2010-07-12

『次代を担う、エネルギー・資源』バイオプラスチックの可能性3~バイオプラスチックの種類~

前回のエントリー『次代を担う、エネルギー・資源』バイオプラスチックの可能性2 ~バイオプラスチックとは~ では、石油由来の「プラスチック」に変わる「バイオプラスチック」への転換期待が示されました。
    
「バイオプラスチック」は文字通り「バイオマス」を使うことで、化石燃料に頼らないという将来転換を見越した重要なポイントがあります。
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      「地球の未来・循環図」  日本自然工業㈱からお借りしました。
  
         
そしてその製造方法も、すでに幾通りかが実践されているのです。
例えば、トウモロコシなどのデンプン系のものは生分解性が高く、「生ゴミ袋」等として利用されています。
綿花や木材繊維を元にしたセルロース系は古くから生産されており、酢化度に応じて「包装用途」、「射出成形用途」、「繊維」、「塗料」として利用されています。
また新しい試みとして木材樹脂を元にしたリグニン系なども実践されています。
バイオプラスチックの種類を製造課程で分類すると、
        
 1.穀物・デンプン系で作られるもの・・・・・・ポリ乳酸(PLA)
 2.繊維・木質系で作られるもの・・・・・・・・・セルロース系(CA)
 3.樹脂・木質系で作られるもの・・・・・・・・・リグニン系
 4.微生物で作られるもの・・・・・・・・・・・・・・微生物系(PHA)

     
の4つに分類することができます。
では、次に「バイオプラスチック」の種類と、それぞれの特長と問題点を紹介します。
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以下の内容は
・『バイオプラスチック材料のすべて』 日本バイオプラスチック協会編集
バイオマスプラスチックQ&A 社団法人日本有機資源協会 
から引用させていただきました。
    
     
1.穀物=デンプン系で作る ポリ乳酸(PLA)
      
●特長
トウモロコシなどの植物澱粉を原料として、乳酸発酵による乳酸の重合により生成される。
     
  でんぷん → グルコース → 乳酸 → PLA
      
透明性、弾力性に優れています。また、ガラス転移温度が57℃と低いが、無機フィラー複合材料やケナフ繊維等を利用することにより120~130℃程度まで耐熱性を高めることが可能である。
製品としては、ごみ袋・レジ袋、包装用フィルムなどが作られている。

     
●問題点
現状、ポリ乳酸は飼育用のトウモロコシ(デントコーン)のデンプンを原料に生産が行なわれている。
バイオエタノール生産の為の穀物需要増加による食料高騰という問題が生じたのと同様、ポリ乳酸の原料としても、食べられない(非可食)バイオマス原料への転換が迫られてくるものと思われる。
食料問題とも関連することから、今以上に増産するのが困難な状況が生じる可能性が高い。   
     
     
      
2.繊維=セルロースで作る セルロース系
     
●特長
酢酸セルロースは、稲わらや茎、木材、綿などのセルロースのエステル化、及び生成したエステルの加水分解の二段階の反応を経て製造される。
     
  木材、綿(セルロース) → エステル化 → 酢酸セルロース(CA)
     
透明性、対衝撃性、成形リサイクル性、曲げ弾性率に優れている。
繊維や映画フィルム、録音テープのベース材として利用されている。

   
      
●問題点
セルロース系の硝酸セルロース(セルロイド)は、歴史上最も古い人工の熱可塑性樹脂であるが、極めて燃えやすく、摩擦などによって発火しやすく、耐久性がないという欠点があった。
セルロイドは、しばしば火災の原因となり、日本では消防法などで規制対象物に指定され、製造・貯蔵・取扱いが厳しく定められている。
代替品として不燃性の酢酸セルロースが作られるが、プラスチック類の代替品素材が目覚しく進歩し、ほとんど使われなくなった。
       
        
        
3.樹脂=リグニンで作る リグニン系
           
●特長
リグニンはセルロース、ヘミセルロースとともに、木材に約25パーセント含まれる有用な接着成分です。 
         
  木材  → セルロース、 リグニン 
        ↓
       エステル化(→酢酸セルロース)
 
