2010-12-08

豊かさ期待とは何か?3 特権階級はどうやって生まれたか?

前回は、私権意識はどうやって成立したか、を扱いました。
もともと人類には私有という考え方がなかったが、乾燥で食うに困った部族が略奪闘争を始め、これを契機に私有意識が生まれたというところまででした。
 続いて今回は、その私権意識が「身分制度としての特権階級を生み出す過程」を追ってみたいと思います。
 「特権階級」とはどんな人達でしょうか。
大辞林によれば、「社会において、一般の人のもてない政治的・経済的な支配権や優先権など、特別な権利をもっている人々。中世の貴族や僧侶、近代の資本家など。」 とあります。
ではこれらの人々は最初はどうやって「特別な権利を持つ」ようになったのでしょうか。
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1789年5月5日、ヴェルサイユ宮殿で三部会開催。
僧侶、貴族、有力平民によって構成された。絵画は下記よりお借りしました。
フランス革命大解剖 三部会の議場
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るいネットから引用します。
9/23なんでや劇場 (2)

【4】【5】武力支配時代、私権闘争⇒身分闘争への先端収束
その後、約6000年前に乾燥化を契機としてイラン高原の遊牧部族が略奪闘争を始める。略奪闘争が玉突き的に伝播して、勝ち抜き戦の果てに成立したのが武力支配国家である。そこで各部族を統合するための統合機関(軍と官僚)と身分制度が形成されるが、この両者には違いがある。貴族という身分は、元々は各部族を服属させるために、その長に身分(爵位)を与えたのが始まりである。それに対して軍・官僚ははじめから中央お抱えの統合機関である。もちろん、力の弱い者は強い者に従うという力の序列原理で統合されている点は軍・官僚も服属部族も同じであり、共にその内部は身分序列で統合されている(注:私権闘争を制圧するのは力の原理しかなく、私権闘争を統合するのは序列原理しかない)。
①貴族や官僚という身分は私有権を包摂しており、かつ、身分は下層民に対する支配権という単なる私有権を超えた権力を持つが故に、武力支配国家における私有闘争は身分闘争へと先端収束してゆく。
②そこで貴族たちは働かなくても生きていける特権を獲得するので必然的に堕落する。それでは国家を統合できないので、有能な人材を統合機関に登用するための試験制度(科挙etc)が導入されるが、結局は特権階級たちが独占し庶民には無縁な世界であった。
この①②が武力支配国家に固有の私権闘争の特徴である。

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宋時代の殿試(科挙の最終試験)の情景 (ウィキペディアより)
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退廃期のローマ人たち トマ・クチュール
ちょっと退廃しすぎですが・・・。絵画は下記よりお借りしました。
中世を旅する フランス旅行記(パリ)
                                                                 
支配者が服属した豪族に貴族の身分を与え、一方で有能な人材を官僚として登用する。
これが特権階級の始まりです。

 特権階級としての貴族や官僚などの身分が生じると、彼らが望む贅沢品をあつかう商人が現れ、王宮の周りに人が集まり商品市場が生まれ、やがて都市が出来ます。そして市場が拡大して飽和状態を迎えると、今度は広告宣伝による幻想の価値を梃子にして消費社会が拡大していきます。
そして時代が進むと特権階級のありようもまた変化していきます。

 市場拡大国家、世襲身分の残存と学歴身分の確立
個人間の私益獲得競争を活力源としたのが市場拡大社会だが、序列原理によってしか統合されない点は変わりがない。但し、私権闘争を推奨する市場社会では至る所で問題が発生するので、統合機関が肥大化し、貴族身分に代わって学歴身分が確立=共認されてゆく。
学校教育では「近代になって身分制度は解体された」と教えられるがトンデモナイ騙しである。未だに私有権も世襲制もそのままであり、世襲身分という権力の源泉部分はそのまま残存し続けている。私益競争の社会である以上、お金が有ると無いとでは大違いであり、お金があれば何でもできるが、お金がないと何もできない。しかもそれは世襲されている。これは身分社会そのものではないか。
そこに学歴身分が新たに加わった。これは武力支配時代の試験制度から登場したものだが、近代までは試験制度で特権を獲得する者は少数であった。ところが、’80年頃大学進学率が50%を超えた頃から学歴身分が絶対化してゆく。そして、東大・京大卒が学者・法曹・官僚・マスコミ人となって暴走を重ねているのが現在である。 

 現在、特権階級の地位にあるのは学歴社会で身分を得た学者、官僚、マスコミ人という人たちです。
この人たちは今も景気回復や消費拡大を唱え、過剰消費を推進し続けています。
そして多くの普通の人々もなんとなくその流れに乗って過ごしてしまっているのではないでしょうか。
しかし冷静に考えれば、永久に続く消費の拡大などなく、同時に限界を超えた環境破壊の拡大が続けられる余地などないことは直ぐにわかることなのです。

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