2007-08-14

循環型社会 実現の条件は?

http://www.pref.shiga.jp/imazu-pbo/denen/noukan/sedai/sedai.htmlkinosaki_danjiri_001_s2.jpg
  みなさん、お盆はいかがお過ごしでしょうか?このお盆に限らず、持続、継承されている伝統的な祭りや習慣を感じる時期ですね。思い起こせば、縄文の古以来、われわれ日本人は、神道という認識体系を通じて循環型社会(=持続可能な社会)を実現してきた大いなる遺産を受け継いでいるのです。つまり、これからの循環型社会を考える上で、かなり重要な要素が横たわっていると思います。
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 持続できる=サスティナブル社会、しばしば話題に取り上げられますが、きっかけは、1992年 地球環境サミットのリオデジャネイロ宣言や行動計画(アジェンダ21)に「持続可能な開発」として盛り込まれたことによります。ここでいう意味は、環境的に健全で持続可能な経済発展」ということです。
 以降、CO2排出権取引や、代替エネルギー問題で露わになってきたように、ごく一部の市場原理支配者が、環境を食い物に儲かる仕組みを造るための口実に過ぎなかったのではないかという疑いを抱いてしまいます。
 では、本来の意味で、何が必要なのでしょうか?
 ここで、るいネットで投稿させて頂いた事例をふたつ紹介します。
●滋賀県「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策事業」
http://www.pref.shiga.jp/imazu-pbo/denen/noukan/sedai/sedai.html
 滋賀県では、武村知事の時代から、琵琶湖を巡る環境問題の取り組みには力を入れていた。しかし、モノや単一事業に資金・人を投入しても、市場社会のなかで、しかも縦割り行政の枠内では必ずしも効果をあげてきたとは言い難い。これを突破する発想の転換がなされた事業だととらえられる。つまり、農村となる主体まるごとに対して、支援(資金投入も含めて)していく考え方である。ホームページには、
 この事業は、農業者を中心に多様な主体の参加を得て総合的・一体的に実施する活動をする「活動組織」をつくっていただき、これに対する支援を行うものです。「活動組織」は市町と協定を締結し、その協定には以下の活動・取組を位置づけます。
・農村をまるごと保全する共同活動への支援農地、農業用水等に関する地 域ぐるみで保全し、質を高める効果の高い共同活動
・環境こだわり農業への支援地域の環境保全に向けたまとまりのある先進 的な営農活動
・これら活動の質をさらにステップアップさせる取組

 と謳われている。このためには、地域社会としての仕組みを再生させなければ成立しないことは明白であり、先進的な行政者にとっては、この課題が顕在化してきたといえる。そして、共同活動の手順として、
・「活動組織」の設立……活動の母体として、集落などを単位とし、農業 者を中心に多様な主体が参画し規約の作成
・「活動計画」の作成……活動組織における話し合いにより活動指針に照 らして必要な基準を満たした計画策定
・「協定書」の締結……活動計画に基づき市町と締結
・活動の実践……活動計画に基づき質を高める効果の高い共同活動を実践
・活動の実施報告……活動組織は活動の実施結果を市町に報告
・市町の履行確認……市町は活動組織から報告された活動内容の履行確認
・支援金の交付

 という流れを想定している。特筆すべきは、活動計画の決定原理が話し合いという共認原理であることだ。これまでの環境運動にはない、地に足がついた当事者としての自分達の活動として意識される先進事例である。
●栃木県芳賀町 ドンカメ
栃木県芳賀町は、循環型社会「環の町芳賀」として、地域の有機資源の循環を推進している。平成13年以降、生産農家の堆肥購入に助成しているが、年々増え続けている。そのカギを握るのが、農事組合法人→有限会社ドンカメである。
 代表の小久保氏曰く、「地域の全ての有機物資源(生ゴミも含む)を堆肥にして農地へ還元するという昔ながらの土作り」があるべき姿ではないか」という思いから出発した。今では、商店街、家庭、事業所からの生ゴミを仕入れ、堆肥を生産し、今や70件の農家に納入している。
 活性化のカギは、学校給食への定期的な野菜の納入で、農家の意識転換=子供が食べるものをつくっているという期待を生んだということが見逃せない。発信元はドンカメの期待なのだろうが、農民の子供に対する思いやり=子供達にはまともなものを食べさせてあげたい=半端なものはつくれないという期待が沸き起こり、そして持続していることが地域全域に拡大していく契機となった可能性が高い。なんと、平成16年には町内の全小中学校給食へ米は100%、野菜は50%も供給している。
 行政⇒ドンカメ⇒地域住民⇒農家⇒学校給食を食べる子供達という期待の循環こそが、地域を巻き込んだ社会的循環を形成することである。即ち、これこそが地域共同体の再生であるといえる。この視点は、多くの環境や地域の活性化政策、事業において必要不可欠なものではないかと思う。物質だけの循環では成立しないことを示す事例である。
  
  つまり、循環しているのは、物質やエネルギーのみならず、それに先行して、
■人々の期待が循環していることです。
そして、そのためには、自分たちの問題として、
■当事者になりきった意思決定がなされていることが条件となります。
 ハード面のシュミレーションも必要ですが、期待に応えられたときの充足感が持続することが不可欠なのではないでしょうか?それが実現へのポイントとなるのではないかと思います。
 
 さらに、縄文以来の認識体系への転換が求められます。
■われわれの深い潜在意識をして対象をありのままに認識する思考を再生することが不可欠です。
 
 以上の3点が実現の鍵となるのではないでしょうか?

List    投稿者 y.suzuki | 2007-08-14 | Posted in I02.循環型社会ってなに?4 Comments » 

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コメント4件

 しみず | 2007.10.27 23:56

今、なに不自由なく生活できるのは、「原子力」のおかげといっても過言ではありません。しかし、裏を返せばこれだけの犠牲と一歩間違えれば人類滅亡につながるようなハイリスクの中に成り立ってるんだなと最近感じます。
世界中の様々な各施設で様々な核の問題を取り上げてるホームページを見つけました。
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/nuclear_age/index.html
自然の摂理を考えるうえで、「核をどうするか?」というのはまったなしの外圧だと思います。これからの事実追求に注目します。

 kh | 2007.10.31 21:29

>….. 「原子力発電」。
>「現状の生活水準と決別できない私たち」にとって「なくてはならない存在」です。
意味深で、的を射てますね。
「現状の生活水準と決別できない人たち」が持続可能(サスティナビリティー Sustainability )を模索しながら、行き着いた先が原子力発電であった、なんてことがないことを祈るばかりです。

 mukai | 2007.11.01 0:29

各電力会社は『電気はガスに比べCO2発生量が少ないのでクリーンで
環境に優しいエネルギーです』とPRしている。
確かに原子力発電が増えていけばドンドンCO2は減ります。
また発電所でCO2が発生しますが各家庭など電気の消費場所での
CO2は発生しません。
このように危険性は隠してウソのPRをする電力会社が好きになれません。

 たっかさーん | 2008.01.15 14:24

ハンゲー登録してます 
よかったらどぞー

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