                 
バイオマス原料のなかで、最も利用が難しいとされている。
   

          <リグニンの構造式例>  
    
●問題点
バイオマス原料のなかで、最も利用が難しいとされているのが芳香族構造を持つリグニンである。リグニンは芳香族環をもつフェニルプロパノイドが複雑に架橋結合により3次元網目構造をした巨大分子である。
またリグニンが多く含有されている木材では、セルロースやリグニンのセルロースと複雑な複合体を形成しており、純粋なリグニンを取り出すのは難しい。
しかし、パルプ生成における黒液にみられるように、エネルギーとしても大きな可能性を秘め、また強固な接着性能をもっていることからも、次代に期待したい素材である。
現状、市場で流通するまでには至らないのは、まだ研究課程であるという側面と、抽出するためのエネルギーやコストがかかることがその要因であると考えられる。
      
      
      
4.微生物=で作る  微生物産生ポリエステル(PHA)
     
●特長
PHAは、グルコースを炭素源として、微生物の体内で形成される樹脂である。
    
  植物性バイオマス → グルコース・植物油 →(微生物体内培養)→ PHA
硬質プラスチックで、生分解性、剛性、耐水性、ガスバリア性に優れている。
一方で、結晶性が高いため衝撃に弱く、単体ではフィルムやシート成型品には不向きである。
    
  
●問題点
結晶性が高いため衝撃に弱く、脆いという欠点があるため、単体ではフィルムやシート成型品には不向きである。
別の成分モノマーを導入してさまざまな共重合ポリエステルが開発されている。
可能性はありそうなのですが、微生物関連に関しては、藻から石油に転換していく技術に期待したいと思います。
            
       
          
5.バイオプラスチック普及の現状
     
バイオプラスチックの種類をみてきましたが、現状ではデンプン系から作る「ポリ乳酸」以外は、なかなか生産量を多くして流通するまでには至っていないのが実情であるようです。
      
セルロース系もセルロイドは古くからありましたが、燃えやすい欠点と石油系プラスチック類の代替品の進歩により、普及量も減少していきました。
      
石油資源を考えると、石化燃料に頼らない、バイオプラスチックの普及が期待されるところですが、 バイオプラスチックは、石油製品に取って変わるまでには至っていないのが現状のようです。
     
             
次回はバイオプラスチックの普及に向けて、新しい技術開発による可能性をとりあげてみたいと思います。

List    投稿者 kaz-tana | 2010-07-12 | Posted in E05.バイオプラスチックの可能性17 Comments » 

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コメント17件

 ジャギ様 | 2011.05.02 21:17

 非常に興味深い話です。
 私は大陸移動も含めてプレートテクトニ二クス理論は崩れないと思っていましたが、地球の資源の偏在や組成も相当異なるので、一律の見方で地震のメカニズムは解明できないのかもしれません。
 今後の展開に期待します。

 匿名 | 2011.05.02 21:25

いろいろ認識の間違いがあると思います。
まず、些細なことではありますが、「プレートテクニクス」ではなくて「プレートテクトニクス」です。
全体的に気になるのは、何をもって「プレートテクトニクス」とかプレート説とおっしゃっているのかわからないという点です。記事を読む限り、学校の教科書に載っている簡単なポンチ絵をもってプレート説であるとお考えになっているらしいということです。これは誤りです。プレートテクトニクスは現代の地球科学の一部を構成しており、そもそも輪郭のはっきりしたものではありませんし、時とともに改良されてゆきます。狭い意味でのプレート説では説明できないことでも、現代の地球科学としては一応の説明があることもたくさんあります。というわけでいったい何を批判されているのか良くわからないというのが全体的なことです。
そのうち時間があれば、個別の点についてもご指摘いたします。

 trilobite | 2011.05.02 21:51

上の 21:25 の投稿をした者です
では、次に [1] について
四川地震のような地震に関しては、インドがユーラシアプレートに衝突した影響であると説明するのが普通です。プレートテクトニクスの考え方を、「プレート内部は剛体的に振る舞う」という風に教条的にとらえればプレート説では説明できないということになるかもしれませんが、地球科学者でそう考えている人はまずいません。プレート同士の衝突が起これば、当然どこかが変形しないとつじつまが合わないわけで、インドの衝突の場合はかなり広い範囲に影響が及んでいます。
例:http://jishin-info.jp/column-07/column-07f.shtml
アフリカの中央ちょっと東寄りの大地溝帯で起こっている地震は、大地溝帯の成因と関わっています。大地溝帯は、プレートの拡大境界ができつつあるところ、すなわちアフリカプレートが今2つに分かれようとしているところだと考えられており、そういうところで地震が起こるのは自然です。これも、プレートは剛体と教条的に言ってしまうと説明できませんが、上の意味ではプレートテクトニクスによって説明できているという言い方ができます。
なお、地震というのは、単に地面が揺れる現象という意味ですから、プレート運動とは直接的にはあまり関係のない地震ももちろんあります。でもそういう地震があるからといって、プレートテクトニクスが否定されたことにはなりません。たまたま、上で例として挙げてある四川とかアフリカ地溝帯の地震は、上に書いた意味でプレート運動と関係があると考えられます。

