人類は「磁覚」を持っていた
「磁覚」いう言葉を知っていますか?
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感に加えて、第六感として注目を集めているのが「磁覚」です。
磁覚とはどういったものなのでしょうか?
地球は北極がS極、南極がN極の巨大な磁石で、位置に応じて方向が異なる地磁気を帯びている。
渡り鳥は地磁気を感じる能力をコンパスのように使って方位を正確に把握し、季節に合わせて移動している。
人間の感覚は視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感だけで、磁気を感じる力はないとされていた。
研究チームは地磁気を遮断した室内で、日米など18~68歳の男女34人の頭部を地磁気と同程度の強さの磁気で刺激する実験を行った。
その結果、磁気の向きに応じて無意識のうちに脳波が異なる反応を示したことから、人間は地磁気を大まかに感じ取る能力を持つと判断した。
地磁気を感じる「磁覚」は渡り鳥のほかサケやミツバチなど多くの動物が持っており、人間も以前は持っていたが退化したとみられている。
ただ、人体には磁気を感じ取る働きがあるとされるミネラルやタンパク質が多くあることから、利用できなくても感じ取る力は残っていたらしい。産経新聞 2019年3月19日より
『地球を取り巻く地磁気とは? 生命の根源のエネルギー!』より引用します。
地球の地磁気
私達が住まう地球は、約46億年前に誕生した太陽系の惑星の一つです。
太陽系には地球を含め、火星、水星、木星、金星、土星、天王星、海王星の8つの惑星があります。
今のところ、生物が存在していることが分かっている唯一の惑星が地球です。
今後、さらに技術が発展すると、他の惑星でも生物が発見される可能性は否定できませんが、なぜ地球だけに生物が存在しているのでしょうか?
おそらく多くの方は、地球の水、大気、太陽の存在を思いつかれたでしょう。
地球は地表の約70%が海に覆われている水の惑星ですし、地上から約500kmにも及ぶ大気圏は有害な紫外線や電磁波を遮り、太陽の熱を生物にとって快適な気温に保ちます。
地表に近い部分には窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴンなどで構成されている空気もあります。
また、太陽の光は植物の光合成を促して生態系を維持しているだけではなく、太陽の光を浴びると私達の体調は整えられ、体内ではビタミンDという栄養素も作られます。
水、大気、太陽のどれもが、生物が生存し進化する為に無くてはならない大切な要素です。
ですが、この水、大気、太陽と同じくらい大切な要素でありながら、もう一つ、とても身近な存在ながら見落としがちな要素があるのです。
・・・それは、磁気です。
地球が誕生した時から磁気は存在しており、地磁気と呼ばれる磁場が地球をスッポリと覆っています。
これは磁気圏と呼ばれ、地球を覆う大気圏のさらに外側を覆っているのですが、太陽から発する有害な太陽風や宇宙線が地上に降り注がないように、地球の生物や自然を守ってくれているのです。
太陽風は電子と陽子が分離してイオン化したプラズマ粒子のガスですが、約100万度もの高温です。
太陽風は遠く離れた地球付近に到達した状態でも約10万度もあり、当然このような高温に生物は耐えられません。
ですが、地球を取り巻く磁場圏は高熱の太陽風を跳ね返してくれるのです。
ちなみに磁気圏は地球だけではなく、水星、木星、土星にも存在していることが明らかになっています。
いかがですか。水、大気、太陽と同じ位、磁気が生命の根源に関わるエネルギーだという事をご理解いただけたかと思います。
今回ヒカル先生は、そんな磁気についてもう少し詳しく説明します。
地磁気が減っている
地球は大きな磁石とも呼ばれますが、地球には北極、南極があり、コンパスの針は常に北を指しています。
