2022-06-02

人も、土も、植物も、同じ構造で成り立っている~多種多様な菌との共生に成り立つ生命

コロナ禍以降、ウイルス、さらには菌に敏感になり、マスク・手洗い・うがいの徹底だけでなく、何かとアルコール消毒することが常態化しつつあります。外遊びをしていても、土=菌がたくさんいる=汚いという認識を持っている人も多いのではないでしょうか。

 

菌を排除することが本当に人にとって良いものなのか?人や土、菌の構造を分析することで検証してみたいと思います。

■そもそも人には何兆個もの細菌が共生している

実は、細胞の数よりも、共生する最近の数の方が多いとされています。その数、腸だけで100兆を超えます。

この菌はどこからきたものなのか。実は、腸内細菌の祖先は土壌菌と呼ばれる、地球上で最も多種多様な生物が暮らす表土由来の菌なのです。

 

腸内細菌は、人の祖先が食べ物と共に土壌菌を取り込み、腸にすみついた内細菌が、定着して受け継がれたものとされています。

現代の農作物においても、土壌菌は付着しています。表面だけでなく、全体に億単位で!

世界各地には、栄養豊富な土を食べる「土食文化」があり、今でも残っていることも有名です。もちろん、土食文化により病気になることはないようです。

細菌では、身近なところでも、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスにかわる、土壌菌サプリメントも登場しているそうです。

 

体内に取り込んだ食べ物の分解・発酵を行うという役割から見ても、(腸内)細菌は人にとって親和性の高いものであり、欠かせないものと言えます。

 

★闇雲に抗菌するのは毒

「汚い」「危険」と観念的に菌を徹底排除してしまうのは、異常な状態。実際、抗菌薬・抗菌石鹸等がアレルギー性疾患の原因になる可能性についての報告が出されています。

※今回は割愛しますが、むしろ幼児期に多様な菌と触れ合うことの推進、より良く腸内細菌を育むために母乳が注目されつつあります https://toyokeizai.net/articles/-/281902?page=4

 

■人も土も植物も、同じ構造で成り立っている

 

人が腸内細菌を介してはじめて栄養を確保できるように、土も、植物も、細菌によって支えられています。

土には落ち葉や生物の死骸が落下、分解されることで土の素ができ、それを土壌菌が食べて分解・発酵することで腐植土となります。その腐植土がミネラル分と混ざると「土」になるのです。

 

土の通気性・保水性を保たせているのも実はフミル酸やフルボ酸という土壌菌由来の腐植酸だそうです。

そのため、たった1gの土には、100億〜1000億個、6000〜5万種類ほどの土壌菌が暮らしているとされています。

 

植物は、実は土壌菌がないと十分な栄養も水も得ることができません。

根の周りに大量に共生している土壌菌が、病原性の微生物から守り、空気中の窒素を栄養に変え、供給しているのです。これは人間の腸内細菌による免疫力の構造と全く同じ構造。

さらには、菌根菌という菌類の一種が土の中にある水脈と根をパイプのような役割をして、植物に水を供給しているそうです。

 

土も、植物も、人と同じ。だからこそ、どこか親和性があり、人を惹きつける。

それらを繋げていたのは、目に見えない菌たちだった。

だからこそ、観念的に汚い、危ないと、菌を、土や植物を遠ざけ、排すのではなく、

如何に豊かに交わるか、より受け入れるかを考えていかないといけないのではないでしょうか。

  投稿者 sibata-h | 2022-06-02 | Posted in G.市場に絡めとられる環境問題No Comments »