 trilobite | 2011.05.03 21:20

次に [2] に関して
日本海溝が深さ10kmの断崖絶壁だとおっしゃる根拠がここで引用している図だとすると、この図の深さと水平方向の縮尺が全く違うことにご注意ください。緯度の1度が約100kmであることから、この図は深さ方向が強調された図であることが分かります。その意味では海溝はけっこうなだらかです。
プレートが長い時間に渡って移動している証拠で代表的なものには、教科書に良く出ている地磁気の縞模様があります。それのどこが不満足なのかわかりません。
また GPS で観測されているようなプレート間の相対運動をどう解釈されたいのかもよくわかりません。素直に解釈すれば、プレート運動です。

 trilobite | 2011.05.05 21:20

次は [3] について
これもプレート概念をあまりにも杓子定規にとらえられていると思います。プレート概念が典型的に当てはまるのは、海洋プレートであって、しかもおおざっぱに運動をとらえる限りにおいてです。ここで扱われているような話ではもっと丁寧に考えないといけないということは、地球科学者にとっては当然のことです。
まず問題になるのは、プレートの厚さです。海洋プレート以外では、リソスフェアがそもそもちゃんと定義できるのかどうか明らかではありません。たぶんできないでしょう。そこで「岩盤の厚さが100km」というのはあまり意味がありません。このような変形を扱う際には、地殻やマントルの力学特性をもっときちんと考えないといけません。念のため書いておけば、このことはプレートテクトニクスを否定することにはなりません。プレートテクトニクスはあくまでも地表の動きを説明するためのおおざっぱな枠組みであるととらえるべきだからです。プレート運動によって起こるプレート境界付近の変形は、一段細かい力学を考えなければなりません。
その上で、断層間の間隔が説明されているかというと、私はその分野の専門家ではないのでよく知りません。ただ、日本のような場所では、地殻の「硬い」部分(下の文献ではこれを「プレート」と呼んでいます)の厚さは10-20km程度だと考えられているということを記しておくにとどめます。
参考:岩波講座地球惑星科学8「地殻の形成」第4章「地殻の変形とテクトニクス」

 trilobite | 2011.05.05 21:27

最後に [4] について
細かくコメントしたい点もありますが、大事な点をひとつだけ。
断層の耐力(これは工学用語で地震学者は別の単語を使いますが)が時間とともに変わるということは、地震学者がここ数十年議論し続けていることであり、その議論の中に加わるのは結構なことかと思います。しかしながら、[1]-[3] のようなことを言っていると相手にされないのでご注意ください。

 hihi | 2011.05.07 21:05

ジャギ様さま
ありがとうございます。私もプレート説を疑っていませんでした。しかし、いつまでたっても、地震予知が進みません。20年位前には予知できるはずと期待されていたと思うのです。
何か上手くいかないときは大元の理論(あるいは情報)を疑って見る、というのが手です。初めての分野で戸惑っておりますが、出来るだけやってみます。

 hihi | 2011.05.07 21:30

trilobite様
ご指導ありがとうございます。
はい、「プレートテクトニクス」です。(笑)
このシリーズを始めた意図を書きます。
今回の大震災を経験し、日本人の多くは色んなことを考え始めました。地震のメカニズムが判っているなら、なぜ予測できないのか?
一体、学者たちは多くの研究費を消費しながら、次は東海・南海と言い、今回完全に外してしまいました。
役立たずの菅はまだ、「次は東海」とパフォーマンスで浜岡原発を止めるつもりですが、そこだけでいいのか?
阪神→中越→東北と来たら、次は北海道じゃないのか?
学者たちの「定説」を信用して良いのか?
あくまで、我々は素人ですが、素人なりに追及していきたいと考えます。
学者たちの言う事は鵜呑みにしない、というのが原発対応も見た国民の素直な感覚だと思います。
一連の記事は「るいネット」からの引用ですが、角田史雄氏の「熱移送説」を元に書かれています。
この説が絶対だとも考えていません。
trilobiteさんが専門家なら、横からイロイロ指摘していただければ幸いです。

