2012-02-18

【自然災害の予知シリーズ】-14-<最終回>~地震予知は、(ULF、VLF、ラドン、熱)観測の“重ね合わせ”により十分可能性がある~

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地図は、1963年から1998年の間に世界で発生した地震の数(358,214 回分)をドットで示したものです。
 
「In Deep」様よりお借りしました。)

東北大地震の惨事を通じ、(現・近代人が喪失していた)自然のもつ力への畏れを、誰もが抱いたのではないでしょうか。

今回東北地方を襲った大津波にたいしてもっとも有効な対応手段が、ともかく高所に逃げろという先人の教えであったことは教訓的である。
私たちは古来、人類が有していた自然にたいする畏れの感覚をもう一度とりもどすべきであろう。

【福島の原発事故をめぐって 山本義隆著】より引用

人類は、他の生き物と同じように、自然の摂理の一部として存在しています。
自然の摂理のなかで、生活する地の自然環境に依存し、自然と一体になることで適応して存在しているのです。
だからこそ、自然という現実対象を、己と異なり独立して存在する客体対象とするのではなく、己の存在を全的に規定している生命あふれる主体対象として、畏敬観をもって注視することが何よりも重要なのです。
そのなかから少しでも自然に同化し、自然の摂理を謙虚に学び則ることが、大自然の外圧に適応して存在する唯一の道です。

人類にとって脅威である地震、雷、津波、大雨等々は、自然の摂理の現象であって、それを人間が操作できるものではありません。(そもそも、自然から収奪するために支配し操作しようとする近代科学の背後にある発想が“天に唾をはく”傲慢な態度です。)
しかし、その自然現象が起こる“予知”ができれば、少なくとも多くの犠牲者を出すような災害にはなりません。
人々に求められていることは、自然の摂理をそのまま現実として受け入れ、そこに適応するための予測・予知の中身です。
その時に、近代科学でいうところの科学的因果関係が実証されるに至っていなくても、現象事実に基づく先人の知恵や統計的相関性がある程度見出されれば、現実に人々の役に立つ認識になります。

【自然災害の予知シリーズ】-1-世界的にはここ30年、日本ではここ10年で自然災害が急増

上記の問題意識のもとにこのシリーズをスタートしましたが、いよいよ最終回です。
最終回の論点は3点です。

◎ここまでのシリーズのまとめ
◎それを受けて、地震予知のもっとも有効な観測手法
◎地震予知の実現に向けて

(さらに…)

  投稿者 kirin | 2012-02-18 | Posted in D05.自然災害の予知No Comments »