【電磁波】蛍光灯から見るエネルギー伝達の流れ ~目に見えなくともエネルギーは存在する~
☆☆☆はじめに
前回は【電磁波】電磁波の人体への影響~携帯電話の危険性は電子レンジの比ではない!(リンク)で携帯電話、電子レンジ等々、現代人にとって手放せない機器について追求しました 🙂
そして身の回りで電磁波を発している機器はほかにも数多く存在します
ところが、電磁波は目に見えません。そのため、例えば電気というエネルギーがどのように光という電磁波に変わっていくのかを知っている人はかなり少ないです
その結果、電磁波が作り出す様々な利用価値や、その反面でもある人体への影響などを推測する基礎概念がない状況にあります
そこで今回は、その中でも家や学校、職場などでおなじみの、電磁波の応用である『蛍光灯』について、電気エネルギーが光になるメカニズムを見ていきたいと思います。
☆☆☆蛍光灯のメカニズム
蛍光灯は大きく分けると端子、電極、ガラス管によって構成されています
ガラス管内は真空でアルゴンガス(混合希ガス)と少量の水銀の気体が入っており、内側に蛍光物質が塗られています。この蛍光物質によりガラス管が白く見えるのです
では通電するとどうなるのでしょうか
蛍光灯に電流が通った際、フィラメント(=金属)に含まれている自由電子が電流(電子)によって動かされ、動きが活発になり、電子のエネルギーが高くなります
一定以上のエネルギーを持った電子は原子から離れ、飛び出します。
フィラメントから飛び出した電子はガラス管内に入っている水銀原子にぶつかります。
ぶつけられた水銀原子内では、電子が高いエネルギーを受け、原子核から遠い外側の電子殻に移ります。
そして、本来そこにあるべきではない電子は内側の殻に戻ろうとします。外側の殻に移った電子が再び内側の殻に移るとき、電子殻のエネルギー差を電磁波として放出します。
水銀の場合、このエネルギー差による電磁波が紫外線です。
ところが紫外線は目に見えません。目に見える光(可視光線)にするには次のような経過をたどります。
つまり、紫外線以外の波長も出ていますが、最も発せられやすい波長が紫外線なのです
そして、放出された紫外線は、蛍光塗料に照射されます。実は蛍光塗料内でも水銀原子で起こった現象と同じようなことが起こっています
蛍光塗料内の電子は紫外線を受け、外側の電子殻に移動し、再び元の電子殻に戻ります。このときのエネルギー差により放出される電磁波が可視光線として空間を照らします
このように蛍光灯は通電によって電子が飛び出し、そのエネルギーを受けた水銀が発する紫外線が、蛍光塗料を輝かせて初めて光として見えるのです
☆☆☆エネルギーは伝達されている
これらの現象をエネルギー面から見てみるとどうなるのでしょうか
フィラメント内部で電気エネルギーは電子の振動数を高め、電子を放出します
高いエネルギーを持った電子は水銀原子にぶつかることで水銀の電子にエネルギーを伝達します
ぶつけられた水銀原子内では、電子が電子殻を移動することでエネルギー差が生まれ、紫外線が発せられます
これにより電子のエネルギーが光エネルギーに変換されていることが分かります
紫外線は蛍光塗料に照射され、蛍光塗料内の電子が電子殻を移動することで可視光線が発せられます。可視光線は紫外線に比べ、波長が長くなっているため、エネルギーとしては低くなっていますが、しっかりと伝達されています
☆蛍光塗料が塗られていないとどうなる?
蛍光塗料がないと、蛍光灯はただ単に紫外線を発生させる装置となります。
しかし、これを利用した物がブラックライトです
蛍光塗料を手に塗っておけば、ブラックライトを照射することで初めて光ります
つまり、蛍光塗料がガラス管内に入っていなくても、紫外線によるエネルギー伝達は行なわれているのです
又、蛍光灯を通電させなくても光らせる方法があります
それは電子レンジで温めることです。しかもこの方法は普通に通電させるよりも強く発光します
電子レンジから発せられる電磁波により水銀原子にエネルギーが与えられ、紫外線を発します。エネルギー量が大きいため、蛍光塗料も強い可視光線を出すのです
☆☆☆まとめ
このように蛍光灯内では目に見えない様々な現象が起こっています
エネルギーの伝達という側面で見ると蛍光灯ならば、ブラックライトや電子レンジのように、色々なところからエネルギーを受けて光ります
蛍光灯に限らず、身の回りの見えない電磁波や放射能等も、エネルギー伝達によって何らかの影響を与えていると考えられます
つまり、電磁波の人体や物質への影響を考えるためには、エネルギーの放射と吸収という原理に沿って、その影響を分析する必要があることが分かりました。
次回からはこの原理に沿って、様々な対象を分析していきたいと思います
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