2020-02-13

手洗いってウイルス予防になるの?ウイルス感染から守ってくれるのは「喉と鼻の細菌叢」

前回の『すべての病気は感染性』では「腸内細菌環境を含む体内の微生物叢の状態の感染により病気が起こること」「次の世代の社会全体にも悪い体内微生物環境が感染していくこと」の可能性、我々と共生する微生物、細菌の重要性について述べました。

現在、中国初の新型コロナウイルスが世界に拡がりを見せています。そこで予防策として盛んに言われているのが手洗いやうがいです(インフルエンザ予防でもよく言われることですね)。
しかしその手洗い、本当に予防になっているのでしょうか?

『インフルエンザウイルス感染から私たちを守ってくれているのは「喉と鼻の細菌叢」だったことがアメリカの研究で判明。そこから悟った中国でのコロナウイルスの感染力が爆発的である理由』より引用します。

medicalnewstoday.com

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「石鹸の功罪」を冷静に考える

先日の以下の記事で、中国の武漢のひとつの病院での医療従事者の感染率が 30%近くになっているという医学論文の報告をご紹介しました。

しかし、2月6日のエポックタイムズ日本語版(大紀元)の記事を読みますと、武漢での医療従事者の方々の事態はさらに深刻なのかもしれません。

そこに掲載されている「武漢での医療関係者の感染者数と感染疑いの人の数」は、単純に計算すると、600人以上になっています。

中国のSNS上に投稿された写真。現在は削除されている

epochtimes.jp

また、この記事では、武漢市第七医院の集中治療室で診療を行っている医師の彭志勇さんという方を取材していますが、

「武漢市第七医院の ICU に勤務する医師や看護師の 3分の 2が新型肺炎に感染した」

と述べたことにふれています。彭志勇氏は、武漢大学中南医院の重症医学科主任でもあり、いい加減なことをメディアに述べるとも思えません。

記事は以下のようなものです。

武漢市の医療従事者500人以上感染か ネットユーザーが投稿

epochtimes.jp 2020/02/06

中国インターネット上では、新型肺炎が発生した湖北省武漢市の医療機関で、数多くの医療従事者が感染したとの情報がある。当局はこの情報を投稿したネットユーザーのSNSアカウントを封鎖した。

中国のSNS微博に投稿したのは投資会社 上善若水資産管理有限公司の創業者で会長の候安揚氏。また、ツイッターに中国国内の金融評論家・曹山石氏からも、同様の投稿があった。両氏が投稿した情報の写真は、湖北省で行われた新型肺炎の感染拡大防止の会議で撮影されたものだとみられる。もっとも早い感染は昨年12月27日にすでに発生していた。

また、武漢市協和病院が、感染者101人と感染の疑いのある者161人、計262人と最も多い。リストに示されたデータを合わせると、武漢市の医療従事者の感染者数は計501人で、感染疑いの人数は600人に達する。

中国メディア「財新網」2月5日付は、武漢大学中南医院の重症医学科主任・彭志勇医師を取材した。彭氏は現在、応援スタッフとして武漢市第七医院の集中治療室(ICU)で診療を行っている。同氏によると、武漢市第七医院のICUに勤務する医師や看護師の3分の2が新型肺炎に感染した。ICUでは、防護服やマスク、他の医療備品の不足が深刻で、医師らは「無防備な状態」で医療活動をしている。

候安揚氏の投稿は現在削除されたが、他のネットユーザーによってSNSに転載されている。候氏の微博アカウントはアクセスできない状態が続いている。

これらの情報を投稿した人々が、大企業の会長など、立場の高い人たちであるということから、ある程度信頼できる情報のようなのですが、いずれにしても、医療従事者の感染状況がこのような惨状では、もう少し感染が拡大した場合「完全な医療崩壊」というような可能性もないではないのかもしれないとも思います。

医療従事者の方々でこうなのですから、このような感染力のウイルスに私たち一般人が対抗するのは容易ではなさそうですが、日本も含めて、とにかく提唱されていることが、「石鹸による手洗いの励行」です。

