2008-06-14

「ビタミンC」と書いてあれば「体にいい」と思っていませんか?~パート3

ビタミンC論争 が盛ん 🙂 ですが、yuyuさんの投稿(パート2)http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2008/05/000326.html#moreとleonrosaさんのコメントからすると「アスコルビン酸(ビタミンCの化学名)は、天然と合成で、その吸収率や生理作用・薬理作用および副作用に違いはないと言われています。」との様ですね。 😮
純粋精製されたビタミンCと、野菜や果物等の状態で摂取したものとは、直感的にも体に及ぼす効果は違うような気がしますが、このあたりは不明 🙄 な様です。
orange2.jpg
             
さて私もビタミンCに興味を持ったのですが、今の健康ブームに引き付けてみると確かにビタミンCが最ももてはやされているようです。サプリメントだけでなく様々な食品・飲料にもその名を見かけます。
                           
そこで私が関心を持ったこととして
1.ビタミンCの機能ってどうなん?
2.ビタミンCは大量に摂取しても大丈夫?

ということでした。
    
実は調べていくうちにビタミンC漬けになっている現状が見えてきたのです
                
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1.ビタミンCの機能って? 
                                        
ビタミンCのはたらきとしては、 🙄
①コラーゲンというタンパク質を合成するための酵素の働きを助け、壊血病など疾患を防止する。
②体内に発生する活性酸素に対して体内の酸化を抑止する抗酸化物質として機能する。

として重要な役割を持っています。
                         
以下「スポーツマンの生理学/ビタミンCといえども過ぎたるは・・・・」から引用しました。
http://www.kentai.co.jp/column/physiology/p015.html               

●ビタミンCのはたらき
 ビタミンCの最も明かなはたらきは、特定の酵素を助ける「補酵素」としての作用です。特に、コラーゲンというタンパク質を合成するための酵素のはたらきを助けます。コラーゲンは、腱、骨、皮膚、血管壁やさまざまな内臓器官の支持組織を構成する「結合組織」の主要成分です。ほとんどの動物は、ブドウ糖からビタミンCをつくることができますが、ヒトはこの能力を失ってしまったため、ビタミンCを全く摂取しないと、結合組織が弱化し、壊血病などの疾患に陥ります。こうした状態を回避するためには、1日約60mgのビタミンCを摂取する必要があります。また、白血病などを活性化し、免疫機能を高めるとも考えられています。一方、最近では、上記の作用よりもむしろ、からだの酸化を防ぐ「抗酸化物質」としてのはたらきが注目されています。
                                                            
●活性酸素種の生成
 以前、はげしい運動を行なうと、からだに有害な「活性酸素種」が生じることをお話ししました。活性酸素種には、O2やOHなど数種ありますが、これは、おおむね次のような過程で生成されます。(1)免疫反応(炎症)で白血球が生成。(2)酸素を用いた代謝過程(エアロビック運動など)でミトコンドリア中に発生。(3)低酸素環境から高酸素環境に移行する過程で、キサンチンオキシダーゼという酵素のはたらきを介して発生。(4)放射能や紫外線によって細胞内液が電離して発生。エアロビック運動では(2)によって、一方、筋の伸長性収縮をともなうはげしいトレーニングなどでは(1)と(3)によって活性酸素種が発生します。
                                                
●活性酸素種と老化・病気
 上記の過程で生成された活性酸素は、生体機能に重要なタンパク質や細胞膜の脂質を酸化し、変性させてしまいます。また、遺伝子DNAを攻撃し、局所的に酸化したり、切断したりします。一般には活性酸素の寿命は短く、1分程度と考えられていますので、これらは過激な局所的な作用といえます。一方、活性酸素は中性脂肪を過酸化し、「過酸化脂質」を生成します。過酸化脂質の寿命は長く、体内を循環して、さまざまな器官に悪影響を及ぼします。こうした短期的・長期的効果が、ガン、動脈硬化、心疾患、肝疾患、肺疾患、リューマチ、糖尿病などのさまざまな疾患の要因となるとともに、老化を速めると考えられています。
                                                  
●抗酸化物質のはたらき
 私たちのからだは、活性酸素の生成に対して、「元で防御する」機構を備えています。スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)と呼ばれる酵素です。SOD、ミトコンドリアに多量にあり、活性酸素を速やかに無害化する反応を促進します。この酵素は加齢にともなって減少しますが、過度な運動によって増加します。一方、SODで処理しきれない活性酸素に対しては、「抗酸化物質」がはたらきます。抗酸化物質は、いわば還元剤で活性酸素によって速やかに酸化され、生体物質を酸化から守ります。ビタミンCや、最近注目されているポリフェノール類などは水溶性で、比較的早期に活性酸素の作用を抑えます。一方、脂溶性のビタミンEなどは、過酸化脂質の生成を抑えます。実際、ビタミンCやポリフェノールの摂取は、はげしい運動後の筋疲労・炎症や、血中過酸化脂質の増加を防ぐことが明かになっています。