 trilobite | 2011.05.08 16:03

hihi 様
お返事どうもありがとうございます。私は地球科学の専門家ですが、地震学者ではありません。
おっしゃりたい気持ちは良くわかります。しかし、いわゆる地震予知の問題と科学そのものの問題は一応区別すると良いと思います。
いわゆる地震予知事業がさまざまの問題点を抱えている事はお気付きの通りですが、私が見るところズバッと核心に迫る批判が世の中にはあまりないと思います。これは社会的な問題で、そもそも科学を国がどの程度支えるべきかという事に対する基本的な立場がはっきりしない人が批判しても批判力が足りなくなるという問題があります。
もしも地震予知事業を批判されるなら、科学を批判されるより、地震予知事業を即刻中止せよと言うのがストレートです。ちょっとやそっとのことでは予知は無理だと思います。
なお、私が知る範囲では、「次は東海」とは地震学者は言っていないと思います。従来の(今回の大震災が起こる前の)評価によると、
http://www.jishin.go.jp/main/choukihyoka/kaikou.htm
最も起こりそうなところは宮城県沖であったし(もちろん規模は全く外れましたが)、東南海も千島海溝沿いの地震もまあ同程度に起こりやすいと考えられていると思います。もっとも、この確率にはそれほどたいした意味はなくて、目安程度のものでしかありませんが。

 hihi | 2011.05.10 17:05

trilobite様
返信ありがとうございます。
正直、何を仰っているのかよく解りません。
まず、批判しているのは、地震学者、地球科学専門家といった方々に対してです。
(原子力専門家に頭に来ているのも確かですが。笑)
予算が付くとか付かないとか、そんなことは知りません。
もう一度書きます。
「なぜ、地震のメカニズムが解っているなら、その予測が出来ないのか?」
なぜ、出来ない言い訳ばかりが出てくるのか?
諦めるべきものでは無いと思うのです。
仕事に真摯な科学者であれば、おそらく苦悩されていると思うのです。
社会から期待されているのはまさにそのこと、予測です。
日本人にとっては悲願です。
なぜ、その期待に応えられないのかと。

 trilobite | 2011.05.10 17:47

端的に言えば、おっしゃるような意味では、地震のメカニズムはわかっていないというべきです。
問題はいくつかあって、
(1)「わかる」ということには、いろいろなレベルがあります。現状では、予測が出来るレベルで分かっているとはとても言えません。
(2) メカニズムが分かるということと、予測できるということは別のことです。
(2a) メカニズムが分かった結果、予測できないことがわかった、ということもありえます。
(2b) メカニズムが分かっても、 周辺の物性とかひずみや応力の状態がきちんと観測できていないと予測は無理です。そのような観測はできていません。
以上、いいわけではありません。起こっていることは実際問題として単純ではありません。

 trilobite | 2011.05.10 17:52

17:47 への追記
(2c) メカニズムが分からなくても、予測できるということもありえます。現状の地震予知研究のある部分はそれを狙っています。

 hihi | 2011.05.17 20:22

遅くなりました、すみません。
(2C)メカニズムが分からずに予測するとしても、必ず仮説は立ててるはずです。何の仮説も無く観測するというのはありえないと思います。
(2ab)メカニズムが分かっているなら、何らかの手が打てるはずです。分かったつもりのメカニズムに間違いが無いのか?というのが本シリーズの趣旨です。
(1)「プレートの歪の開放が地震を起こす」というのは十分メカニズムだと思います。

