【気候と食】身体の秩序を保つバロメーター☆「食の陰陽」
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今まで、気候シリーズでは気候のメカニズムから、地域の気候の特性を生かした農法などをご紹介してきました。気候に合わせることで、自然の豊かな恵みをより得られることが分かると思います。
作物を作るうえで、気候は欠かせない要素になってきます。
しかし、作る時だけではありません。
食べる段階でも、摂りたての「旬」に食べるのが一番美味しいとみんなが感じると思います。夏にスイカを食べれば身体が冷やされ、冬は根菜類をお鍋でいただけば、身体の中から温まるのを感じます。
美味しいと感じれるのは、身体にとって必要な食かどうかということなのかもしれません。
しかし、毎日の食事で「旬」を意識している人はどれだけいるんでしょうか。
同じ野菜が、年中スーパーに並んでいる現代、食べたいものは季節に関係なくいつでも手に入ってしまいます。
テレビの情報で「○○が身体に良い」と聞けば、季節に関係なく、身体にいい物だから食べてしまっている人も少なくはないと思います。
しかし、こういった「季節に合ってない食事」が、身体を弱らせ、現代病を引き起こしているのです。医者も薬もない時代、先人たちは自然の摂理に合った食生活をしてきたから、生きることができたのではないでしょうか。
このシリーズでは、健康な身体をつくるためにも、そして放射能問題や現代の食問題にも適応できるよう、先人達の食の知恵をご紹介して、食と気候の密接な関係を追求していきたいと思います☆
また、旬のレシピにも挑戦していきたいと思いますので、お楽しみに^^
今回は、まず気候と食の関係では欠かせない「食の陰陽」について調べてみました☆
応援よろしくお願いしますvv*
◆万物にある「陰と陽」
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東洋には古くから『万物は陰陽よりなる』という哲学があります。
全てのものは、陰と陽・表と裏のように、対になる物が存在することでバランスを保っている。自然界にあるものは、すべて陰陽に分けられるという考えです。
月が陰で太陽が陽。天が陰で大地が陽。
植物が陰で動物が陽。冬が陰で夏が陽などなど。。。
陽が良い・陰が悪いとかではなく、どちらも必要で、
陰と陽が調和することで、秩序が保たれているのが、自然の万物から分かります。
また、陰陽は元々は気候を表すものだったようです。陰は曇りや日影、陽は日差しや日向を意味していました。そこから気候や温度も、寒い・低いのが陰、暖かい・高いのが陽とされています。後にご説明しますが、食の陰陽も温度によって分けられるようです。
◆陰陽で身体の秩序を整える
人間も、陰性と陽性に分かれます。
分かりやすいのが、性別でいったら、男が陽性で女が陰性
性格でも、外交的で楽観的だけどせっかちな陽性、内向的で悲観的だけど追求力のある陰性。
そして、身体の体質も陰性と陽性に分かれています。
陰性体質の人は体温が低く、寒がり。陽性体質の人は、体温が高く・高血圧。
人間の身体も決してどちらが良いとかではなく、
陰陽が調和した「中庸」を保つことが健康の秘訣なんですね 🙂
つまり、陰性体質の人は、「陽性」の食べ物を多く摂ることで、陽性体質の人は「陰性」の食べ物を多く摂ることで、中庸の健康な身体を作れるのです。
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では、食物の陰陽とは何でしょうか?
◆「カリウム」と「ナトリウム」で決まる食の陰陽
「食の陰陽表」 画像はこちらからお借りしました
私達の体の中にあるミネラルに圧倒的に多いのが、カリウムとナトリウムです。
しかもこの両者は、私達が生命活動を維持していく上で、とても大切な役割を担っています。
例えば、血液にはナトリウムとカリウムが1対5~7の割合で含まれています。
(不思議なことに、この1対5~7の割合は太陽系の求心力と遠心力の割合と一致しているそうです)
この2つは拮抗関係にあって、身体はその絶対バランスを保とうと絶えず調整をしています。このバランスが崩れることが病気につながるのです。
また細胞の内側に多いのはカリウムで、細胞を取り巻くナトリウムが存在しています。
まさに細胞は、カリウム=広げる力と、ナトリウム=縮める力の拮抗で保たれているのです。
カリウムが多い食べ物は身体(細胞)を緩めます。血管や腸管を緩めて身体を冷やします。
反対にナトリウムが多い食べ物は身体(細胞)を締めるので、血管や腸管を締めて身体を温めます。
この二つの成分バランスの重要性から、カリウムが多い物が陰性、ナトリウムが多い物が陽性と定義されています。
身体は緩めすぎても、締めすぎてもいけない。内圧と外圧のバランスを保った細胞の正常な状態をイメージしてみれば、陰陽が調和した「中庸」の状態を保つことが、身体の秩序を保つこと=健康だというのがおわかりいただけるのではないでしょうか。
◆陰陽からわかる、旬・気候に合った作物を食べる重要性
冒頭で自然の摂理に合った旬のものを食べる重要性を書きましたが、「食の陰陽」からも、旬のもの、またはその土地のものを摂ることの重要性がわかります。
例えば、バナナ・ヤシのような南国の食べ物は高いところに実がなってます。
これは、自分で熱を作り出せないので、少しでも太陽に近い位置まで成長し、太陽の熱を欲しているからです。つまり他から熱を奪う特性を持ち、陰性なります。
逆に、大根などの根菜は、太陽の熱も弱い地域・季節でできる物。
自分で熱を作る特性を持ち、陽性になります。
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気候が暑い環境でできる陰性の作物を食べれば、身体の熱を奪ってくれ、気候が寒い環境でできる陽性の作物を食べれば、身体の中から熱を作り出してくれる。
その季節・土地で採れる作物を食べることが、陰陽の調和になり、自然にあった体温調節をしてくれるのです。
◆料理は身体に合わせて陰性・陽性に変える仕事
上記のことからも、季節・気候合った食べ物を摂ることが、身体の陰陽を整え健康につながることが分かります。
しかし、旬のものを食べるといっても、夏に陰性の物ばかり食べてしまうのも、冬に陽性の物ばかり食べてしまうのも、陰陽が偏りすぎてしまい、体調を崩してしまいます。
冷暖房が当たり前の現代では、身体が感じる気候が旬と合ってなく、余計崩しやすくなっています。
また自分の体質が、陰性なのか陽性なのか、日々の気候の変化や、身体の声を聞き、陰陽を意識した食事を摂ることが重要になります☆
そこで、料理によって陰陽を調節すればいいのです。
食材の陰陽はもちろん、調味料や火をうまく使って身体に合わせた食を摂るのが、陰陽が調和した健康な身体作りにつながります。
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★まとめ★
①身体の陰陽の調和=健康
②「カリウム」が多い物(体温を下げるもの)が陰、「ナトリウム」が多い物(体温を上げるもの)が陽
③旬・土地のものを摂ることが陰陽の調和になる
④料理で、陰陽を調整する
今まで、「身体に良いもの」だからといって、季節や自分の体調に関係なく、大量に食べていました 🙁
しかし、体内のバランス(中庸)が重要!
陰陽は身体のバランスを図るのに、分かりやすいバロメーターになるのではないでしょうか
当たり前のように旬の物を食べ、身体の声をしっかり聞いて、食事を摂っていた先人達・・・それに比べ、 ただ自分の味の好みだけで食を選んでいることにはっとなりますね
これからも、季節に合わせた食を追求し、健康な身体を作る情報をご紹介していきたいと思います 😉
参考
「健康と病気の違いって何?」
「マンソン健康塾」
若杉友子 著作
「これを食べれば医者はいらない」
「野草の力をいただいて」
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