偏西風と貿易風が逆向きにふく理由
日本に住んでいると偏西風を耳にする機会が多いと思います。
これらは恒常的に西から東へふくことが共通しています。これらのように年中通してふく風を恒常風と呼びます。偏西風は緯度30°~60°付近を流れています。
他の恒常風としては0°~30°付近を東から西へ流れる貿易風があります。
このあたりは以前のブログ「風がふくのはなんで?(4)~貿易風や偏西風が生まれる構造~ – 地球と気象・地震を考える (sizen-kankyo.com)」でも詳しく紹介しているので、そちらも覗いてみてください。
ここで疑問になるのが同じ北半球でも偏西風は西から東へ流れているのに対し、貿易風は東から西へ流れている点です。ここにはどんな理由があるのでしょう。
恒常風が生まれる原理としては赤道付近の熱せられた空気が上昇気流をつくることがカギを握っています。上昇気流によって赤道付近は低気圧帯
をつくります。
その低気圧帯に北半球であれば北方から風が流れ込みます。
流れ込む風は地球の自転によって生じるコリオリ力の影響を受け、東から西へ流されます。これが貿易風です。
一方、赤道から上昇した気流は緯度30°付近で降下し、亜熱帯高圧帯を形成。ここから北方へ流れ込む風がコリオリ力によって西から東へ流れます。これが偏西風です。
要するに赤道からの上昇気流によって生じる緯度30°毎に生じる気圧差が逆の風の流れを生むのです。
次はなぜ緯度30°付近で降下を始めるのか追求していきます。
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