以上引用終わり。
                      
ちなみに多くの動物はビタミンCを体内で精製できますが、ヒト・サル・モルモット・高等な鳥類は精製できません。 これは進化した動物は自ら作らなくとも外部から容易に摂取できる外圧状況になったことで、体内での精製機能を無くしてエネルギー消費を減らしたのかもしれませんね。(どうやら体内精製にはかなりのエネルギーが必要らしい。)
                       
また引用コメントにもあるようにビタミンCには、ある成分の身代わりとなって酸化されることにより酸化を防止する抗酸化機能があるようで、いまや多くの食品に「酸化防止剤」として使われています。                  
                                                   
以下ビタミンCを酸化防止剤として売っている会社からの引用
http://www.fusokk.co.jp/product/life/food_02/001/index.html                                   

主な用途
■飲料類:機能性飲料・清涼飲料等のビタミンC強化剤、果汁飲料・
       ワイン等の酸化防止剤
■畜産類:ハム・ソーセージ等の酸化防止剤
■水産類:明太子・スモークサーモン等の酸化防止剤
■缶詰類:果実缶詰・マッシュルーム缶詰等の酸化防止剤
■漬物類:たくあん・各種浅漬け等の酸化防止剤
        
食品への表示例
「酸化防止剤(ビタミンC)」 但し、栄養強化目的の場合は、表示は免除されます。

以上、引用終わり。
                                    
今や身の回りにある様々な食品・飲料には酸化防止剤として大量のビタミンCが添加されている。それとは知らずに、私達は食品添加物として過剰なほどのビタミンCを摂取している、所謂ビタミンC漬けが現状なのです。
                                      
それなのに、癌に効くとかお肌にいいとか、老化防止だとか言われて更にサプリメントを飲むなど、一体どれくらい大量のビタミンCを摂取しているのでしょうか? 🙁
果たして、これだけ日常から大量摂取して大丈夫なのでしょうか?

                
                                    
2.ビタミンCは大量摂取しても大丈夫なの?
ビタミンCの過剰摂取についてのコメントを探してみました。
以下「メルクマニュアル 医学百科」より引用
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec12/ch154/ch154l.html                             

●ビタミンC過剰症
 ビタミンCには、フリーラジカルによる損傷から体の細胞を保護する抗酸化作用があるため、大量に摂取する人がいます。正常な細胞活動の副産物であるフリーラジカルは、アテローム動脈硬化症、癌、肺疾患、感冒、白内障、記憶喪失といったさまざまな疾患に関与していると考えられています。ビタミンCを多量に摂取することによって、これらの病気が予防できるかどうかは不明ですが、白内障に対する予防効果に関しては強力な証拠があります。いずれにしても、安全な上限を超えない範囲でのビタミンC摂取は、普通は害にはなりませんが、吐き気や下痢を引き起こしたり、血液検査結果を解釈する際の妨げになったりする場合があります。

以下「スポーツマンの生理学/ビタミンCといえども過ぎたるは・・・・ 」より引用
http://www.kentai.co.jp/column/physiology/p015.html                                          

●ビタミンCには酸化作用もある?
 上記の様な効果に加え、水溶性ゆえに余剰分は尿中に排出されるとの推測から、ビタミンCについては、過剰摂取することが推奨される傾向にあります。ノーベル賞学者でポーリング博士もかねてから、1日1g以上(必要量の約20倍)ビタミンCを摂取することを勧めています。ところが最近、Podmoreら(1998)は、ビタミンCが全く反対の「酸化作用」も兼ねて備えることを、雑誌「Nature」に報告しました。彼らは、リンパ球の遺伝子DNAを構成する4種類の塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)の酸化状態について調べ、過剰のビタミンC(500mg/日)を摂取すると、酸化型グアニンの量が約50%減少するものの、逆に酸化型アデニンの量が2倍以上に増加することを見い出しました。このことは、ビタミンCが、抗酸化物質であると同時に「酸化物質前駆体」となりうることを示します。おそらく、活性酸素によって一度酸化されたビタミンCが、今度は別の物質を酸化すると考えられます。ビタミンCの免疫機能の増強効果には、こうした作用が微妙に関係しているのかも知れません。スポーツ活動と同様、ビタミンCの摂取についても、「過剰」にならないようにすることが、健康の維持増進には重要となるでしょう。また、スポーツ選手の最適摂取量などについての今後の研究が望まれます。

