2012-03-01

【地震のメカニズム】8.マグマ化説~電磁波による玉突き的熱移送~

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前回の記事【地震のメカニズム】7.熱移送説~地震は熱エネルギー移動が起こす~に引き続きまして、
今回は2011年4月17日なんでや劇場(5)(6)で提起された熱移送説のメカニズムについて紹介します。
提起は、熱の移送のしくみを埼玉大学名誉教授である角田史雄氏が提唱している「熱移送説」をさらに深化させた仮説になっています。
なんでや劇場(5) マントル内部で電子レンジ状態⇒熱の通り道ができる

なんでや劇場(6) 熱膨張による地殻の破断と岩盤の再溶接

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【マグマ化説、熱移送のメカニズムはどうなっているのか?】
◆まずは、マントルの状態とマグマの生成過程を見ていきます。

厚さ3000kmのマントルは冷たく硬い所や熱く柔らかい所が複雑に入り組んで、アリの巣のような状態になっている。その大部分は固体であるが、おそらくは10%程度が溶けていると考えられる。
表面に近い、深さ100~200kmの所が一番熱く、溶けていることである。「マントルは内部ほど熱い」という、これまでの常識とは正反対である。
5000~6000度もの超高温の外核が発する電磁波によって作られるという仮説である。

◆この電磁波の反射作用が熱移送の鍵となっています。

外核から発した電磁波は地下300km辺りの冷えた岩盤の隙間を通って、今度は冷えた地表面の地盤で反射される。こうして、電磁波は冷えた地表面と地下300kmの冷えた岩盤との間を行ったり来たりして、電子レンジ状態になると考えられる。
冷たい岩盤に挟まれて電磁波が反射する、かつ、柔らかく溶けやすい岩石で構成された場所が熱の通り道となる。熱の通り道は外核から伝わるだけではない。電磁波の往復によって溶かされた場所からも電磁波が発せられ、玉突き的に熱が伝わってゆくと考えられる。

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◆これらの熱の通り道が地震の多発地域とも重なってきます。

この熱の通り道は、「角田史雄著『地震の癖』表紙」リンクにあるように、深くは南極近くから始まって上昇し、ニュージーランドの南域で三方に分かれる。地中海方面へ向かうルート、南米のチリへ向かうルート、アジアに向かうルート。アジアルートはさらに、3ルートに分かれる。
①スンダランド(ジャワ)→スマトラ→四川→黄河流域というルート
②台湾→九州→西日本→信州・東北と日本列島を貫くルート
③マリアナ諸島→伊豆諸島→日本列島へ入るルート
熱の通り道と言っても、常にマグマがあるわけではない。時には溶けてマグマ化し、時には冷えて岩化している。
ある場所が電子レンジ状態になると、溶けたマグマが電磁波を出し、熱の移送ルートの次の場所を玉突き的に温めてゆくと考えられる。こうして、熱が移送していくのが、マグマ化説(熱移送説)の仕組みである。
この配置条件を充たす、つまり冷たい岩盤に挟まれている最たる所が日本列島であり、それに次ぐのが地中海や南米である。

◆そして、プレートの形成も、電磁波のマグマ化の仕組みで説明できることが可能です。

電磁波によって岩盤がマグマ化すると考えれば、プレートがどのようにしてできたのかも説明できる。
例えば、プレートの境目にある日本海溝の下には、5億年前には最も熱い熱の通り道があったと考えられる。その熱でプレートが熱せられて折れ、太平洋側のプレートが乗っかっているスポンジのような温かい岩磐層が、上のプレートの自重で10km沈んでできたのが日本海溝である。そして、大陸側のプレートが沈んでゆくと熱の通り道が左(西)にずれてゆく。こうして、最も熱い通り道が日本列島の下にできたと考えられる。

【マグマ化説によってはじめて、巨大地震のたびに至近距離にある岩盤が壊れるという現象が説明できる】
構造力学的には、地盤に力が加われば、弱い地盤はすぐに変形して力はより強い地盤に集中していくので一番最初に崩壊するのは、最も耐力の強い地盤となる。そこから強い順に余震で崩壊していくので、巨大地震で崩壊した箇所の近傍は壊れないはずだが、現実的には崩壊している。
その原理はどうなっているのか?

マグマによって地殻の下の層が熱させられと、数年間に亙って溶け続ける。ということは、平均100kmの地殻の下から50~70kmの層はほとんど溶け崩れているはずである。とりわけ、柔らかい部分は圧縮力によって下からえぐられるように鋭角の山形状に溶けている。この溶融が0kmまで達すると、火山噴火となる。
同時に、地盤全体には膨張力→圧縮力と下からの曲げ圧力が働いている。そして地表面の一番強く硬い部分が最初に折れる。その近辺は下部がボロボロに溶け崩れた状態になっている。
本震から2年くらいは地震は暴れる(余震が続く)が、その後、熱は冷めてゆく。それは、マグマ化によって上下の岩盤が温められると、岩盤は電磁波の反射力を失い、電子レンジ状態が解除されるからである。
ボロボロになって溶けた岩盤は、下に落ちていっていると考えられる。それが冷めると固まって(再溶接されて)新しい岩盤が生まれる。それは下に凸形をした岩盤になっており、凸になった部分が最も厚く、強い耐力を有しているはずである。だから次の巨大地震でも至近距離にある箇所が壊れるのである。このように、地盤は崩壊→再溶接→崩壊→・・・を繰り返していると考えられる。
このように、マグマ化説によってはじめて、巨大地震のたびに至近距離にある岩盤が壊れるという現象が説明できる。プレート説では全く説明できないばかりか、わずか10kmしか離れていない至近距離で厚さ100kmの岩盤が破断を繰り返す現象(従って数kmおきに無数の断層が走っている)も全く説明できない。これも、マグマ化→地盤の圧縮力と下からの曲げ圧力によって、はじめて説明できるのである。

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【仮説のまとめ】
・マントルの表面から深さ100~200kmのマグマは、外核が発する電磁波によって作られる
・冷えた地表面と地下300kmの冷えた岩盤との間は、電磁波が反射・輻射され電子レンジ状態である。
つまり、電磁波は外殻発だけでなく、冷たい岩盤と柔らかく溶けやすい岩石間で電磁波が発せられ、玉突き的に熱が伝わってゆくと考えられる。
熱膨張による地盤の崩壊→マグマにより岩盤の高温化→電子レンジ状態解除→冷えて再溶接とサイクルによって、巨大地震のたびに至近距離の岩盤が壊れる。
電磁波による熱移送のメカニズムを考えると、従来の説では説明できなかった現象も説明できそうです。
電磁波は、前兆現象とも関連性がみられるため、より追求していくことで地震のメカニズムの解明に近づける可能性は十分にあります。
固定観念を捨てて、取り組んでいきたい課題です。

List    投稿者 Hikaru | 2012-03-01 | Posted in D03.地震No Comments » 

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