2012-10-01

地震予知の現状(4)・・・この10年で何が明らかになってきたのか~「アスペリティ」は「水」がつくる?

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2003年9月26日04時50分ころに発生した十勝沖地震(断層面積が100km四方に及ぶM8クラスの巨大地震)におけるアスピリティ位置。
画像はこちらからお借りしました。
『地震予知の科学(東京大学出版会)』を元に、地震研究の世界で行われている“地震予知の現在”を押さえるシリーズの第4回です。
第1回 地震予知の現状(1)・・・地震予知とは?  
第2回 地震予知の現状(2)・・・これまで何が行われてきたのか(地震予知研究の歴史)  
第3回 地震予知の現状(3)・・・日本、海外の地震予知の歴史について
第4回は「この10年で何が明らかになってきたのか」と題し、GPS観測網の設置などにより明らかになってきたメカニズムとして、巨大地震を引き起こす「アスペリティ」や、地震を起こさない「ゆっくりすべり」について見ていきたいと思います。

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◆地下の「水」の存在が「アスペリティ」を形成する?
地震に関する書籍などで近年、「アスペリティ(Asperity)」という単語を見かけるが、地震現象、とりわけプレート境界で発生する地震現象の理解やモデル化・シュミレーションにおいて、この「アスペリティ」という概念が非常に重要となってきている。

・日本列島では、海底のプレートが海講から地球の内部に沈みこんでおり、沈み込む際には、沈み込むプレートと陸側のプレートとが固着していて、沈み込むプレートが陸側のプレートをひきずっている。
・陸側のプレートが引きずりに対抗して反発する力は、プレートの沈み込みに伴って次第に大きくなる。
・普段は「プレート間摩擦力>陸側プレート反発力」であるため、プレート間が“固着”しており、陸側のプレートが引きずられている。
・しかし、「プレート間摩擦力<陸側プレート反発力」となったとき、固着がはずれ、陸側プレートが急激に跳ね返って地震を起こす。(「べったり」固着していた部分が「ばりっ」と割れるようなイメージ。)
・最近の研究により、このプレート間“固着”の様子が一様ではないことがわかってきた。
普段は強く固着しており「地震時に急激にすべって強い地震波を出す領域」・・・「アスペリティ」
普段からじわじわずるずると「ゆっくりすべっている領域」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ゆっくりすべり域」
・小さなアスペリティは大きなアスペリティに比べて1回の地震ですべる量が小さいために、大きなアスペリティに比べて頻繁に地震が起きる。(「小繰り返し地震」や「相似地震」と呼ばれている。)
【特徴】
・アスペリティは、地震が繰り返し起きてもあまりその場所が変わらない。
・地震が起きていない時は、ゆっくりすべり域でプレート境界がすべることで、アスペリティに応力が集中。
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画像はこちらからお借りしました。

※ここで、「なぜプレートが移動しているのにアスペリティ位置は変わらず、同じ場所で繰り返し地震が発生するのか?」という素朴な疑問が湧いてきますが、これについて東北大学の研究による面白い説を発見しましたので参考に引用します。(本書ではその点については述べられていない。)
「 ■大地震の誘発⇒地殻中マグマから分離した水がしみ込み、断層の一部がゆるゆる動いて、最後にアスペリティを強震させる?」より

3.地震の誘因
 大きな地震を引き起こすためには、普段から大きくずれているところだけでなく、アスペリティまで動かす何らかの働きがないと全体として大きくずれない。その誘因として、今回、クローズアップされたのが、03年の宮城県北部地震で確認されていた『震源直下のマグマと水』の存在だった。
 
 4.東北大学の研究
1)調査方法
 東北大学の研究チームは、北陸から近畿にかけての地下400キロより浅い部分の構造を、地震波が伝わる速度を使って調査した。固体岩盤中の液体マグマの存在を明らかにしようとしたものである。
2)調査結果
(1)地下の液体分布
 多量の液体を含む部分を、地下40キロ以深の「マントル」と、地下25キロ付近の「地殻」の部分にそれぞれ発見した。
(2)マントル内液体
 深い方(地下40キロ)の真上には火山が集中しており、研究チームはこの液体を岩石が溶けたマグマと推定している。中越沖地震や中越地震の震源直下にも、この領域が広がっていた。
3)地殻内液体(マグマから分離した水)⇒「地震誘発の潤滑剤」
 浅い方(地下25キロ)は、冷えたマグマから分離した水とみられ、飛騨山脈から兵庫県にかけて分布していた。両側から力を受けている断層に加わった水が潤滑剤となり、そこだけが、大きな揺れを伴わないままゆっくり動く「スロースリップ(地震)」。水が来なかった部分には一層のひずみがたまり、それがたまると急激に滑って強い地震波を出したという。⇒水が来なかった部分というのは、強く固着した「アスペリティ」と考えると話がうまくかみ合う。

