2007-11-20

ヒトの身体も自然の摂理で出来ている・・2


パート1に引き続いて・・・・ヒトの身体のどこで硝酸から亜硝酸を作り出したのだろう?

いくつかの可能性のうち、最後に残ったのは「胃」でした。
しかし胃壁からは、塩酸とペプシン(タンパク質分解酵素)が出るため、ピロリ菌のような特殊な細菌以外は到底生きられません。しかもピロリ菌は硝酸を代謝する能力を持たない。

では、どうして乳児の胃の中で亜硝酸が作り出されたのだろう?


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調べていくと、成人の胃はpHがほぼ強酸性なのに、新生児を超え中性に近いことが分かります。
そこから乳児は塩酸を分泌する力が弱いため、胃のpHが細菌の好む5~7の状態となり、それがヘモグロビン血症の主因であるとの結論に至ったのです。

ではなんで乳児の胃は塩酸を分泌しないのだろう?
の消化液は消化力というより殺菌力命。胃そのものも消化器官というより、食間に栄養を補給する貯蔵庫の役目が大きい。(牛の4つの胃はその典型かも?)

そのため胃の消化液は、貯めている植物を腐敗から守り、病原体を殺す役割を持つのです。
そして食物と一緒に口に入る病原体はほとんどが胃の中で死ぬ。それをすり抜けたわずかな病原体が感染症を生む。

生まれたばかりの哺乳類がまず口にするのは母親の乳です。
例えば牛や豚は胎盤が厚く、大型の免疫分子は胎児の体内までほとんど届かないから、生まれたばかりの仔は懸命に母親の乳を飲む。母乳に含まれる免疫分子をとらないと健康に育たないからです。
初乳に多い白血球は免疫分子など大切な物質をつくるほか、細菌類を殺す作用もして、胃の中を清潔な無菌環境にする。
塩酸やペプシンの助けは要らない。逆に強力な作用をもつ塩酸やペプシンが乳児の胃に分泌されたら母乳の白血球は大切な物質もつくれないし、死に絶えてしまう。
またタンパク質でできた免疫分子もたちどころに変化して機能を失う。乳児の胃に塩酸消化液分泌されないのは、母乳の神秘的な作用を引き出す生物現象だといえます。


ついでに小腸について紹介しておきましょう。

小腸は栄養の取り組み口にあたる。しかしむやみに何でも取り込まないように、とりわけアレルギーを起こす異物(アレルゲン)進入させないように監視している器官でもある。


例えば動植物の死骸といってもいい食物は、自分とは違う遺伝情報を持つ異物です。
そのためタンパク質も炭水化物も遺伝的な特徴の残らないまで分解(消化)しつくしたもの(アミノ酸や単糖)だけ小腸壁を通過させます。
この仕組みを「腸管の吸収閉鎖」という。まちがって未分解物が入り込んだら、免疫系が動員されその物質に対するアレルギー体質が出来上がる。

乳児の腸は腸管吸収閉鎖が解除されている。それは母乳から来た大切な物質を壊さずとり込むためです。
牛や馬は生後わずか16時間ほどで腸管吸収閉鎖の解除が終わり、閉鎖状態になる。だからわずかな時間内に母乳をたっぷり飲んで免疫分子を取り込まなければ、決して生きてはいけない。

ヒトは、ある程度の免疫分子を胎内で取り込んで産まれるため、絶対に母乳を飲まなければならないわけではない。しかし胃や腸の機能は、ほかの哺乳類と同様に母乳の役割を最大限取り込む仕組みは変わらない。

超未熟児で産まれてしまうヒトは、他の動物に比べて胃に十分な消化液が分泌されるまでの器官が長いし、腸管吸収閉鎖の解除が終わるのも数ヵ月後と遅い。だから4ヶ月未満人工乳哺育児だけがメトヘモグロビン血症となる可能性を持つのです。

科学技術の飛躍的な進歩により役に立つ人工物が増えたのは確か。
しかしヒトの体はその進化に到底追いついていない。
自然の摂理の重要性はその点でも外せないのだと思います。

参考文献:「水と健康」林俊郎 日本評論社

List    投稿者 goqu | 2007-11-20 | Posted in M01.身体の自然環境No Comments » 

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