「ドル基軸の崩壊」と「ベーシックインカム」の潮流は、環境破壊の原因である市場拡大を抑止するか
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昨年も様々な事があり、時代の急激な変化を感じます。
そのなかでも注目しているのが、①ドル基軸通貨の崩壊、②ベーシックインカム。
アメリカは、ドル基軸通貨体制によって自国以外の国を金融植民地として支配してきましたが、その結果、現在、世界の外貨準備の6割程度が米ドルで保有されています。そのドル崩壊が迫っています。
ドル基軸によるアメリカ覇権に対し、ロシアと中国という大国が反ドルのタッグを組み、ドル本位制を切り崩そうとしているのです。
ロシアは、プーチンが2003年に金貸しが支配する新興財閥からロシア経済の主導権を取り戻し、2014年には「ユーラシア経済連合」を立ち上げました。
中国は、2001年に「上海協力機構」を立ち上げ、2005年に胡錦濤が国家中央軍事委員会主席・党総書記・国家主席の三権を獲得して金貸しと関係が深い江沢民の院政を排しました。そして、習近平が2013年に「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を立ち上げ、アジア開発銀行に対抗しようとしています。
さらに、BRICSが、2014年に独自の資本金をもつ「BRICS新開発銀行」を新設し、IMFと世界銀行に対抗しようとしています。
ここにメルコスール(南米共同市場:南米諸国の関税同盟)も合流しつつあります。
この動きのうえに、世界最大の原油生産国であるサウジアラビアの動向が慌しくなっています。
1932年に建国されたサウジアラビアは、中東そしてOPECにおいて最もアメリカ従属国です。そのサウジアラビアにおいて、アメリカ従属の王族が一気に排除されだしました。
サウジアラビアが反米→反ドルに立ち、人民元を原油決済通貨として受け入れるようなことにでもなれば、ドルが基軸通貨の位置から転落する動きは一気に加速します。
この動きは、アメリカの債務不履行→ドル崩壊に備え、ドルで保有している外貨準備高を他の通貨に分散しようとする動きですが、本質は、‘71ニクソン・ショックを口実にブレトンウッズ体制(金本位制)を崩壊させ中央銀行による不換紙幣ドルの発行という、実体のない騙し経済の終焉を意味します。
そしてそれは、反金貸し・民族派の反旗であり、十字軍以降の約1000年間の金貸し支配からの脱却です。
貧困が消滅した現在、自分のための豊かさ実現の活力が喪失し、「地域を守る、社会を守る」、「社会の役に立ちたい」、「人々の期待に応えたい」という新たな活力源の潮流が顕在化しています。
「ベーシックインカム」は、この潮流を後押しすることが期待できます。
脱・金融市場として、不換紙幣ドルから実体(金)に裏付けられた経済システムへの転換。
更にその先の新たな社会への導きとして、ベーシックインカムの潮流があるような感覚があります。
これまでの私有を前提にした働き方・生き方から、「人々の期待に応える」ことを活力源にする新たな働き方・生き方への転換。
また、人々の期待に沿って「必要か否か」の判断が洗練されてゆくことで、環境破壊の行過ぎた市場主義から自然に同化した生産への転換。
以下、リンクより引用
ベーシックインカムは、誰もが飢えずに生きる社会をデザインする ①:税金は生前より死後とるのがいちばん効率いい
小飼 弾さん(プログラマー・投資家) へのインタビュー記事です。リンク
小飼さんは、1969年生まれ。1999年にはオン・ザ・エッジ(現ライブドア)のCTO(取締役最高技術責任者)も務めています。
「時代の変化は、物があまり出した1969年頃にある」という状況認識をお持ちで、『働かざるもの、飢えるべからず。』というタイトルの著書を出版し、その中で国民の最低限所得を補償するベーシックインカムについて論を展開しています。
リンクより抜粋
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○長らく為政者による自己責任の強調で、社会的貧困が放置されていましたが、そろそろ冷静に社会制度を見直してもいい頃だと思います。小飼さんは昨年末、『働かざるもの、飢えるべからず。』を書かれ、その中で政府が国民の最低限所得を補償するベーシックインカムについての持論を展開されています。社会から貧困をなくし、まずは飢えずに済む制度を整えるべきだ。こういう発想をするようになったのはなぜでしょう?
『以前から税金は生前より死後とるのがいちばん効率いいと思っていました。つまり遺族ではなく社会が遺産を相続する形にする。
毎年約110万人の方が亡くなっていますが、そのうち高齢者が使い切れずに残していく財産が年間80兆円。仮にこの遺産相続人を国民全員にした場合、年間1人あたり64万円、月々にすれば約5万円が給付可能と試算できました。じゃあ相続税100%の財源でベーシックインカムができるのでは?と思ったことがきっかけで、この本を書きました。』
○専門外の分野でしょうから、独自の調査を相当されたのでしょうか?
『あまり資料がなかったし、そもそもすでにある資料の中から考える発想がありませんでした。僕が考えたのはこういうことです。
月5万円をベーシックインカムとして国民に配るとすれば、72兆円かかります。巨額さに驚くかもしれませんが、実は72兆円という金額は、日本政府の扱うお金としては大金とはいえません。政府が社会保障のために配っているお金は年間80兆円くらいです。』
○亡くなった方の残す遺産の額に相当しますね。
『はい。先述したように国民全員を相続人にした場合、年間1人あたり64万円ですから、4人家族であれば合計256万円。この額は2008年の世帯年収の中間値である443万円の半分を超えています。OECDによる相対的貧困とは、年収がその国の中間値の半分を下回ることと定義されているので、ベーシックインカムが実現されると、2007年の時点で15.7%あった相対的貧困率は事実上ゼロになります。』
○高齢者に集中したお金を相続税100%によって取り上げ、ベーシックインカムの財源とする考えには、富裕層からの反発があると思います。
『死ぬまでは好きに使っていいんですよ。死んで使い切れない分だけ政府が取り上げるだけです。
お金持ちのいちばんの問題は、お金を使わないことなんです。貧乏人のほうが何かと足りていないわけですから、生きている間、お金を必要なものに有効に使い切りますよ。
日本は60歳より70歳、80歳のほうがお金を持っています。年寄りは欲も減って、お金を使うのが下手になりますし、さらに70歳になっても老後が心配という世相があるからお金を減らしたくない。
お金が減ることを気にする方に言うのならば、ベーシックインカムを実行すれば生きている間、税金は安くなります。
2009年の法人税は15.6兆円、所得税は10.5兆円、消費税は10.1兆円ですが、僕の試算ではこれらの税金をチャラにしても、さらに10兆円程度あまります。
ボトムラインとして消費税と法人税を廃止して、所得税だけはプールしておくのもいい。優良企業と資産のある個人を日本に引きつける力になるでしょう。』
○つまり、小飼さんの発想とは、社会そのものを豊かにすることで、個人間の格差はあるとしても、社会的資源に個人がアクセスすることにより、飢えて死なずに済む。所有ではなく資源を自由に利用する社会をデザインしたい、ということですか?
『そうです。生きている間、どれだけ「この金も土地も俺のものだ!」と思っていても、死んだら使いようがないでしょう。
さらに踏み込んでいえば、「俺のもの」といえるものなど、現実にありません。すべて自然から借りたものを利用させて貰っているだけで、本質的に所有などしていません。
人は永遠に生きることはなく、命もいわばレンタルに過ぎない。そこまで考えてくれなくてもいいのですが、とりあえず「生きている間は使いたい放題。死んだら政府に納めたほうがトク」と思って欲しいです。』
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