 trilobite | 2011.05.19 21:04

hihi様
ものごとはそれほど単純ではありません。まず、予知というものをどの範囲で考えるかですが、長中期予測はこの際外して、緊急地震速報も外すことにします。まあ、だいたい一月以内にM7以上の地震を県レベルくらいの位置の正確さで分かるということにします。
そうしますと、現在の予知事業では、前兆現象を待っているのが基本路線です。もっと正攻法はないかという事も問題になりますが、それは後回しにして、前兆現象を考えましょう。
前兆現象に関しては、メカニズムがよくわかっていません。もちろんさまざまな前兆現象のメカニズムにはそれぞれ諸説ありますが、いずれもそれを用いて予知に使えるレベルにはありません。したがって、たいへんこころもとありません。これが、前の (1) の意味(の半分)でした。もちろん上に述べたようにメカニズムに関する仮説はいっぱいあります。しかし何が正しいのかもわかりませんし、したがって実用レベルでもありません。ただ、経験則レベルではひょっとして予知できるかもしれないというのが (2c) の意味です。経験則レベルのものを仮説とおっしゃるのならば、おっしゃる通りで、予知ができることを否定するものではありません。東海地震は予知できるかもしれないという根拠の一つは、前の東南海地震の前に地殻変動があったとされることによります。もちろんこれには、本震の前に前兆的に断層がすべっているのだろうという程度の仮説はあります。さらにいえば、地震発生の理論によってはそのような滑りが出ることを予測するモデルもあります。
正攻法に関しては、また暇を見つけてメールします。

 kubtak | 2011.05.26 2:56

古い知見もなかなか面白いですよ。http://www.youtube.com/watch?v=RhXRZ4bRXNk&feature=related

 trilobite | 2011.05.28 19:19

hihi様
次は、正攻法でどうか?という問題です。
まず、地震のメカニズムは、「地下に応力(もしくは歪)が蓄積されて、それが断層の破壊強度を超えると地震が起こる」ということにしましょう。なお、この場合は、プレート説を取るかどうかとはあまり関係がありません(もっとも、プレートが存在しないなんていう専門家はいないと思いますけど)。
正攻法で予知するならば、地下の応力(歪)と断層の破壊強度をモニタしておいて、そろそろ破壊しそうかどうかを判定するということになります。この場合の問題は、応力(歪)も破壊強度も測定が非常に困難であることです。これが (2b) の意味です。歪の変化分は比較的測定しやすい量なので、陸上の地表部分では非常に密な観測網が日本にはあります。しかし、これは変化分であって歪みそのものではないことと、地下の断層付近での測定はできていないことが問題です(穴を掘るには莫大なお金がかかります)。応力測定はいろいろな困難を抱えていますし、破壊強度に至ってはどうやって測ったら良いかもよくわかっていません(ご指摘の通り時間変化するはずですし、地下のその場の状態で測定しないといけないのに掘削は困難です)。
もっといえば、正攻法でどこまでいけるのかもわかっていません。つまり、破壊現象には偶発的要素もあるので、どこまで決定論的かも良くわかっていません。これが (2a) の意味です。
以上のようなわけで、正攻法は今のところほとんど手が付いていません。内陸の地震が起こる深さは 10km くらいなのですが、そんなに深い穴は掘る技術がないのが、最大のネックだと思います。もっと間接的な手段を使うよりないでしょうけど、その技術も今のところないということです(それを目指して開発されている技術はありますが)。
まとめると、正攻法での予知は、メカニズムが分かっていても観測ができないのでどうしようもありません。それと、上の意味のメカニズムであれば、プレート説を取るかどうかとはあまり関係ないので、プレート説を攻撃してみてもしかたありません。

 みかん | 2011.05.28 20:49

trilobiteさん hihiさん
記事・コメント読ませていただきました♪
白熱していてすごいな~!
地震予知って気になるよね~!
と思っていましたが…読み進めているうちに
どんどんよくわからなくなってきました。。
hihiさんは「地震を予知できるようになりたい!どうする?」という
実現したい目標をはっきりさせて記事を書かれています。
trilobiteさんは何を実現されたいのでしょうか?
trilobiteさんがどんなに“論理的っぽく”書いても、
実現したいことが何か見えないですし、
ただ知っていることを並べられても言い訳にしか聞こえないです…(>_trilobiteさん hihiさん
記事・コメント読ませていただきました♪
白熱していてすごいな~!
地震予知って気になるよね~!
と思っていましたが…読み進めているうちに
どんどんよくわからなくなってきました。。
hihiさんは「地震を予知できるようになりたい!どうする?」という
実現したい目標をはっきりさせて記事を書かれています。
trilobiteさんは何を実現されたいのでしょうか?
trilobiteさんがどんなに“論理的っぽく”書いても、
実現したいことが何か見えないですし、
ただ知っていることを並べられても言い訳にしか聞こえないです…(>_<;)

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