私自身、このことを否定しようとしているわけではないのですが、今流行しているのは「細菌」ではなく、「ウイルス」による感染症だということが、あまり念頭に置かれていないような気がしまして、ですので、以下の事実はあるということは知っておかれてもいいのではないかと思います。それは、

「薬用・抗菌石鹸を含めて、石鹸にはウイルスを死滅させる効果はない」

ということです。

たとえば、薬用石鹸や手の消毒剤などに含まれていることもある細菌の殺菌に効果のある成分として「トリクロサン」という物質があります。これは、細菌には強力な殺菌作用を持ちます。

この物質に関しては、Wikipedia には以下のような記述があり、毒性が問題となっている部分もあるようですが、抗菌作用はあるものです。

トリクロサンは、医薬部外品の薬用石鹸、うがい薬、食器用洗剤、練り歯磨き、脱臭剤、手の消毒剤、及び化粧品など、様々な場面で使用されている、一般的な家庭用の抗菌剤である。

アメリカではその効果への疑問や健康リスクからトリクロサンを含む一般用抗菌石鹸の販売は禁止されている。

薬用・抗菌を含めた石鹸の作用の説明としては、アメリカの以下のような説明がわかりやすいかと思います。

定期的に石鹸と水で頻繁に手を洗うことは、細菌の拡散を防ぐために重要だ。しかし、抗菌製品での手洗いは、ウイルスに対しても強力な洗浄方法と思われているかもしれないが、これはウイルスに対しての洗浄には効果はなく、例えば、インフルエンザのようなウイルスを殺さない。

また、抗菌洗浄製品の日常的な使用は科学者たちによって真剣に疑問視されており、多くの抗菌製品の有効成分であるトリクロサンが有害な薬剤耐性菌を作成することで事態を悪化させる可能性があることが研究により示されている。

consumerreports.org

要するに、通常の石鹸にしても、薬用石鹸にしても、どれだけそれを多用して手を洗ったとしても、「落としているのは細菌だけ」ということになります。ウイルスはまったく影響を受けない。

ですので、どうしても手が気になるのなら、流水で洗い流すのがベストなのではないかと思います。

これは、以前も取り上げたことがありますけれど、医学博士の藤田 紘一郎さんが、プレジデントに掲載した以下の方法で十分というか、ウイルスに対してはそのほうがいいのではないかと思います。もちろん、これは新型コロナウイルスに対しての話ではなく、風邪なども含めたウイルス全般に対してという意味です。

2018年1月18日のプレジデント「”手を洗いすぎる”と風邪を引きやすくなる」より抜粋

私が推奨する「免疫力を強化するための手洗い」を紹介しましょう。

・両手を軽くこすりながら、流水で10秒間流す

以上です。

president.jp

石鹸を使わないのであれば、流水で流す時間はもっと長くてもいいのでしょうけれど、とにかく、ウイルスは石鹸では死滅しないのですから、薬用石鹸などでゴシゴシ洗うということは、「細菌だけを死滅させている」ことになります。

この「身体の常在細菌」に関して、冒頭にご紹介したものも含めて、近年は、「細菌がウイルス感染から細胞を守っている可能性」を示す多くの研究があります。

冒頭の記事は、米ミシガン大学の研究者たちが、

「上気道および下気道(喉と鼻)の微生物叢が、インフルエンザウイルス感染から私たちを守っている」

ことを見出したというものです。

喉と鼻の細菌たちは、ウイルス感染と常に戦っている可能性が具体的に示された画期的な研究です。

たとえば、抗生物質を服用した場合、その後、喉などの常在菌の環境に変化が起きて、「結果としてインフルエンザにかかりやすくなる」というようなことなどを含めて、これまでもいろいろなことがわかっていたようです。

