2011-11-09

【気候シリーズ】風が吹くのはなんで?②~風は季節によって変化する~

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風が吹くのはなんで?シリーズの第2弾。
前回記事で、風が吹く原理について追及したところで、末尾に触れた

実際に熱の膨張が起きる場所は、季節や地形に左右されるため、地球上には様々な季節風や土地に固有の風が存在します。
そこで次回では、日本を中心に、季節によって吹く風の特徴を調べてみたいと思います」

について、扱いたいと思います。
日本の場合、真っ先に注目すべき点は四季がはっきりしていること、そして季節によって吹く風に特徴があることです。
そろそろ本番を迎える冬ですが、この時期になってくると天気予報から「西高東低の気圧配置で…」というアナウンスをよく聞きます。気圧配置が原因となって生じる北西の風によって、日本海側では毎日のようにシンシンと雪が降り注ぎ 、太平洋側では「空っ風」という凍てつくような冷たく乾燥した風が吹きます。
ちなみに冬の日本は、世界中で最も強い季節風が吹く地域として有名です 8)
寒さが一段落する2月下旬頃になると、今度は南から生暖かい風がブワッと吹いてきます
「春一番」です。
この風が吹くと、気温は低くてもみんなが春の到来を感じて、街や職場で話題になることも多いと思います。
春が過ぎれば、丁度あじさいの花が咲き出すあたり。
鬱陶しさも感じつつ、しかし、日本の米作りに重要な「梅雨」の始まりです
梅雨は、風と風がぶつかり合うことによって生まれています。
そして、夏になれば連日30度を超す日々が続きますが、終わり頃になれば各地に被害をもたらす「台風」が、いくつもやってきます。今年はノロノロ台風によって、近畿地方中心に甚大な被害が生じたことは記憶に新しい所です。
他にも、地域や昼夜によって様々な「風」が存在しますが、大きく見た場合、風は季節によって特徴をもっています。それを季節風と呼びます。
では、なぜ「風」は季節によって向きや強さが変わったり(その結果、雪や雨が変化)、温度が変わったりするのでしょうか?
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少しおさらいになりますが、前回記事で「風が起こる力」として気圧傾度力を取り上げました。
太陽光によって、陸地(固体)や海(液体)が暖められ、それらが空気(気体)を暖めたり、冷ましたりすることによって低気圧や高気圧が発生する。その気圧差によって、風が吹き出すという原理です。
ここで重要な点は、陸地は温まりやすく冷え易い特徴を持ち、海は温まりにくく冷えにくい特徴を持つ所です。
この違い(海には日射以外に寒流と暖流の温度差も影響)と、季節によって変化する日射量によって、空気の温まり方や冷やされ方に差が生じ、高気圧帯と低気圧帯の勢力が変動。そうして、季節風が生じます。

ちなみに北半球は中緯度に大きなユーラシア大陸が横たわっているため、大陸の無い南半球と比較すると空気の寒暖差が生じやすく、季節風がよく吹きます。
日本では、取り巻いている大陸や海(海流)の特徴から、「4つの高気圧帯」が季節を通して盛衰することによって、季節風が生じます。

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高気圧帯の説明と共に、季節ごとに具体的に見ていきます。
◆冬
大陸は、海と比べて熱を放射して冷め易いため、温度が下がります。
ユーラシア大陸の奥地であるシベリアでは、マイナス40度というような極端な低温になります。
すると、地表の空気密度が高まって気圧が高くなり、逆に海では低温になりにくく気圧が低くなります。
こうして、大陸で高く、海で低いという気圧差が生じます。
前述した冬の「西高東低」の気圧配置はこうして生まれます。

このとき大陸上にできる高気圧は「シベリア高気圧」とよび、冬の寒さが厳しくなればなるほどシベリア高気圧が拡大します。
冬の季節風は、冷たいだけでなく、大陸から吹く風のため、非常に乾燥しています。
ところが、日本の場合、ユーラシア大陸との間には日本海があり、そこに南からの暖流(対馬海流)が流れ込みます。

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水温が冬でも平均10度前後ある暖流は、マイナス10度前後の冷たい季節風の下層を温め、また日本海の水蒸気を供給して風を湿らせます。
それが、日本列島に吹き付けると、丁度列島の中心を走る山脈に当たって上昇気流となり、大量の雲を生じます。
こうして、冬の日本列島の日本海側は世界でも有数の多雪地帯になります。

雪を降らせて山脈を通り越した風は、乾燥した風へと変化し、太平洋側へと吹き抜けます。
冬場でも日本海側と太平洋側で降雪量に大きな差が生じるのはこのためです。

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◆春
陽射しが陽気を帯びてくると、ユーラシア大陸も徐々に温められ、地表と海の寒暖の差が小さくなって、シベリア高気圧の勢力が衰え始めます。
それと並行して、日本の南東方向にある「太平洋高気圧」が頭をもたげてきます。
ここで、太平洋高気圧に触れます。
地球の赤道付近では、季節に関わらず、強烈に温められた空気が上昇気流となり、北半球と南半球に分散していきます。モウモウと上昇した気流は、上空に行くに従って冷やされることで密度が増し、下降していきます。
こうして、赤道から緯度を上げた「亜熱帯地域」に空気が下りてくることによって、地上付近に高気圧帯が作られます。
それを「太平洋高気圧」と呼びます。
冬場のシベリア高気圧の勢力が衰えると、この太平洋高気圧が相対的に勢力を強め出し、低気圧に吹き込む風が逆転します。冬場厳しい寒さを伴って吹き続けた北西の風が、暖かい南の風に変わった瞬間、「春一番」の季節風として世間を騒がせます。
この風は太平洋の水蒸気を含んでいる分、太平洋側に雨を降らせますが、列島の山脈を越えると乾燥して、温度を上げた風となって、日本海側へ吹き抜けます。これをフェーン現象と呼び、日本海側では雪崩等を引き起こす原因になっています。

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◆夏
さらに日射が強くなると、ユーラシア大陸では、温められた陸地によってシベリア高気圧はさらに勢力を弱め、太平洋高気圧の存在感が一段と増します。
日本は夏の太平洋側からの季節風によって、海から湿った風が入り蒸し暑くなります。
また、より太平洋高気圧の勢力が拡大すると、日本がなかば高気圧に覆われる形になって、風も雨も少ない、暑い日々が続くことになります。
以上、冬から夏にかけての季節風を取り上げてきました。
それ以外の「秋」と、世界を見ても独特の現象「梅雨」は、今回扱った高気圧帯の他に「前線」という概念を追加して理解していく必要があります。
従って、次回の風シリーズでは高気圧帯の説明と共に、前線の概念を用いて風や気象の特徴に
迫って行きたいと思います
※参考文献
気象学入門 講談社出版 古川武彦・大木勇人著

List    投稿者 wabisawa | 2011-11-09 | Posted in D02.気候No Comments » 

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