この引用記事での「スロースリップ」は、「ゆっくりすべり域」と同義ですがマグマから分離した水が潤滑剤となって岩盤を緩めた部分が「ゆっくりすべり域」であり、水が無いために硬いままでなのが「アスペリティ」という考え方です。つまり、「ゆっくりすべった結果とり残され(応力集中した)箇所がアスペリティ」ではないか?地下の「水」の存在が、「アスペリティ」を作り出すのではないか?
この地殻内の「水」の存在については、海洋プレート沈み込みとの関係でそのメカニズムが解明されつつあるよう(後日別記事としてまとめます。)であり、「なぜプレートが移動しているのにアスペリティ位置は変わらないのか?」の一つの仮説になり得るのではないかと思います。
◆地震を起こさない「ゆっくりすべり」(ゆっくりすべりは、一般にスロースリップ、スロー地震、サイレント地震とも呼ばれる)
アスペリティモデルと並ぶ地震予知研究のここ10年の成果は、地震が起きていないときに発生する地殻変動が実際の観測によって捉えられ、その原因がプレート境界のゆっくりすべりだということが明らかになった点。
これは、国土地理院によって全国に整備されたGPSのネットワーク(GEONET )によるところが大きい。 

・地震といえば、一瞬のうちに断層がずれて地震波が発生するイメージだが、実は断層というものは日々静かにずれている。
・大地震による断層面のすべりはおおむね秒速数メートル程度で、数十秒から数分の間に終了するのに対し、ゆっくりすべりは数時間、数日、数ヶ月、場合によっては数年も継続する。

その他、アスペリティやゆっくりすべりにおける「摩擦法則」を基にしたコンピューターによる地震シミュレーション研究により、「結果」ではなく「原因」に基づく地震発生予測への第一歩が踏み出された(実際に予測できるレベルではない)・・・などが、ここ10年間の成果とのことです。
次回は、「研究の進歩を支えた種々の観測網」について紹介していきたいと思います。

List    投稿者 kota | 2012-10-01 | Posted in D03.地震3 Comments » 

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コメント3件

 天変地異 | 2013.12.03 1:02

中心体が電磁波のアンテナですか、凄いですね。でも、ありそうな話です。可視光線の波長は中心体と同じぐらいの0.4~0.7μなので、皮膚が色を感じると言われますが、これは中心体のおかげなのかも知れませんね。
以下は宇宙人から聞いた話!(「宇宙人ユミットからの手紙」ジャン・ピエール プチ著、徳間書店刊)なので、真偽は?ですが、DNAも螺旋軸方向に非常に高い導電性を持っていて、電磁波の導波管になるそうです。
そして面白いのは、現在の科学では知られていませんが、生体のDNAには揮発性のクリプトン原子が螺旋のあちこちに付いていて、これが魂と生体電磁波とのいわば周波数変換器になっているそうです。
つまり、霊的な自己が受信した情報は、クリプトン原子(の量子振動?)を経由して生体が理解できる電磁波の振動に変換されると言います。そして、生体が死ぬとクリプトン原子は揮発し、霊的自己との情報交換が失われる、という事のようです。
ここは自然の摂理の場なのでこれ以上は言いませんが、科学がやっとテレパシーや魂について語り始めたのかな、という気がします。

 tomo | 2013.12.08 4:23

面白いですね先の方もおっしゃられてる通り人間の生きるエネルギーってやっぱり電磁波=念みたいな霊的なものだと私も思うんです。電磁波を感知できるとしたら正にそれだと思うし生霊とかの説明もこの先つくような気がします。

 tsuji1 | 2013.12.11 21:51

天変地異さん、tomoさん
コメントありがとうございます。
霊という表現が適切か否かはわかりませんが、気配や虫の知らせなど未知の感覚、情報伝達方法がまだまだありそうですね。
中心体と細胞膜に情報伝達や統合のカギがあるように思っています。
神経細胞の跳躍電動など中途半端に電気信号を使っているのも、もしかしたら電磁波を発生するために行っているしれない、などと妄想しています。

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