【地震のメカニズム】3.プレートテクトニクスの成立過程・その2~プレートテクトニクス理論の登場
世界の地震の1/10が発生するという日本は、「収束型プレート境界」の密集地帯
画像はこちらからお借りしました。
【地震のメカニズム】シリーズの4回目です。
現在の地震予知と人工地震!?
【地震のメカニズム】1.プロローグ
【地震のメカニズム】2. プレートテクトニクスの成立過程・その1~大陸移動説から海洋底拡大説まで~
プロローグより・・・
>そこで、まずは下記の既存学説について、提示されているメカニズムの原理と見直すべき点を整理していきます。
・・・を受け、前回から地震のメカニズムに直結する諸説の中でも最もポピュラーで、学校の教科書にも載っている「プレートテクトニクス」について、誕生に至る歴史的経緯も含め、改めて押さえ直すと同時に、疑問点や矛盾点、あるいは調査ポイントを抽出していきたいと思います。
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尚、前回及び今回の記事は、主に「地球のダイナミズム」を参考にさせて頂いています。(特記なき限り、画像は「地球のダイナミズム」よりお借りしています。)
前回は、プレートテクトニクス理論の下地となった大陸移動説(ヴェゲナー1915年提唱)と海洋底拡大説(ヘス&ディーツ1962年提唱)についてまとめましたが、今回はヘス&ディーツが提唱した際には証拠が不十分だった海洋底拡大説が、どのようにして実証されていったか?から入っていきたいと思います。
4.「古地磁気学」と「海洋地殻岩石の年代測定」による海洋拡大説の証明【1960年代】
「古地磁気学」については、前回記事でも触れましたが、概ね以下の仕組みです。
・鉄やニッケルなどの金属は磁場に置かれると,磁場と同じ方向に、磁場の強さに比例した強さで磁化される(←残留磁気)。
・残留磁気は磁性体がある温度(キュリー温度、鉄の場合は1043℃,酸化鉄のマグネタイトでは575℃)以上になると失われ、キュリー温度より少し低い温度では強く磁化される。
・マグマの中には強磁性体物質が含まれており,中央海嶺から海中にマグマが噴出し固化するときにキュリー温度を通過、そのときの地磁気の状態が記録されるため、これを調べることで、当時の地球磁極の位置と強さを知ることができる。
と、いうものです。
また、過去に何度も地球のN極とS極が入れ替わる磁極の反転が発生しており、(100万年あたり1.5回程度の頻度)海洋地殻岩石の磁気を調べてみると、
中央海嶺の両側に対称的な縞模様が見つかり、これによって中央海嶺で誕生した海洋地殻が水平方向に移動していることが明らかになりました。
そして、海洋底拡大説を確認するもう一つの方法は、実際に海洋地殻をボーリングして岩石のサンプルを入手し、その年代を測定することです。
この結果も中央海嶺から 離れるほど海洋地殻は古いことが明らかになり、この2つの観測事実により、海洋底拡大説は広く受け入れられるようになりました。
【ここが疑問】 🙄 🙄
・これらの現象は全ての中央海嶺に見られる一般的なものなの?
5.「プレートテクトニクス」理論の登場【1968年】
プレートテクトニクスに至る歴史的経緯をおさらいすると
1900年・・・地殻とマントルの不連続面(モホロビチッチ不連続面)発見
1915年・・・気象学者ヴェゲナーにて「大陸移動説」提唱
1929年・・・ヴェゲナー支持者であるアーサー・ホームズによって大陸移動の原動力としての「マントル対流説」提唱
1961年・・・地震は地球上に均質に分布せず、線を描くように分布していることが判明(←プレート境界線)
1962年・・・ヘス&ディーツにて「海洋底拡大説」提唱。
となりますが、いよいよこれらを統合する形で1968年にトゥーゾー・ウィルソンによって「プレートテクトニクス」理論が登場しました。
●「プレートテクトニクス」とは?
・地殻と外部マントル上端の固い部分(上部マントル)を合わせてリソスフェア(岩石圏)と呼び、その下の流動性のある部分をアセノスフェア(岩流圏)と呼ぶ。
・固いリソスフェアはいくつかのブロックに分かれており、その一つ一つをプレートという。
・流動性のあるアセノスフェアの上にブロックに分かれた固いプレートが浮いている状態。
・アセノスフェアは内部の熱的な変化に合わせてゆっくりと対流し(マントル対流説)、その上に浮いているプレートはその動きに合わせて水平方向に移動する。
地球の断面~下部マントルの上にプレート(地殻+上部マントル)が浮いている状態
対流するマントルに浮かんだプレートが移動するイメージ
画像はこちらからお借りしました。
【ここが疑問】 🙄 :roll:
・“流動的な岩石”ってあり得る?どんな状態?
・アセノスフェア=マントルは本当に対流しているのか?だとしたら、その原動力は何か?
●7つの大陸は10個のプレートの上に乗っている
地球の表面を覆うプレートは、十数枚あり、その厚さは約100kmと言われています。
また、“海側のプレート”が“陸側のプレート”の下部に潜り込む図をよく目にしますが、それらは同質ではなく、大陸プレートと海洋プレートは組成が異なり、その密度は「大陸プレート<海洋プレート」となっています。
(ヴェゲナーの時代には目に見える「大陸と海」しか認識できず、「大陸移動」という発想に結びつきますが、実は動いているのはより広範囲なプレートであり、大陸は海面から顔を出したプレートの一部だったわけです。)
地球の表面を覆うプレート
【ここが疑問】 🙄 🙄
・プレートの境界はどのようにして発見されたのか?未発見のプレートの存在は?
・プレートの移動はどのような方法で確認されている?また、全プレートの移動は確認(測定)されているのか?
・大陸プレートと海洋プレートは、各々どのようにして形成されるのか?その違いはなぜ生じるのか?
長くなりましたので、ここで一旦切ります~
次回は引き続きプレート境界がどのようになっているのか?から再開したいと思います。
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