プレートテクトニクス説のウソ⇒『新地震の仕組み』その9~その他の地震学説
本シリーズでは、これまでプレートテクトニクスの矛盾と、新しい仮設として熱移送説を紹介してきました。今回は、地震に発生原因について、それ以外にどのような学説・仮説があるのかを調べてみました。
今回紹介するのは、山本寛氏の「水素爆発説」と、石田昭氏の「解離水爆発説」です。いずれも共通しているのは、地震の原因は「水が関係した爆発ではないか?」という点です。
そして、水と地震には因果関係があるのではないか?ということは、以前から現象事実から類推されていたようです。
『降雨と浅発地震』京大前総長・尾池和夫氏(地震学者)の論文より
①アメリカのコロラド州デンヴァーの郊外で、放射性の廃水を深井戸に注入した時、それまでまったく地震の発生していなかった地域であるにもかかわらず、小地震がその井戸の近くに発生し始めた。1962年3月に注入が開始されたが、1967年にはついにM5以上の地震が数個も起った。
②松代群発地震(引用者注:長野市付近で1965年8月から約5年半もの間、計71万回も続いた、世界的にも稀な長期間にわたる群発地震)の活動域でも注水実験が行われ、注水の数日後に微小地震が増加することが確められた。
③ダムの建設後、貯水とともにその付近に地震が発生したという報告も多い。中国広東省の新豊江ダムでも、1959年10月から貯水を始めた後、地震が発生し始め、最大のものは1962年5月になって起ったM6.1の地震だった。
それでは、「水素爆発説」と「解離水爆発説」の概要をみていきたいと思います。
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【山本寛氏の水素爆発説】
るいねっと『山本寛氏著「地震のウソ」より』
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=252182
・地殻の沈み込みによって水が地中深くに送り込まれる。鉄などの金属に触れると「原始状の水素」が発生する。その水素が核融合し爆発する。(その過程は省略)原始状の水素のガスが、岩石の割れ目を通る時に、冷やされ「原始状」から「分子状」に変化。つまり「原始状の水素ガス」の圧力があるレベルに下がると着火=地震となる。
・火山ガス中の「ヘリウム3」と「トリチウム」(三重水素)の検出を根拠に、地球内部で「重水素」の核融合が起きている。
・余震は水素ガスたまりの分布による。
【石田昭氏の解離水爆発説】
るいネット『石田昭氏が提唱する「解離水の爆発による地震の発生機構」』より
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=252643
○解離水爆発のメカニズム
高温、高圧の地下深部にある水は、温水⇒熱水となり、熱水状態を超えると蒸気⇒超臨界水(液体と気体の区別がつかないような状態)となります。さらに温度が上昇すると、酸素と水素に熱解離(=解離水)します。この限界の層を解離層と呼んでいます。
1.通常は解離層内の結合水(=超臨界水)は安定しています。
2.圧力の低下、あるいは周辺温度の上昇によって、解離層の位置が上がり、解離度が増加します。(結合水領域が地表側に上昇=解離水の解離度領域の拡大)急激な上がり方をすると、マグマ溜りの内部では、解離した水素ガスと酸素ガスの混合気体(=解離水、理科の実験では爆鳴気とも呼ばれている)が蓄積されて、圧力が増大します。これが岩盤にマイクロクラックを発生させ、地震の前兆現象を起こす可能性があります。
解離反応は熱を奪う反応ですので、マグマ溜りの周辺温度はこの時には局部的に低下していきます。
3.解離が終了すると、今度は周囲からの熱が移動してきますので、周辺温度は元の温度に戻っていきます。
爆鳴気とも言われる解離水ですが、すぐに着火することはありません。しかし次第にその外縁から熱の移動を受けると、低温度領域が減少して、そして、爆鳴気の爆発条件に達した時、着火となり、爆発します(=解離水爆発:熱解離によって蓄積された水素ガスと酸素ガスの混合気体の爆発)ここまでが地震の第一段階といっていいでしょう。
4.爆発後は、混合気体が超臨界状態の結合水に戻りますので、圧力が降下して、マグマ溜りは潰れてしまいます。これが地震の第二段階です。爆発によって熱が放出され、解離層は地震の前の位置まで下がります。
(爆発は結合反応で、熱を放出しますので、再び結合水に戻ると共に、温度を回復します。)
地震現象には押し引き現象という特有の現象がありますが、第一段階の爆発で「押し領域」ができ、第二段階で「引き領域」ができます。その境界に大地震になるほど断層という地震の傷跡が現れるのです。
解離反応と結合反応が繰り返し起こっていることが余震が続く原因です。余震は解離条件が安定するまで終わることはありません。以上が解離水爆発(爆鳴気爆発)のメカニズムです。
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