これまで腸内細菌環境について記事にさせていただいたことはありますが、喉や鼻の常在菌もウイルス感染の予防に大きな役割を果たしているようなのです。

これはつまり、

「私たちは、私たちの身体の表面と内部にある、いかなる常在菌も本来は失ってはいけない」

のだということを示しているのだと私は思います。

この記事をご紹介します。

研究を率いているベッツィ・フォックスマン博士は、ミシガン大学の伝染病の分子・臨床疫学センターの代表も務める女性の疫学者です。


How certain bacteria protect us against flu
medicalnewstoday.com 2019/01/17

特定の細菌がインフルエンザから私たちを守るメカニズム

新しい研究により、インフルエンザに対抗できるプロバイオティクスに近づいた。鼻と喉の細菌を微妙に変えることで、インフルエンザに勝てるかもしれないのだ。

現在の科学では、「微生物叢」という言葉が使われる時は、ほとんどの場合、それは腸内細菌を指している。

しかし、細菌は私たちの身体のあらゆる場所において内側にも外側にも両方存在して、覆っており、「マイクロバイオーム」という用語は、人間にあるすべての微生物の集合をあらわすのだ。

現在、私たちの呼吸器系の細菌がますます注目されている。

科学者の中には、この呼吸器系の細菌叢がウイルスによる感染症から私たちを守ることができるかもしれないと確信している人たちがいる。

米ミシガン大学の科学者たちによる最近の研究は、病気に感染するリスクを減らすために、これらの細菌叢を操作する可能性を調査している。

論文の筆頭著者であるベッツィ・フォックスマン教授(Prof. Betsy Foxman)は以下のように述べる。

「微生物を、根絶すべきである敵と見なすのではなく、私たちは微生物と協力するという考えが好ましいと考えます」

フォックスマン教授は、特にインフルエンザウイルスに対する感受性において、微生物たちが果たす役割を理解することに関心がある。

インフルエンザに直面して

私たちは現在、インフルエンザの大きな流行に直面しており、インフルエンザウイルスに感染するリスクを減らす新しい方法を見つけることは重要なことだ。インフルエンザは、多くの人々にとっては重篤な症状にはならないが、しかし、赤ちゃんや高齢者、あるいは基礎疾患のあるなどリスクの高い集団の場合、インフルエンザは肺炎などの深刻な合併症を引き起こす可能性がある。

インフルエンザのリスクを減少させるもののひとつに、インフルエンザワクチンがあるが、これは流行するワクチン株によって、人により予防効果が得られない場合があり、また世界中すべての人が予防接種を容易に受けられるわけではない。

インフルエンザのリスクを減らすための費用対効果の高い簡単な方法を見出すことはは、公衆衛生上の差し迫った問題となっている。

インフルエンザウイルスは、主に上気道および下気道の上皮細胞を標的とするが、上気道および下気道は細菌(常在菌)の大群で覆われている。

これらの細菌コロニーの構造が、インフルエンザウイルスがその人に感染し、病気を発症させる能力に影響を与える可能性はあるのだろうか。

これまでの研究では、この気道および下気道のマイクロバイオーム(微生物叢)を操作することで、病気に対する感受性が変化することが示されている。

たとえば、ある研究では、マウスを抗生物質で治療すると、細気管支上皮の変性が増加し、インフルエンザ感染後の死亡リスクが高くなることがわかった。

(※ その研究 「共生細菌は、抗ウイルス免疫の活性化の閾値を較正する」)

また、フォックスマン教授による以前の研究では、インフルエンザウイルスに感染した人の鼻と喉の肺炎球菌と黄色ブドウ球菌のレベルが上昇していることが示されていた。

これらの研究からも、呼吸器に存在する微生物叢とインフルエンザウイルス感染との間に関係があることは明らかなのだ。

しかし、著者が書いているように、現在までのところは、鼻や喉のマイクロバイオームとインフルエンザのリスクとの関連は、ヒトの集団では実証されていない。

科学誌 PLOS ONE に掲載された論文でフォックスマン教授たちのチームは、このヒトの集団での実証の問題に対処した。

(※ PLOS ONE の論文 「呼吸器の微生物叢とインフルエンザウイルス感染に対する感受性」)

