2012-03-14

【気候シリーズ】宇宙気候から気候変動を考える②~宇宙線が気候に影響を与える仕組み~

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天の川銀河内で起こったガンマ線バーストの想像図
画像はこちらからお借りしました。

前回、地球の気候の決定要素には「内的要因」と「外的要因」があるが、中でも太陽活動や宇宙線といった「外的要因」の研究が進んできたことを述べました。
スベンスマルクは宇宙線が増えると雲量(雲で覆われた地表面積)が増え、雲が太陽光を反射してしまうため、地上に到達する太陽エネルギーを減らし、寒冷化を推し進めることを発見した。従って、地球に降り注ぐ宇宙線量が増えたり減ったりすれば寒冷/温暖が促進されることになる。
 では宇宙線量は増えたり減ったりするのだろうか。
今回は、この宇宙線の変化要因について考えてみましょう。
※ちなみに宇宙線が雲を作る仕組みについては、過去記事をご覧下さい。
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「宇宙線量は増えたり減ったりするのか」という疑問に対する答えは「増えたり減ったりする」であり、その要因のひとつは「太陽活動の活性度」であり、もうひとつは「銀河の中の地球の位置」です。
●太陽活動と宇宙線
地球に降り注ぐ宇宙線は主として太陽系が属する天の川銀河系内の超新星爆発で放出された高エネルギー粒子で、陽子が主体であり、一平方メートル当たり毎秒二千個が地球に降り注いでいる。
 これを一次宇宙線という。(厳密には太陽からも宇宙線がでているが、銀河宇宙線の方が太陽宇宙線よりも桁違いにエネルギーが大きいので、ここでは宇宙線=銀河宇宙線とする)
 この一次宇宙線は上空で大気中の原子と衝突し、その反応でミュー中間子(ミューオン)と呼ばれる二次宇宙線となって地上に到達する。

図は、深井有著「気候変動とエネルギー問題」より抜粋させて頂きました。

しかし一次宇宙線はプラスに帯電しており、そのため天の川銀河系の磁場、太陽系の磁場、地球の磁場の影響を受けて曲げられてしまう。
 つまりこの磁場がバリアとなって地球表面に到達する宇宙線量は抑制されている。(地球に磁場が作られたのは35億年前といわれるが、もし地球に磁場が形成されなければ有害な宇宙線によわい私たち生命体は誕生できなかったであろうと言われている)

※図より、銀河系からやってくる宇宙線の内で中間エネルギーを持つ37%は太陽地場によって曲げられ、低エネルギーを持つ3%は弱い地球磁場によっても曲げられる。したがって大気を通り抜けて低層雲を生成させる宇宙線量は太陽地場の変動に伴って約40%変化することになる。

そして太陽活動が活発な時はこの太陽磁場が強力な時期にあたるため、地球表面に到達する宇宙線も減り、雲も減り、温暖化が加速されるという訳だ。
●銀河の中の地球の位置と宇宙線
他方、地球へ到達する銀河系の宇宙線そのものが増えるということも考えられる。 実際、銀河系は薄い円盤状をしているが、詳しく見ると星の密度には差があって、密度の濃いところと薄いところがあり、密度の濃いところは渦状の腕のような形状をしている。これを渦状腕といい、銀河系にはじょうぎ座腕、たて一南十字座腕、いてー竜骨座腕、オリオン座腕、ベルセウス座腕の5つの渦状腕で構成されている。

※下記の図は天の川銀河系の平面図
星の密度が高いところが渦状腕を形成して、全体が約10億年周期で回転している。太陽の公転周期はこれより少し速いので、ときどき渦状腕を横切ってきたことになる。

 現在、太陽系はオリオン座腕の中にあるが、銀河系の回転は太陽系の公転速度よりいくらか遅いため、太陽系は過去何度も渦状腕を出たり入ったりしている。そして渦状腕内に太陽系が突入した場合、それは超新星爆発に遭遇する確率も上昇するということになり、つまり宇宙線量は増大することになる。その周期は非常に長いものだが、概ね、氷河期、温暖期の周期と連動していることが分かっている。

画像はこちらからお借りしました。

 次に、これまで難問であった地球の全球凍結や生物の大絶滅といった地球史的事件も、宇宙線と関係していることが分かっています。
 次回にて扱いますので、ご期待下さい。

List    投稿者 wabisawa | 2012-03-14 | Posted in D02.気候No Comments » 

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