              
以上引用終わり。
日本人の食事摂取基準でも上限量は定められていないようですが、やはり「過ぎたるは及ばざるが如し」のとおり、大量摂取して良い事はなさそうです。 8)
ビタミンCは外部から摂取する必要がありますが、現状では否が応でも、容易かつ大量に日常の食品・飲料から摂取することが可能な状況になっています。
                           
健康ブームに乗っかって「体にいいビタミン神話」のごときイメージが作られていますが、これも市場がつくりあげた幻想であり、「ビタミンCといえども過ぎたるは・・・」と云えそうです。

List    投稿者 kaz-tana | 2008-06-14 | Posted in N.健康・医療・食品8 Comments » 

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コメント8件

 11時から打合せ | 2008.10.30 22:14

メラミンというと…
普段、メラミン樹脂製のお皿を使っていたので、
メラミン混入の報道があったときは、
「あのお皿大丈夫??」って不安になりましたよ。
ちょっと、調べてみましたが、お皿は大丈夫らしいですね。
日常の使用で、ホルムアルデヒドが微量に溶け出してるみたいですが、自然食品に普通に含まれてる量と比べても僅かなものらしいです。
それにしても、中国の人のニセモノを作り出す知恵にはある意味感心させられます。中国は人件費が安く、日本も生産の場を移してきましたが、今後中国の技術力が発展して、人件費が高くなると、どうなるんでしょうかね。

 ういろう | 2008.10.30 22:50

ニュースをチラッと見たときに、製造工程の何処で入ったのかな?と思ったっきり中身知らずにいたんですが。。。、入っちゃったんじゃなくて、牛乳のたんぱく質の水増しの為に、入れてたんですね。。。驚きました。
ここまでくると、安さが絶対だ、といった意識を改め、まともな品質のものにはそれなりの評価をする必要もでてきそうで、何にお金を使うか、といった事jにも影響しそうですね。

 mamayo | 2008.10.30 23:08

とても分かりやすくて勉強になりました!!
こんなにためになることをニュースでは何も教えてくれません!
市場原理は、常に「全」的な効用を無視して要素主義に陥り、結局はとんでもないことになっているのですね。

 ヘンプヒルズ | 2008.10.30 23:10

非常に解りやすかったです。
>中国では、コストを下げるために、本来入れるべき牛乳や小麦の量を減らして薄めていました でもそのままだと、たんぱく質の基準に満たず、商品として成り立ちません。
そこで利用したのが、窒素を多く含むメラミンだったんです!!>
これ本当ですか!?
本当だったら・・・・・・・言葉を失います
メラミンの件をみても、市場に社会は統合できないどころか、人類破滅の危険を感じます。

 かっし~ | 2008.11.07 22:47

>11時から打ち合わせさん
コメントありがとうございます。
そうなんです、お皿やテーブルなど樹脂になると、分子が大きくなるので、体内で吸収されにくくなると聞いたこともありますよ。
また、このままの市場主義が続けば、中国の人件費が高くなっても、また第二の中国が出来るだけのように思います。
そこで大切なのは、事実の追求!!
単に、こういった事件の表面だけをみて、マスコミのように右往左往していては、何の解決にもなりません。
一緒に事実を追求して、『なぜそうなっているのか?』『どうしたらいいのか?』を本質から考えていきましょう♪
おすすめサイト→るいネットhttp://www.rui.jp/rui1974.php3

 かっし~ | 2008.11.07 22:54

>ういろうさん
コメントありがとうございます。
今の時代、特に日本では貧困を脱し、基本的には、皆が生きていける時代になりました。
本当に欲しいものはなくなったのに、市場がむりやりお金を投入して、成長を維持してきたのが今の日本です。
今こそ、本当に、≪必要か否か≫の判断が求められている時なのでは?!と感じています。

 かっし~ | 2008.11.07 23:08

>mamayoさん
コメントありがとうございます
そ~なんですよ~
テレビでは、ちっともこんなこと教えてくれないですよね。
しかも、この“なんで?!”の部分を無視して、視聴者を煽るような報道しかしない。
きっと、それにもマスコミが中身がないだけじゃなく、それによって、何かを陥れようとするような、大きな意図を感じてしまいます・・・

 かっし~ | 2008.11.07 23:18

>ヘンプヒルズさん
コメントありがとうございます。
>メラミンの件をみても、市場に社会は統合できないどころか、人類破滅の危険を感じます。
本当にそうですね。
市場に委ねた結果、社会はどんどん収束軸を失ってガタガタになっていってしまっていますもんね

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