細菌はウイルスからの防御者だった

これを調査するために、科学者たちは、2012年から 2014年にかけて実施されたニカラグアの世帯伝播調査のデータを使用した。参加者は、インフルエンザが確認された個人の家族だ。チームは、13日間またはインフルエンザが発症するまでのいずれか早い方で、それぞれを追跡した。

この研究では、研究の開始時にインフルエンザが陰性であった 537人のデータを使用した。

研究者たちは、プログラムの開始時に、咽喉および鼻の細菌のサンプルを採取した。そして、 DNA シーケンスを使用して、存在する細菌の種類の写真を構築することに成功した。このデータを 5つのクラスターに分割した。

細菌群のタイプを 5つのグループに分け、喫煙、年齢、生活環境、インフルエンザワクチン接種など、他の変数を制御した。

フォックスマン教授はこのように言う。

「私たちは誰がどのクラスターを持っているか、そしてそれを持つ人がインフルエンザにかかったかどうかに違いがあるかどうかを調べました。その結果はとてもエキサイティングなものでした」

「この特定の細菌群集がある場合、インフルエンザにかかるリスクが低いことが見出されたのです。このような結果はそれまで示されていなかったことでしたので、大きなニュースだといえます」

これらの結果は、インフルエンザにかかりやすい人たちと、かかりにくい人たちがいる理由を説明するのに役立つかもしれない。

呼吸器系のプロバイオティクスが作られる可能性

プロバイオティクス(人体に良い影響を与える微生物、またはそれらを含む製品)の支持者たちは、腸内のいわゆる「善玉」細菌を促進することを主張している。

これらの主張の多くは、やや誇張されているか、誤解を招く可能性もあるが、マイクロバイオームが私たちの健康に大きな影響を与えていることは間違いない。

フォックスマン教授は以下のように述べている。

「誰かの喉や鼻の微生物叢を他の人に移植するすることが可能なのかどうか。喉や鼻の微生物叢の錠剤が存在すると私たちが人々に伝えられる時が来るのか。そこに興味があります」

現在の研究は、この方向への第一歩を踏み出した。

フォックスマン教授は「それは非常に長い道のりであり、私たちは、まだその最初の段階に至ったに過ぎません」と述べる。

しかし、フォックスマン教授ら科学者たちはこの流れで研究を続ける予定であり、その研究の可能性は膨大だ。

抗生物質耐性菌が世界に拡大している中、感染症に対しての、この種の科学的介入は、ある種の生命線を提供することになる可能性がある。

フォックスマン教授は、「私たちの現在の医学は、常に新しい抗生物質が必要になっていますが、微生物叢での防御のようなものが確立されれば、私たちはより長くウイルスからの感染に耐えることができる可能性があり、このような方法で介入することができれば、副作用はずっと少なくなるでしょう」と述べる。

研究者たちは、これらの予備調査結果が将来の研究の基礎を作り、革新的な新しい方向を提供することを目指している。


ここまでです。

身体のいかなる細菌(常在菌)も、私たちをウイルス感染から守ってくれているという可能性がとても高くなっています。先ほど「細菌だけを殺す作用がある石鹸」というものの使用について懸念を示したのも、ここに理由があります。

あるいは、子どもの頃から医療処置や抗生物質の投与を受け続けてきた、たとえば私のような、腸内細菌環境が悪い(あるいは悪かった)人の場合は、おそらくは、他の部分の微生物環境もあまりよくないのだとは思います。

それだけに、「これ以上は常在菌を損ないたくない」という気持ちはあります。もうずっと「殺菌しない生活」を続けているのはそのためでもあります。

私はもうずっと石鹸やボディソープ、シャンプーを完全に使用していません。あるいは洗剤にしても掃除用品にしても、抗菌殺菌のたぐいを使うのを完全にやめているのですが、これまで毎年、冬になると風邪や感染性胃腸炎になっていたものが、石鹸を使うのをやめて以来一度もかかっていないのはありがたいことです。

この「殺菌しないことの重要性」を教えて下さった藤田紘一郎医師には、とても感謝しています。

とはいえ、こういうのは気持ちの問題も大きいでしょうから(石鹸で手を洗わないと気持ち悪いと感じる方はたくさんいると思います)、手を洗うとか石鹸を使うとかは個人の指向の問題でいいのだと思います。

