹からなる。
【地域】:赤道・低緯度地域に点々と分布する。熱帯雨林気候からサバナ気候への移行地域となる。典型的な都市は、ジャカルタ(インドネシア)など。
【土壌と植生の特徴】:ラトソル(*)や赤色土が多い。東南アジアやオセアニアなどの火山地域では火山灰なども多く含まれている。乾季の乾燥のため、乾燥に強い落葉広葉樹林(雨緑林)が多く分布する。東南アジアやマダガスカルでは、雨季に稲作を行う。地域によっては、水を確保するためにため池や棚田などが作られている。

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(*)ラテライト(Wikipedia)
ラテライト(英: laterite)は、成帯土壌と呼ばれるもののうち、湿潤土壌に分類される土壌のひとつである。ラトソル、ラトゾルまたは紅土とも呼ばれる。
サバナや熱帯雨林に分布する。地表の風化物として生成された膠結物質(粒子間に鉱物が入り込み、それが接着作用をしたもの)である。雨季に有機質が微生物により分解することに加えて珪酸分や塩基類が溶脱したことにより残った鉄やアルミニウムなど金属元素の水酸化物が表面に集積して形成される。
構成鉱物は主に針鉄鉱、ギブス石、ダイアスポアなどで、インドシナ半島およびインド、キューバなどサバナ気候地方に広く分布している。やせ土なため農業には向いていない。

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雨は、生物にとってはなくてはならないものですが、ラテライト土壌の場合は、表面が硬化して植生にとっては仇となるようです。植相の貧弱な紅土のエリアがそれを示していたのです。
気候図を手掛かりに、農的な潜在力を推し量るには、土壌の評価というファクターが不可欠なのだ、というのが気付きでした。
こうしてみると、亜熱帯から亜寒帯に及ぶバラエティに富んだ気候帯を有し、水と緑に恵まれた日本国土は農の再生の可能性を秘めているように思います。
   by びん

List    投稿者 staff | 2011-12-21 | Posted in D.地球のメカニズム, D05.自然災害の予知No Comments » 

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