安全と安心のギャップだって?・・・(SPEED’98とExTEND2005の間に何が?)
大晦日の記事
『ダイオキシンの規制強化』も『内分泌撹乱化学物質の規制骨抜き』も、
『儲かるものが一番』という『市場原理』の、『表と裏』だったのです!
を読んでからずっと、環境ホルモンってほんとに大騒ぎしておきながらその後どうなったのか気になっていました。
環境ホルモン問題がクローズアップされた1990年代に、環境庁は「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」―(1998/5/13環境庁)―を発表、かなり強いワーニングを発信している。http://www.env.go.jp/chemi/end/endindex.html
SPEED‘98
人や野生生物の内分泌作用を攪乱し、生殖機能阻害、悪性腫瘍等を引き起こす可能性のある外因性内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)による環境汚染は、科学的には未解明は点が多く残されているものの、世代を越えた深刻な影響をもたらすおそれがあることから環境保全上の重要課題である。
(1)内分泌攪乱化学物質問題
「外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)」とは、「動物の生体内に取り込まれた 場合に、本来、その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物 質」を意味する。
近年、専門家より環境中に存在するいくつかの化学物質が、動物の体内のホルモン作用 を攪乱することを通じて、生殖機能を阻害したり、悪性腫瘍を引き起こすなどの悪影響を 及ぼしている可能性が指摘されており、環境保全行政上の新たで重要な課題の一つとなっ ている。
3.本問題に対する環境庁の対応方針について
(1)基本的な考え方
内分泌攪乱化学物質問題については、科学研究の分野においてはいまだ緒についたばかりであり、科学的には不明な点が多々残されている。しかし、これまでの科学的知見が指 し示すように、人の健康及び生態系に取り返しのつかない重大な影響を及ぼす危険性をはらんだ問題である。
このため、学際的なフォーラムの下で科学的研究を加速的に推進しつつ、行政部局においては、今後急速に増すであろう新しい科学的知見に基づいて、行政的手段を遅滞なく講 じうる体制を早期に準備することが必要となる。
「人の健康及び生態系に取り返しのつかない重大な影響を及ぼす危険性をはらんだ問題」
という表現に相当な危機感を抱いていることが伝わってくる。今、本腰を入れて取組まなければ人類の未来は大変なことになるぞ・・・と。
それが・・・
21世紀に入り、2005年に環境省は第三次環境基本計画における重点的分野「化学物質の環境リスクの低減」報告書のなかで次のような総括をしている。
http://www.env.go.jp/chemi/kongo/051124_1.pdf
そして、発表したExTEND2005 化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について
ではリスクコミュニケーション、つまり「安心」情報の提供が対策の大きな柱とされている。
http://endocrine.eic.or.jp/extend2005/index.html
SPEED’98における「分泌かく乱物質の取り返しのつかない重大な影響を及ぼす危険性」は単に「環境リスク」という言葉に置き換えられ、不安が先行する国民にわかるように正しい情報・知識を公開してやることが重要であるということらしい。
要するに「(科学的知見に基づく)リスク評価方法を共認し、バカな国民に不安を与えない情報を産・学・官の三位一体で作っていきましょう。そうすれば業界も行政も当面この問題に悩まされることはないでしょう。」
というふうに私には読めるのだが・・・。
98年から2005年にかけての環境省のこの変貌ぶりは、内外の産業界から相当な圧力が働いているとしか思えない。ちょうどあの人が首相やってた時期とも重なるし・・・。
「石油化学製品が悪者になるとオレたちの立つ瀬がない」という自己チューな産業界が人類の未来を滅茶苦茶にしようとするのを、私たちは黙って指をくわえて見ているしかないのだろうか。
トンデモナイ話だ・・・
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by tatikawa
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