2012-02-23

【気候シリーズ】宇宙気候から気候変動を考える①~地球の気候変動の鍵を握っているのはCO2かそれとも宇宙か?

http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2011/10/000974.html で
雲というのは、宇宙線による電離作用、大気中の微粒子が持つ帯電性、水の持つ極性といった物質の電気的特性が総合的に作用して出来上がるもの。気象は熱力学的な世界だけでなく、電磁気学を学ばないと理解できない。
ということが分かりました。
その後、更に勉強する中で、太陽から発せられる磁気嵐や銀河系から飛んでくる宇宙線が地球気候に影響を与えているという構造がより分かってきました。つまり地球の気候を考えるには、地球を包み込んでいる宇宙空間の気候的影響(宇宙気候)を考えないといけないということです。そしてこの宇宙気候の視点から地球気候を研究されている方は古気象も含め総合的にみて地球は寒冷化に向かっているという視点をもたれている方が多く、地球温暖化詐欺にもするどい指摘を投げかけている方がたくさんおられます。そこで、「宇宙気候」という視点から、気候変動の仕組みを考えつつ、これからの気候変動の行方や最近の異常気象について考えてみたいと思います。
シリーズの予定としては以下の5つのテーマを予定しています。
①地球の気候変動の鍵を握っているのはCO2かそれとも宇宙か?
②宇宙線が地球気候に影響を与える仕組み
③気候変動の行方~近未来は温暖化か寒冷化か
④異常気象の謎に迫る
⑤宇宙気候と地震の間にも関係がある?

それではさっそく、第1回、地球の気候変動の鍵を握っているのはCO2かそれとも宇宙か?に入させてもらいます。参考とした著書、HPは
「気候変動とエネルギー問題」深井有 中公新書
「移り気な太陽」桜井邦朋
「今そこに迫る地球寒冷化 人類の危機」丸山茂徳
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/sun_tour/sun_tour2010/list/2010_08_17_Kusano.pdf 
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/~hmiya/Miyahara090414.pdf 
http://onkimo.blog95.fc2.com/?tag=記事:みんな大好きスベンスマルク 
http://www8.ocn.ne.jp/~yohsuke/index.htm 
です。
070803wm_07.gif
http://eco.nikkeibp.co.jp/style/eco/special/070803_warming4/index3.html より宇宙気候の全体図解です