ただ、手にしても体表にしても、鼻や喉や口内にしても、過度に殺菌することはあまりよくないことは、先ほどご紹介したフォックスマン教授の研究からも伺えるのではないかと思います。

これと直接関係のある話ではないですが、近年の細菌学では、「 CRISPR-Cas (クリスパー-キャス)システム」という、細菌が持つ免疫システムの研究が盛んで、これは、外来性の遺伝子に対して獲得免疫機構を担っている「防御システム」であることがわかってきています。

細菌とウイルスの関係というのは、研究が進めば進むほど、これまで言われていたような単純なものではないことがわかってきています。

それは本当に複雑で、生物学の基本的な知識のない私には理解もままならないものなのですが、しかし「面白い」とは思います。

ウイルスに対抗するシステムを、多くの細菌は持っている。

そして、私たちの体内にある常在菌もそれを持っている。

過度な殺菌や抗生物質の多用は、人間の免疫系を弱めてしまう可能性が高いです。

そういう意味では、中国で爆発的に新型コロナウイルスが感染拡大している理由のひとつが、あるいは、中国でアフリカ豚コレラが著しく感染拡大している理由のひとつが、以下のような報道と関係している部分もあるのかなというようにも思います。

抗生物質の乱用が中国人の健康に危害をもたらす

spc.jst.go.jp 2011/10/19

「抗生物質を代表とする抗菌剤の乱用は、中国医療界における深刻な問題と化している。中国は世界で最も抗生物質の乱用が深刻な国と言える。」衛生部薬政司の姚建紅副司長は、抗生物質は中国人の健康に危害をもたらしていると指摘した。

中国の1人あたり抗生物質使用量、米国の10倍

中国では毎年、抗生物質の原料約21万トンが生産されており、輸出分約3万トンを除くと、18万トンが国内で使用されている。1人当たりの年平均消費量は約138グラムで、米国人の10倍となっている。

また、小児科における抗生物質乱用も深刻だ。北京児童医院の1日あたり患者数は約1万人で、うち約3分の1の子供が点滴を打ち、点滴薬には抗生物質が含まれているという。2009年に北京、上海、広州、武漢、重慶の病院の5カ所の病院の小児科で調査を行ったところ、抗生物質の使用量は国外の小児科の 2- 8倍に達していた。

この記事は、2011年のものなのですが、その後も中国での抗生物質の使用量は、どんどんと増えていったようで、2016年の抗生物質使用の、アメリカとイギリスとの比較では、以下のようになっています。

赤は人に対しての使用、黒は動物に対しての使用を示しています。

華南師範大学による英米中3カ国の抗生物質使用量の比較

China must reduce antibiotic use

こんなに激しく抗生物質を乱用している状況では、多くの人と、そして飼育されている動物でも、ウイルスに対しての基本的な免疫がかなり失われている場合が多いと思われます。

どこよりも鳥インフルエンザの人間への感染が多いのは中国ですし、今のコロナウイルスも、中国がどこよりも感染率も致死率も高いです。動物にしても、アフリカ豚コレラがどこの国より激しく蔓延しているのも中国です。

これらは中国での抗生物質の異常ともいえる乱用と無関係とは言えない気がします。

そして、おそらく、今後起き得る鳥、あるいは豚インフルエンザのパンデミックとか、新しい耐性菌の出現も中国からになると考えています。

実際にすでに「最強の抗生物質コリスチン」でも殺せない耐性細菌( MCR-1 という遺伝子を持つ)が出現していますが、それも中国で生まれたものでした。

今回のフォックスマン教授の研究を読んで、「なぜ、中国なのか」という理由が、とても明快にわかった気がします。

そして、中国において抗生物質で免疫獲得能力を失った人たちがたくさんいるということは、今後も新型コロナウイルスの爆発的感染は、少なくとも中国においては続いていく可能性が高そうです。

パンデミックのスイッチの核は、ウイルスにではなく抗生物質にあったのかもしれません。

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