北極にはS極、南極にはN極があり、S極がある北極からN極がある南極に向かって常に磁気が流れ続けています。
コンパスの針はS極(北極)の磁気と引き合って、常に北を指すように動くのです。
コンパスは飛行機や船には必須の道具ですし、私達の身近にも磁石の特性を使った道具はそこらじゅうにあります。
また、動物の中には磁場を感知する機能が備わっている動物もいると言われていますが、特に渡り鳥の長距離の旅は有名ですよね。
このように私達人間だけではなく、多くの生物にとっても磁気は必需品ともいえる存在なのです。
ですが、古地磁気学(こちじきがく)という学問の研究によると、地球の磁気は減少傾向にあり約2000年後にはゼロになってしまうとのこと。
なんと、現在の地磁気は紀元0年に比べると約半分まで減っているらしいです。
さらに文明開化の影響で、私達の身体に必要な量の磁気が不足しているそうです。
日本における地磁気は平均すると戸外で0.5ガウスなのですが、都心に近い地域に住まう方ほど鉄筋コンクリートの建物や自動車の中で過ごす事が多いと思います。
鉄筋コンクリートの建物や自動車の中は、鉄に覆われていますので、さらに50%もの地磁気が減ってしまうのです。
この結果、現代人は磁気欠乏症による健康問題が発していると警告されている方がいます。
医学博士の故中川恭一先生が提唱された「磁気欠乏症候群」では、
「磁気不足が現代病である自律神経失調症や不定愁訴症候群など一部原因となっているのではあるまいか・・・」
と述べられており、身体に必要な磁気が不足すると色々な不調が起こってしまうと懸念されています。
そこで、ウサギを使った実験が明治大学で行われました。
それは磁石を貼り付けたジャケットと、地磁気を遮断する為に鉄粒を付けたジャケットを用意して、それぞれをウサギ4羽に着せて2か月後の健康状態を観察する実験です。
その結果はどうなったかと言うと、磁石グループは4羽とも元気一杯だったのに対し、鉄粒グループは4羽中3羽も下痢で衰弱死をしてしまったそうです。
他にも、地磁気を遮断して磁気欠乏症になると骨粗鬆症が悪化することが、中国の西安工程大学の動物実験結果にて報告されています。
無重力の宇宙空間では筋肉だけではく骨量も減少してしまうことはもはや常識ですが、重力が存在する地球上で地磁気だけを遮断したらどうなるかを調査する研究です。
その結果、地磁気を遮断したラットは、地磁気を遮断していないラットに比べ、骨粗鬆症が悪化したというのです。
さらに、抗酸化酵素の活性に必要不可欠なマグネシウムイオン、マンガンイオン、亜鉛イオンといったミネラルイオンも減少したそうです。
・・・う~ん、栄養不足ならぬ磁気不足。まるで磁気は、水や食べ物のようではありませんか。
まとめ
いかがでしたか。
今回ヒカル先生は、地球が発する磁気である地磁気を中心に、大学などで行われている研究なども紹介しました。
ちなみに、地球の磁場は過去400万年の間で10回ほど極地が入れ替わるポールシフトがあったとされ、地磁気は生命の進化だけではなく滅亡にも関連しているのでは、という研究もされています。
磁気についての科学的根拠はまだまだ研究途上ですので、これからも研究が進むにつれて、新しい発見はどんどん見つかるでしょう。
なお、磁気による健康効果は、国の機関である厚生労働省から身体の血流を良くしてコリをほぐすという効果を認められています。
血流が促進されるという事は、代謝が良くなって、体温が上がり、免疫細胞が活発化、体調が良くなるという良いサイクルを生み出します。
つまり磁気は、新鮮な空気や水や食事と同じように、私達の身体を活性化してくれるのです。
このように不思議な磁気ですが、私達は身近な磁石を見ていながらも、特別な意識をすることは少ないかと思います。
ですが、磁気は水や空気、または太陽と同じ位、私達人類だけではなく多くの生物にとって大切な、とても大きな影響を持ったエネルギーなのです。
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