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●宇宙気候とは?
日本における最先端研究者のひとりである名古屋大学の草野教授の研究ガイダンス資料によると「宇宙気候とは太陽活動に起因した宇宙空間と地球環境の長時間的変動」とあります。尚、類似の言葉に「宇宙天気」という概念がありますがこれは「太陽面爆発などに起因する宇宙空間や地上の電磁環境変動やプラズマ現象(磁気嵐やオーロラ等)」のことです。
つまり「宇宙気候」とはこれまでこれまで地球に限定して考えられていた気候問題を「宇宙的視点」を持って考えましょう、ということです。
太陽活動が地球環境、とりわけ温暖寒冷と関係があるのではないかという見方は、かなり古くからあり、太陽活動の活性度をみるための太陽黒点の観測も長い歴史があります。しかしその科学的な因果関係の解明は比較的新しく、そこに銀河の彼方から飛んでくる宇宙線が関係しているという見方はつい最近なのです。しかも「地球温暖化詐欺」が世界を席捲したこともあって、「宇宙気候学」の進展は阻害されて来ました。しかしクライメートゲート事件をきっかけに、改めて注目を集めているのが「宇宙気候」なのです。
hockeystick.jpg
地球の温度はホッケースティックのように、1900年以降急上昇したというグラフ。実際はこうなっておらずIPCC4次報告書からは削除され、のちのこの偽装に関連したメールが暴露された。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/11/post-47ba.html より
※クライメートゲート事件についてはこちらを参照→
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=221022 
●地球の気候変動の鍵を握っているのはCO2かそれとも宇宙か?
気候は太陽から入射するエネルギーに対して大気や海水などの地表環境がどのように応答するかによって決まります。つまり外的(宇宙気候的)要因と内的(地球環境的)要因が複雑に絡まってできあがるのが気候の全体像なのです。たとえば太陽からの入射エネルギーが増えて地表面を暖めようとすると大気中の水蒸気やCO2が増えてそれを助長しますが、一方で雲が形成されると太陽光線を遮るので温度上昇を抑制します。これらの影響をどう評価するかは非常に難しく、逆に言うとコンピューターシュミレーションを行った場合、入力条件次第では、温暖化にも関連化にもどっちにも振れる可能性があるのです。従って、大きくは過去の観測事実を元に、この温暖寒冷とその要因を分析し、大局的に予測する他には今はないと思われます。
●宇宙気候学の基本~ミランコビッチサイクル
宇宙気候についてのもっとも古典的な視点は1920~30年代に、セルビアの地球物理学者 ミルティン・ミランコビッチ(Milutin Milanković)によって提唱されたミランコビッチ・サイクルでしょう。4.1万年周期の地軸の傾きの変化、10万年周期の地球公転軌道の離心率の変化、2万6000年周期の歳差運動の3つが重なり、日射量の周期的変化が生じ、日射量の極小期と極大期が氷期と間氷期にあたるという視点です。
milankovitch-02.jpg
南極の氷床からのデータに見るミランコビッチ・サイクル
上段黒線:ミランコビッチ・サイクルから計算される北緯65°の日射量
上段赤線:南極氷床中の気泡(酸素/窒素比)から求めた気温(現在との差)
青:氷期、オレンジ:間氷期
下段:二酸化炭素濃度
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/kotaichikyunorekishi.htm よりお借りしました
●黒点と気候の相関研究
また地球環境に大きな影響を与える太陽活動の強さの目安となる黒点数と気候変動の関係も注目されています。黒点数はほぼ11年周期で変動し、さらに長期にわたっても変動しますが、1801年には英国の科学者ハーシェルが太陽の黒点と天候不順による小麦の収穫不足の相関について指摘しています。また1600年から黒点数の観測が始まっており、マウンダー期などの黒点極小期は長い寒冷期であったことも次第に認識されるようになりましたが、その科学的な検討はなされないままでした。
sunpheno.JPG
http://www.envi.osakafu-u.ac.jp/atmenv/aono/CliHis.html よりお借りしました。
しかし1991年、デンマークのフリース・クリステンセンとラッセンは太陽と気温の驚くべき相関を発見したのです。それは黒点数が多い時は約11年という周期が短くなり、その周期変動の長さと北半球の11年平均気温の間には強い相関があることが分かったのです。この研究はその後、深められ、寒冷化したマウンダー期の変動周期は14年、温暖期は9年であることが確かめられました。つまり、平均的には太陽は11年周期で活発/衰弱を繰り返しているのですが、正確には11年±2~3年程度の振れ幅があり、この周期が長い時は寒冷化、短いときは温暖化するという傾向が認められたということなのです。
そして氷床や海洋底コア試料データによってさらに古い時代の温度条件が分かるようになると、ミランコビッチサイクルの正しさもより明証されるようになりました。
●何故、CO2温暖化が注目されたのか~外因(太陽)だけでは説明できなかった気候変動
しかし、この「太陽から流入するエネルギーの変動が気候変動を決定付ける」という外因説のみによる説明は、その後、大気圏外での流入エネルギーを計測した衛星観測の結果によって否定されることになりました。流入エネルギーの変動幅は0.1%程度しかなく、それによる温度上昇は0.2℃程度と見積もられたのでした。しかし、太陽周期と温度変化に相関があることは事実ですから、外因要素を助長してさらに温度上昇を促進する地球環境の内因があるだろうという仮説が立てられました。つまり地球環境自身がプラスのフィードバック機構を持っているだろうということです。その結果、温室効果ガスが注目され、CO2地球温暖化説へと発展していったのです。
このCO2温暖化説を決定付けたのがいわゆるキーリング曲線ですが、これは後に、温度上昇のほうがCO2濃度上昇に先駆けていることが判明し、プラスのフィードバック機構を持っている(つまり温室効果がある)ことは事実であるが、あくまでもCO2を含む温室効果ガスは温暖化の補助輪であり、温暖化の主要因であるとするのは行き過ぎであることも明らかになってきています。(当然、温室効果ガスにしめるCO2の割合の小ささ、更には大気中のCO2にしめる人為的CO2のしめる割合の小ささからいって人為的CO2主犯説が間違っていることは今や疑問の余地はありませんし、クライメートゲート事件によって、CO2温暖化説が科学を装った政治的陰謀であることももはや疑いようのない事実です)
●宇宙気候と地球気候をつなぐミッシングリンクをつなぐスベンスマルク効果
CO2をはじめとする温室効果ガスによるフィードバックだけで説明できないなら、何が、太陽から流入するエネルギーの変動を助長させているのでしょうか?宇宙気候と地球気候をつなぐミッシングリンクをつなぐアイデアは1998年、デンマークの気象学者、ヘンリック・スヴェンスマークによって提起されました。それは宇宙線の多寡が雲の発生量の多寡を規定しており、雲が太陽を遮蔽することによって寒冷化を促進しているのではないかという視点でした。事実、宇宙線量と温度には強い相関が認められたのです。これをスベンスマルク効果といいます。
svensmark_past.png
過去、五億年以上にわたる、熱帯域の気温の偏差(℃、赤線、左側の縦軸)と、銀河宇宙線の量(現在を 1 とした比率、青線、右側の縦軸、軸が逆さであることに注意)。暖かい時期を”温室 (hothouse)”、寒い時期を”冷凍室 (icehouse)”と表記。横軸は時間で、単位は 100 万年。Svensmark (2007) 
http://onkimo.blog95.fc2.com/blog-entry-77.html よりお借りしました。
このアイデアは一方で宇宙線によって雲ができる仕組みを再現するという実証実験へと発展。CERNで大掛かりな実験が進められている。他方、日本の宮原ひろ子は樹木の炭素同位体分析と氷床コア分析による温度変動を比較し、宇宙線の多寡と平均気温の相関を証明している。
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/~hmiya/Miyahara090414.pdf 
このように、宇宙気候と地球気候をつなぐミッシングリンクは埋められつつあり、気候変動の主要因は第一儀的には太陽活動周期であり、それを補助的に強化しているのが宇宙線がつくりだす雲である、ということが明らかになってきているのです。
しかし、宇宙線がどうやって雲をつくりだしているのか、太陽活動の活性度と宇宙線の多寡はどのように連動しているのか?が分からないと信じられない、という感じだと思います。この点は以前にも紹介していますが、次回は、宇宙気候が地球気候に影響を与える仕組みについて、更に掘り下げて紹介していこうと思います。

List    投稿者 staff | 2012-02-23 | Posted in D02.気候No Comments » 

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